2015年10月1日施工『看護師等の人材確保促進法(改正)』を分かりやすく解説|在宅医療の基礎知識

2015年10月1日からスタートした『看護師等の人材確保推進法(改正)』について、現役ではたらく看護師や今お休みしている看護師にとって何がどう具体的に影響するのか、医療コンサルタントの鍵谷昭典がわかりやすく解説します!

(2015年12月時点)

 

看護師等の人材確保促進法(改正)について|在宅医療の基礎知識

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2014年に成立した「医療介護総合確保推進法」の一環として、「看護師等の人材確保促進法」の改正が2015年10月からスタートしました。(略称:「改正看護師等確保法」)

改正看護師等確保法は、看護師等の資格を持ちながら結婚や出産などで退職した人の情報を各都道府県のナースセンターに登録し、復職支援を推進するものです。

厚労省の発表では、2012年時点の看護職員数(保健師、助産師、看護師、准看護師)は153万7813人で、10年前に比べて約30万人、15年前に比べて約47万人増加しています。

しかし、2025年問題でもあるように団塊の世代が75歳以上となると、約200万人の看護師が必要で2025年には約3万~13万人の看護師不足になる計算です。そこで改正看護師等確保法では各都道府県にナースセンターを設置して、離職看護師等の登録情報をもとに復職支援を行うことを目的としています。

“2025年問題”が日本の医療にどう影響するか説明できますか?|在宅医療の基礎知識

2015年12月25日

看護師等の復職支援強化って何をするの?

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復職支援の具体的なイメージとしては、都道府県ナースセンターが中心となり、看護職員の復職支援の強化を図るため、次の整備を順次行なっていきます。

◆看護師等免許保持者について、一定の情報の届出制度を創設し、離職者の把握を徹底
◆ナースセンターが、離職後も一定の「つながり」を確保し、求職者になる前の段階から、効果的・総合的な支援を実施できるようナースセンターの業務を充実・改善
◆支援体制を強化するための委託制度やその前提となる守秘義務規定等関連規定を整備
◆ナースセンターの情報サービスの充実・改善
・メール等による情報提供など「求職者」になる前の段階から総合的な支援
・就職斡旋と復職研修の一体的実施など「ニーズに合ったきめ細やかな対応」
・ハローワークや地域の医療機関との連携、サテライト展開等の支援体制強化

ナースセンターの具体的な機能について

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改正看護師等確保法では「病院等の開設者等による届出の支援」(努力義務)が規定されています。

その支援の例として、「離職する場合に、都道府県ナースセンターに届出を行うことが法律で定められている旨を情報提供し、届出を促すことや当該看護師等の同意の下、当該看護師等に代わって都道府県センターに届け出ることなどが考えられる」と通知に記されています。

つまり、看護師が勤める病院が離職する看護師等の同意を得られれば、その病院が代理で都道府県ナースセンターに届け出ることができるというわけです。

日本看護協会、日本医師会及び各病院団体等で構成した「ナースセンターの運営に関する中央における定期的な協議の場」も設けられ、中心に位置付けられる中央ナースセンターは厚生労働省が公益社団法人日本看護協会(日看協)に、都道府県ナースセンターは各都道府県が都道府県看護協会に、それぞれ運営を委託しています。

◆ナースセンター機能強化のイメージ
・看護師等免許保有者について、連絡先など一定情報の届け出を義務付ける制度を創設
・「届出制」により把握した情報を活用し、ナースセンターサイドから「離職中の看護師等」に対して
積極的にアプローし、「求職者」となるよう働きかけることが重要
・そのための体制強化を検討(例:ナースセンターへコーディネーター配置、サテライト展開等)
・都道府県のナースセンター運営協議会等を活用して、受け入れ医療機関(求人)サイドのニーズ
も汲み取りながら、ナースセンターによる看護職員確保対策を協議

看護師等の人材確保推進法改正のポイント

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改正看護師等確保法の主なポイントは、都道府県ナースセンターの新たな業務に「看護師等への就業の促進に関する情報提供や、相談などの援助を行うこと」が追加されたこと。看護師等が病院等を離職した場合に住所や氏名などを都道府県ナースセンターに届出(努力義務)が必要です。ナースセンターには、公共職業安定所などに「業務に必要な情報の提供」を求める権限の付与、等が挙げられます。

尚、看護師等がセンターに届け出るのは、「氏名・生年月日・住所・電話番号や電子メールアドレス等の連絡先・保健師籍、助産師籍、看護師籍、准看護師籍の登録番号と登録年月日・就業に関する状況(職歴等)です。

【看護師等人材確保推進法改正の具体的なポイント】
◆ナースセンターの業務拡充
現行の無料職業紹介事業に加え、「離職後、求職者になる前」の段階から支援をできるように、
ナースセンター業務規定を改正

これにより、離職後に復職するか否かを迷っている看護師等に対して、適切なタイミングで効果的なアプローチが可能になる。

◆ナースセンターの情報把握強化
・ナースセンターが効率的な支援を行えるよう看護師等に対して、離職した場合等にナースセンターへの住所、氏名、連絡先その他の情報等の「届出の努力義務」を規定。
・ナースセンターが官公署に対し情報提供を求めることができる旨の規定を整備。
・併せて、ナースセンター役職員などについて、守秘義務規定を整備。

・ナースセンターが、離職している看護師等の情報を効果的に把握することにより、離職した看護師等の潜在化を予防し、効果的な復職支援につなげることが可能になる。
・「届出」事務を合理的に実施するため、中央ナースセンタシステムを活用し、看護師等が自らインターネット経由で登録する方法等を検討。

◆支援制度の強化
・より身近な地域でナースセンターによる支援が受けられるよう、ナースセンターの業務を地域の医療機関等に委託することができる旨の規定を整備。
・関係機関との連携規定を整備。

・サテライト展開等が可能になり、利用者にとって、より身近な地域で相談等のサービスが受けられるようになる。
・財源として「新たな財政支援基金」の活用も可能。
・地域の関係者との連携体制を強化。

厚生労働省は、センター機能強化による「看護師の復職支援」以外でも、勤務環境の改善を通じた定着・離職防止、社会人経験者の看護職への取り込み促進等を推進する方針です。

◆日本看護協会:就業と定着を推進する事業
http://www.nurse.or.jp/nursing/nc/gaiyo/index.html

◆届出サイト「とどけるん」:運営:公益財団法人日本看護協会
https://todokerun.nurse-center.net/todokerun/

★監修★

鍵谷昭典(かぎたに あきのり)先生
鍵谷医療IT経営 代表
認定登録 医業経営コンサルタント
経済産業省推進資格 ITコーディネーター
地域医療福祉情報連携コーディネーター
医療機関・医療機器企業・製薬企業等向け勉強会多数実施

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