チーム医療推進の中の看護師の役割とは|在宅医療の基礎知識

2010年の厚生労働省による「チーム医療の推進に関する検討会」以降、様ざまな分野で広がりを見せる看護に関するチーム医療。

医療従事者が互いに対等に連携して患者の治療・看護・ケアにあたるという基本的な考えの中で、具体的に看護師に与える影響について医療コンサルタントの鍵谷昭典が解りやすく解説します!

(2015年12月時点)

医師の業務を一部担う『チーム医療』の推進について|在宅医療の基礎知識

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医師不足・看護師不足は以前より懸案事項として挙げられていました。特に勤務医の負担軽減については深刻で、特に病院に勤務する医師が手術、入院、外来等に忙殺され疲弊している現状を打開する必要が高まっていました。

そこで医政局長通知「医療スタッフの協働・連携によるチーム医療の推進について」(平成22年4月30日付)が発出され、医師以外の医療スタッフに医師の業務の一部を担ってもらうことを目的に、チーム医療の推進が活発化しました。

チーム医療の推進における看護師・診療放射線技師・臨床検査技師・歯科衛生士等の業務分担内容とそのための教育課程や研修の必要性等について、医師の行為のうち医師以外の医療スタッフが比較的担える可能性が高い項目を洗い出し、その内容が行えるように、法の改正や教育制度の見直し等を行っています。

医療従事者の業務の範囲及び業務の実施体制の見直し内容

◆特定行為を行なう看護師の研修制度の創設
・診療の補助のうち、一定の行為を「特定行為」として明確化
・医師や歯科医師が作成する手順書により、特定行為を行なう看護師の研修制度を創設

◆診療放射線技師の業務範囲の見直し
・放射線の照射等に関連する行為(造影剤の血管内投与等)を業務範囲に追加
・病院又は診療所以外の場所で、健康診断として胸部X線撮影を行なう場合には、
医師や歯科医師の立会いを不要とする

◆臨床検査技師の業務範囲の見直し
・臨床検査技師の検体採取(鼻腔拭い液による検体採取等)を業務範囲に追加

◆歯科衛生士の業務実施体制の見直し
・歯科衛生士が予防処置を実施する際には、歯科医師の指導の下に行うこととし、「直接の」指導までは要しないこととする

これら内容を各医療従事者が専門性を発揮しつつ連携することで、患者さんの状況に応じた適切な医療提供を目指します。

特定行為に係る看護師の研修制度の概要

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今後は高齢者が増え、在宅医療等の推進を加速化して2025年に向かっていくために、個別に熟練した看護師のみでは足りず、医師又は歯科医師の判断を待たずに、「手順書」により、 一定の「診療の補助」を行う看護師を養成し、確保していく必要があります。

そのためには、診療の補助としての行為を特定し、手順書によりそれを実施する場合の研修制度を創設して、その内容を標準化することにより、今後の在宅医療等を支えていく看護師を計画的に養成していくことが、この制度創設の目的とされこの制度は2015年10月1日から施行されています。

なお、「手順書」とは、医師又は歯科医師が看護師に診療の補助を行わせるためにその指示として作成する文書であって、看護師に診療の補助を行わせる患者の病状の範囲、及び診療の補助の内容等が定められているものをいいます。

また、「特定行為」とは、診療の補助であって、看護師が手順書により行う場合には、実践的な理解力、思考力及び判断力、高度かつ専門的な知識、及び技能が特に必要とされるものを指します。特定行為は、38行為、21区分あります。

特定行為および特定行為区分(38行為21区分)

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※厚生労働省資料を元に弊社作成

現行と同様、医師又は歯科医師の指示の下に、手順書によらないで看護師が特定行為を行うことの制限はしていません。また、この制度を導入した場合でも、患者の病状や看護師の能力を勘案し、医師又は歯科医師が直接対応するか、どのような指示により看護師に診療の補助を行わせるかの判断は医師又は歯科医師が行うことに変わりはありません。

今後はこの研修会を終了して、特定行為を行が行える看護師が増えれば、医師の負担軽減と、患者にとって安心・安全な診療の継続が期待できます。

★監修★

鍵谷昭典(かぎたに あきのり)先生
鍵谷医療IT経営 代表
認定登録 医業経営コンサルタント
経済産業省推進資格 ITコーディネーター
地域医療福祉情報連携コーディネーター
医療機関・医療機器企業・製薬企業等向け勉強会多数実施

 

特定看護師とは。ナースプラクティショナー(NP)との違い|在宅医療の基礎知識

2017.04.17

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