正しく知ろう!インフルエンザの院内感染予防|在宅医療の基礎知識

毎年11月頃から発生し、1月下旬から2月にかけてピークを迎えるインフルエンザ。

感染力が非常に強く、新型の場合には爆発的な感染が予測されるため、ウイルスが病院内で蔓延しないために、院内感染の予防について考えたいと思います。

そもそも、院内感染の定義とは|在宅医療の基礎知識

pixta_21977290_S-1-min
院内感染とは、インフルエンザに限らず病院や医療施設内で体内に接種されたウイルスによって引き起こされる感染症のことです。

退院してから発症しても、病院内でのウイルス摂取に起因する感染症であれば、「院内感染」になり、医療従事者が病院内で接種されたウイルスによって感染症を発症した場合も「院内感染」になります。

逆に、病院外で摂取されたウイルスによって入院後に発症した感染症は「市中感染」と呼ばれて、「院内感染」とは区別して考えられます。

つまりはどこで接種されたウイルスか、によって「院内感染」か「市中感染」かが決まってくるというわけです。

院内感染対策の基本「感染経路」について

pixta_21977290_S-1-min
インフルエンザの感染経路は「飛沫感染」「空気感染」「接触感染」があります。

インフルエンザはおもに「飛沫感染」によるものが多く、条件が揃えば「空気感染」や「接触感染」でもウイルスは接触した人へと感染します。

「飛沫感染」
感染者のくしゃみや咳によって、インフルエンザウイルスを含んだ気道分泌物の小粒子が周囲に飛び散ります。その数は、1回のくしゃみで約200万個、咳で約10万個といわれます。感染者からおよそ1~1.5メートルの距離であれば、直接に周囲の人の呼吸器に侵入してウイルスの感染が起こり、目などの粘膜から直接侵入することも。

「接触感染」
飛沫に汚染された環境表面やモノなどに触れることによって、ウイルスが付着した手を介する感染です。ウイルスがついた手で目や鼻、口などを触ることによって、粘膜からウイルスが侵入します。ウイルスは乾燥した環境中では長時間生きつづけることができるので、感染者が使用した電話やドアノブ、食器、交通機関のつり革などにウイルスが付着して、広がることが考えられます。

「空気感染」
飛沫から水分の飛んだ、ごく細かい粒子(飛沫核)が空中に浮遊して、感染者と同じ空間にいる人がウイルスを吸入することによる感染。「飛沫核感染」とも言われます。空気が低温で乾燥していると、ウイルスはより長く感染性をもち続けるので、条件がそろうと「空気感染」が起こることがあると言われています。

インフルエンザ院内感染の標準予防

インフルエンザはいつ・どこで・誰が感染しているか解らない感染症です。そのため、常日頃から予防策を立てておく必要があります。

こういった「標準予防策」では、血液・体液など患者さんから分泌・排泄されるすべての湿性物質(尿・痰・便・膿)は感染症のリスクがあるとして、以下の対応を行なうことが重要です。

◆湿性物質が衣類に付着する可能性があれば、ガウンを着用する
◆飛沫感染が起こる可能性があれば、マスクやゴーグルを着用する
◆湿性物質に触れた時には、手洗いと消毒を行なう
◆湿性物質に触れる時には、手袋を着用し使用後は手洗いと消毒を行なう

また、最近ではマスクを着用することが義務付けられている病院も多くありますが、「マスクが正しくフィットしているかどうか」が大変重要です。

◆マスクを着用した後、何度か強く息を吐いて・吸ってを繰り返し、マスクの動き方でフィット状況を確認
◆この時、顔とマスクの間に隙間がないか、息を吐きながら手を当てて確認

これを毎回行って、マスクの効果が充分に発揮されるよう正しく着用しましょう。

インフルエンザ発生に関する情報収集

pixta_21977290_S-1-min
どこでどれだけのインフルエンザが確認されているか、といった情報収集も予防・対策には欠かせません。そこで、最新の情報が紹介されているお役立ちサイトをご紹介します。

◆国立感染症研究所
厚生労働省・感染症サーベランス事業により全国約5,000のインフルエンザ定点医療機関を受診した患者数が週ごとに把握されています。 過去の患者発生状況をもとに設けられた基準値から、保健所ごとにその基準値を超えた場合に、注意報レベルや警報レベルを超えたことを知らせてもらえる仕組みです。
※これらはあくまで流行状況の指標であり、都道府県として発令される「警報」とは異なります。
http://www.nih.go.jp/niid/ja/flu-map.html

◆厚生労働省
インフルエンザにまつわるQ&Aから、患者様や一般の方にインフルエンザ対策についての理解を深めてもらうためのポスターなど啓発ツールも完備。
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/infulenza/

※引用・出典/厚生労働省HP
公益社団法人 全日本病院協会HP

インフルエンザの歴史と基礎知識|在宅医療の基礎知識

2015.12.25

呼吸器感染症に関わる病原性微生物<インフルエンザなどの風邪症候群>|在宅医療と感染予防 第5回

2016.05.13

【無料公開中】人気記事を資料にまとめました!

資料ダウンロード「感染予防」