せん妄?幻覚?それとも…?!|看護師が体験した療養病棟の怖〜い話

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「おじいちゃん・おばあちゃんばっかり」というイメージの強い療養病棟。
実際、高齢者の方が多いというのは事実ですが、療養病棟といえば…結構な頻度で起こるこんなプチパニック。あなたのまわりにも経験された方、意外といるんじゃないでしょうか?

今回の話は、そんな療養病棟で看護師が体験した背筋がゾクっとするお話です。

療養病棟といえばお年寄り、お年寄りといえば…

療養病棟に入院される対象の方は、「病状が安定している長期療養患者のうち、密度の高い医学的管理や積極的なリハビリテーションを必要とする者」とされています。

私がいた病棟で実際に多かったのは脳梗塞後の患者さんで、治療を終え、自宅へ帰る前段階としてリハビリをされる方や、施設や転院先を探している間の認知症や一人暮らしのお年寄りの方がほとんどでした。

若い人もたまに来られますが、やはり予備力というか、回復力というか、自分の体調や生活の変化にもわりとスムーズに適応していけるため、どうしても残るのはお年寄りばかり…。

そして、そんなお年寄りにつきものなのが「せん妄」です。

せん妄とは入院に伴う環境の変化によるストレスや薬の副作用などで起こる一時的な認知症のような症状のこと。異常な興奮や幻覚が現れる方も多く、看護師もしばしば対応に困る症状です。
また、認知症からも同様の症状を起こすことがあり、もともと認知症をお持ちの方だとせん妄と認知症の悪化の判別が難しいこともあります。

深夜の病室に現れたのは…?

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そんな療養病棟で、ある晩、深夜2時頃に棟内を巡視していたときのこと。

ある患者さんの病室に入ると、窓際の一人の男性患者さんがベッドに座って天井を見上げていました。
脳梗塞後の方で、状態が安定して点滴が終了になったため、前日に重症個室からこの4人部屋に移って来られた方です。
夜勤の開始時に一度ご挨拶にきましたが、いたって真面目そうな、他人にも自分にも厳しいけれど孫にだけは甘い…といった、人懐っこい感じのする80代のおじいさんでした。

私「◯◯さん、どうかしました?眠れませんか?」と小声で尋ねると、
患者さん「いえ、あそこからずっと見られてるもんで、どうも気になってしまって…。」
私「あそこ??」

患者さんの視線の先は、天井の中央にある通風口。

私「風の音が気になります?」
患者さん「いや、あそこからうちの孫くらいの女の子がじーっとこっちを見てるでしょ?あんなところ、危ないし、気になってねぇ。」
私「…………。」

どんなに目を凝らして見ても、もちろんどう考えてもそんなところに女の子がいるはずもなく。

私「◯◯さん、その子は何か言ってきますか?」
患者さん「いえ、何も。看護師さん、見えますか?」
私「いいえ…残念ながら、私には見えません。」
患者さん「ですよね。おかしいなーと思ったんですけど。これって幻覚ってやつですかね。気にせず寝ますわ。お仕事の邪魔してすみません。」

一夜明けると…

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内服薬でパーキンソン病のお薬を飲まれていた影響か、はたまた部屋を変わった影響での一時的なせん妄だったのかわかりませんが、翌朝は特に変わりなく、謎の女の子のことは何もなかったかのように過ごされました。

…が、まわりの患者さんたちはやっぱり聞いていたようで、
「ゆうべ、女の子の幽霊が出たって話が聞こえたけど…この部屋大丈夫か?!」と、密かな騒動になっていた、というのは、その部屋からの転室希望者に頭を悩ませた師長から聞いた話です。

まとめ

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このように、日中は普通だっただけに、急に夜になるとおかしな言動や行動でまわりをちょっとしたパニックを巻き起こす療養病棟の患者さん。

もしかしたら、本当に”女の子”はいたのかもしれませんが…知らない方が幸せなことってありますよね。

<ライター紹介>
chocola
現在看護師8年目。大学病院の内科病棟に配属され、うち2年間は夜勤専従看護師として勤務。
結婚と同時に退職し、現在は訪問看護師として勤務。

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