【2025年問題】医療・介護総合確保推進法で何が変化するのか?|在宅医療の基礎知識

超高齢化・少子化社会による社会保障制度の存続が危ぶまれる2025年問題。

社会保障制度が破綻する前に、持続可能な社会保障制度の確立を図るために制定された「医療・介護総合確保推進法」について、医療コンサルタントの鍵谷昭典が解りやすく解説します!

(2015年12月時点)

 

2025年に向け地域での医療・介護の総合的な確保が必要な理由|在宅医療の基礎知識

社会問題となっている超高齢化・少子化が続き、既に始まっている人口減少が続くと2050年には日本の人口が今より3300万人減少し、逆に65歳以上の高齢者率が40%近くとなり、社会保障制度が破綻する可能性がある、というのは、すでにご存知の方も多いのではないでしょうか。

このような社会保障制度が破綻する前に、持続可能な社会保障制度の確立を図るため効率的で質の高い医療提供体制を構築するとともに、「地域包括ケアシステム」の構築で地域での医療や介護の総合的な確保を推進する必要があります。

医療法、介護保険法等の関係法律について整備等を行うため、平成26年6月25日に「地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律(概要)」が公布され、医療法関係は平成26年10月以降、介護保険法関係は平成27年4月以降に順次施行されることになりました。

 

「地域における医療と介護の総合的な確保」の概要

pixta_21977290_S-1-min
◆新たな基金の創設と医療・介護の連携強化(医療介護総合確保推進法関係)

①都道府県の事業計画に記載した医療・介護の事業(病床の機能分化・連携、在宅医療・介護の推進等)のため、消費税増収分を活用した新たな基金を都道府県に設置

②医療と介護の連携を強化するため、厚生労働大臣が基本的な方針を策定

◆地域における効率的かつ効果的な医療提供体制の確保(医療法関係)

①医療機関が都道府県知事に病床の医療機能(高度急性期、急性期、回復期、慢性期)等を報告し、都道府県はそれをもとに地域医療構想(ビジョン)を医療計画において策定

②医師確保支援を行う地域医療支援センターの機能を法律に位置付け

◆地域包括ケアシステムの構築と費用負担の公平化(介護保険法関係)

①在宅医療・介護連携の推進などの地域支援事業の充実とあわせ、予防給付(訪問介護・通所介護)を地域支援事業に移行し多様化※地域支援事業:介護保険財源で市町村が取り組む事業

②特別養護老人ホームについて、在宅での生活が困難な中重度の要介護者を支える機能に重点化

③低所得者の保険料軽減を拡充

④一定以上の所得のある利用者の自己負担を2割へ引上げ(ただし、一般の世帯の月額上限は据え置き)

⑤低所得の施設利用者の食費・居住費を補填する「補足給付」の要件に資産などを追加

◆その他

①診療の補助のうちの特定行為を明確化し、それを手順書により行う看護師の研修制度を新設

②医療事故に係る調査の仕組みを位置づけ

③医療法人社団と医療法人財団の合併、持分なし医療法人への移行促進策を措置

④介護人材確保対策の検討(介護福祉士の資格取得方法見直しの施行時期を27年度から28年度に延期)

利用者にとって切れ目のない医療・介護の提供体制へ

pixta_21977290_S-1-min
地域における医療及び介護の総合的な確保の意義・基本的方向についての意義ですが、「団塊の世代」が全て75歳以上となる2025年に向け、利用者の視点に立って切れ目のない医療及び介護の提供体制を構築して、自立と尊厳を支えるケアを実現することにあります。

そのためには、各都道府県における地域医療構想の基本的方向の決定、効率的で質の高い医療提供体制の構築と地域包括ケアシステムの構築、地域の創意工夫を生かせる仕組み作り、質の高い医療・介護人材の確保と多職種連携の推進、限りある資源の効率的かつ効果的な活用、ICT(情報通信技術)の活用等がテーマとして挙げられています。

中でも病床の機能分化・連携、在宅医療・介護の推進、医療・介護従事者の確保・勤務環境の改善等、「効率的かつ質の高い医療提供体制の構築」と「地域包括ケアシステムの構築」が急務の課題として挙げられます。

そのための補助金として、「地域医療介護総合確保基金」が創設され、平成27年度予算公費で1,628 億円(医療分904億円、介護分724億円)が、消費税増収分を活用した新たな財政支援制度(地域医療介護総合確保基金) として創設され、各都道府県に設置されています。

各都道府県は、都道府県計画を作成し、その計画に基づき事業を実施する予定です。

このように、国は各都道府県に財源と権限を委譲して、地域医療構想(ビジョン)を実現するために、待ったなしの改革に取組み始めました。今後はこの医療介護総合確保推進に基づき、改革が実行されていくためその動向が注目されます。

 

★監修★

鍵谷昭典(かぎたに あきのり)先生
鍵谷医療IT経営 代表
認定登録 医業経営コンサルタント
経済産業省推進資格 ITコーディネーター
地域医療福祉情報連携コーディネーター
医療機関・医療機器企業・製薬企業等向け勉強会多数実施

 

2025年問題に向け医療の将来を担う「在宅医療」とは|在宅医療の基礎知識

2016.01.05

“2025年問題”が日本の医療にどう影響するか説明できますか?|在宅医療の基礎知識

2015.12.25

【無料公開中】人気記事を資料にまとめました!

資料ダウンロード「感染予防」