2025年問題に向け医療の将来を担う「在宅医療」とは|在宅医療の基礎知識

すべての団塊世代が後期高齢化社会に突入する2025年問題に向け、適切な場所で適切な医療・介護を受けられる社会を作るための「医療介護の包括的マネジメント」や、現在取り組まれている在宅医療推進事業の現状について、医療コンサルタントの鍵谷昭典が解りやすく解説します!

(2016年1月時点)

「在宅医療」と「在宅看護」の重要性

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各都道府県では「地域医療構想(ビジョン)」に基づき、地域医療介護総合確保に向けた「医療介護の包括的マネジメント」として、在宅療養支援診療所(病院)を中心とした在宅医療や在宅看護が推進されていきます。

また、今後急増する、慢性期医療・介護ニーズに対応していくため、全ての国民が状態に応じて適切な場所で適切な医療・介護を受けられるよう、必要な慢性期病床の確保とともに、在宅医療や介護施設、高齢者住宅を含めた医療・介護サービスのニーズが急増していきます。

「地域医療介護総合確保基金」(H27年度は、1628億円(医療分904億円、介護分724億円)の中に「基金を活用した在宅医療、介護施設等の計画的な整備の推進」が明記されています。 特に、平成30年度から始まる第7次医療計画及び第7期介護保険事業計画では、必要なサービス見込み量を記載し、計画的・整合的に確保することを目指しています。

2025年問題に向けた「地域包括ケアシステム」

団塊の世代が75歳以上となる2025年を目途に、重度な要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、医療・介護・予防・住まい・生活支援が包括的に確保される体制(地域包括ケアシステム)の実現が不可欠となります。

また、認知症高齢者の増加も見込まれることから、認知症高齢者の地域での生活を支えるためにも、地域包括ケアシステムの構築が重要とされています。さらに、75歳以上人口が急増する大都市部や、総人口が減少する地方の町村部等、高齢化の進展状況には地域差があり、これらの多くの課題を含めた「在宅医療・介護連携事業」の推進が必要となります。

2025年まで残り10年。今取り組まれている在宅医療・介護連携推進事業

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在宅医療・在宅介護については各都道府県で様々な取組みが実施されています。今後は多職種連携による本格的な在宅医療・在宅介護中心の時代がやってきます。

推進事業の状況と施策等の紹介サイトをご紹介しますので、ぜひ、参考にしていただき、今後当事者としてどう2025年問題に関わっていくか、考えてみてください。

(介護保険の地域支援事業、平成27年度〜)

◆在宅医療・介護の連携推進については、これまで医政局施策の在宅医療連携拠点事業(平成23・24年度)、在宅医療推進事業(平成25年度〜)により⼀定の成果。それを踏まえ、介護保険法の中で制度化。

◆ 介護保険法の地域支援事業に位置づけ、市区町村が主体となり、郡市区医師会等と連携しつつ取り組む。

◆ 実施可能な市区町村は平成27年4月から取組を開始し、平成30年4月には全ての市区町村で実施。

◆各市区町村は、原則として、以下の(ア)〜(ク)の全ての事業項目を実施。

◆ 事業項目の一部を郡市区医師会等(地域の医療機関や他の団体を含む)に委託することも可能。
都道府県・保健所は、市区町村と都道府県医師会等の関係団体、病院等との協議の支援や、都道府県レベルでの研修等により支援。国は、事業実施関連の資料や事例集の整備等により支援するとともに、都道府県を通じて実施状況を把握。

事業項目と取組例のご紹介

(ア)地域の医療・介護の資源の把握
 地域の医療機関の分布、医療機能を把握し、リスト・マップ化
 必要に応じて、連携に有用な項目
(在宅医療の取組状況、医師の相談対応が可能な日時等)を調査
 結果を関係者間で共有

(イ)在宅医療・介護連携の課題の抽出と対応策の検討

(ウ)切れ目のない在宅医療と在宅介護の提供体制の構築推進
地域の医療・介護関係者の協力を得て、在宅医療・介護サービスの提供体制の構築を推進

(エ)医療・介護関係者の情報共有の支援
 情報共有シート、地域連携パス等の活用により、医療・介護関係者の情報共有を支援
 在宅での看取り、急変時の情報共有にも活用

(オ)在宅医療・介護連携に関する相談支援
 医療・介護関係者の連携を支援するコーディネーターの配置等による、在宅医療・介護連携に関する相談窓口の設置・運営により、連携の取組を支援。

(カ)医療・介護関係者の研修
 地域の医療・介護関係者がグループワーク等を通じ、多職種連携の実際を習得
 介護職を対象とした医療関連の研修会を開催等

(キ)地域住民への普及啓発
 地域住民を対象にしたシンポジウム等の開催
 パンフレット、チラシ、区報、HP等を活用した、在宅医療・介護サービスに関する普及啓発
 在宅での看取りについての講演会の開催等

(ク)在宅医療・介護連携に関する関係市区町村の連携
同一の二次医療圏内にある市区町村や隣接する市区町村等が連携して、広域連携が必要な事項について検討

◆在宅医療の推進について
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000061944.html

◆在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(東京大学高齢社会総合研究機構)
http://chcm.umin.jp/education/ipw/
市町村と地域医師会が連携して在宅医療推進のための多職種連携を進めることを想定した、研修運営ガイド・研修テキスト等を紹介しています。

◆在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会
http://chcm.umin.jp/education/ipw/

監修

鍵谷昭典(かぎたに あきのり)先生
鍵谷医療IT経営 代表
認定登録 医業経営コンサルタント
経済産業省推進資格 ITコーディネーター
地域医療福祉情報連携コーディネーター
医療機関・医療機器企業・製薬企業等向け勉強会多数実施

 

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