【医療報酬と介護報酬の仕組み】診療報酬の改訂がどうやって進められているか知ってる?|在宅医療の基礎知識

定期的に改定が行われる「医療報酬」と「介護報酬」。今回、診療報酬についての基礎のおさらいと、どういった流れで改定がなされているのか、医療コンサルタントの鍵谷昭典が解りやすく解説します!

(2016年1月時点)

診療報酬について、おさらい|在宅医療の基礎知識

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診療報酬は健康保険法で「療養の給付に関する費用」として規定されていて、診療報酬は1点10円、介護報酬は1単位10円で計算されます。

点数表は
「医科診療報酬」
「歯科診療報酬」
「調剤診療報酬
「診断群分類(DPC)」
の4つがあり、「診療報酬本体部分」と「薬や材料の薬価」に分かれています。

「診療報酬本体」はさらに、基本診療料(初診料・再診料・入院基本料等)とオプションとしての特掲診療料(医学管理、在宅医療、検査、画像診断、投薬、注射、リハビリ、精神、処置、手術、麻酔、放射線治療、病理)等に分けられます。

今後の改定の時期と内容予測をご紹介します。

定期的に改訂される診療報酬・介護報酬

医科向けの「診療報酬」は2年に1回の改定、介護向けの「介護報酬」は3年に1回の改定で、「同時改定」が6年に1回あります。

直近では、昨年2015年4月に「介護報酬」の改定、今年2016年4月には「診療報酬」の改定があり、平成30年(2018年)には「医療と介護」の同時改定があります。さらに2024年の同時改定では2025年の団塊の世代が後期高齢者に全て入ることに備えた“最後の同時改定”となると言われています。

それでは、実際どのような過程で改定作業が行われているのか、今年2016年4月の「診療報酬改定」を例にしてご紹介します。

(1) 厚生労働省 社会保険審議会
基本的な医療政策や診療報酬改定に係る「基本方針」の策定等について審議

(2) 内閣
財務省の国の財源確保の視点も含めた意見がまとめられ、12月下旬には予算編成過程を通じた「改定率」が決定

(3)厚生労働省 中央社会保険医療協議会
社会保障審議会で決定された「基本方針」に基づいて審議が行われ、個別の診療報酬項目に関する点数設定が算定用件・施設基準等についての議論が行われます

※中央社会保険医療審議会には「専門部会」「小委員会」「診療報酬調査専門組織の分科会」が構成されていて、それぞれの部会、小委員会、専門組織、分科会での検討事項を最終的に総会に挙げて、最終の検討を実施します。
※総会の構成メンバーは、支払側(1号側:保険者、被保険者の代表)委員として7名、診療側(2号側:医師、歯科医師、薬剤師の代表)委員として7名、公益代表委員として6名、それ以外に関連分野の専門委員が参加します。

診療報酬改訂のスケジュール

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改定の前年の10月頃から中医協での議論が本格化。その間に、社会保障審議会の医療部会、医療保険部会からの基本方針等が示され、その内容に基づき検討を行います。

内閣での予算編成過程で12月下旬頃に診療報酬の改定率が決定。1月中旬には厚生労働大臣が改定率と基本方針に基づいた審議を中医協に諮問。
公聴会の開催やパブリックコメントの募集を行い、具体的な診療報酬点数は2月中旬頃に答申案として中医協から厚生労働大臣に答申され、3月上旬に告示・通知等が発出されます。
そして4月より新しい診療報酬点数にて診療がスタートする流れになっています。

今後主流となる「包括支払」とは

「診療報酬」は出来高支払いと包括支払いに大きく分かれますが、最近ではDPC/PDPS(診断群分類別包括支払い制度)を中心として、包括支払いに移行しつつあります。

以前は出来高支払いがメインで、「診療行為」「治療行為」「医薬品」「医療材料」等を行為別・モノ別に請求していました。

最近では診療報酬体系がどんどん複雑になり、点数表もかなり分厚くなってきたことから、包括による評価へ移行するようになってきています。

因みに、ここで少し気になるのが4月から新しい診療報酬点数で請求が開始されるレセプト(診療報酬点数の請求業務)の対応です。
レセプトのシステムを開発しているメーカーが3月上旬に初めて点数が明らかになってからソフトウェアを改良するのはかなり厳しい状況と思われます。

でも、実はもう少し早めに厚生労働省から変更点や大まかな点数設定については内示があって、対応できているのだとか。おかげで業務に支障をきたすことなく、スムーズに4月から新しい診療報酬点数で請求が可能になるというわけなのです。

監修

鍵谷昭典(かぎたに あきのり)先生
鍵谷医療IT経営 代表
認定登録 医業経営コンサルタント
経済産業省推進資格 ITコーディネーター
地域医療福祉情報連携コーディネーター
医療機関・医療機器企業・製薬企業等向け勉強会多数実施

 

現場への影響は甚大!?もう間もなく!平成28年度の“診療報酬”改定|在宅医療の基礎知識

2016.02.02

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