イギリスの臨床現場で医師や看護師として働くには?実はすごく難しい!|元医師めぐみの海外滞在記vol.3

海外で一度は働いてみたい!そんな、看護師さんや医師の方もいらっしゃるのではないでしょうか?研究と臨床では異なり、研究留学の場合は一般的な留学と同様に受け入れ先の許可があれば、基本的にはどの国でも留学することが可能です。

しかし、患者さんを実際に診察する“臨床現場”で働くにはどうしたらいいのでしょうか?

実は、現在ビザの問題で、イギリスにおいて非ヨーロッパ国籍者である日本人が働くことが非常に難しくなっています。
今回は、その状況についてお話ししたいと思います。

日本とイギリスの“二国間協定制度”とは?

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日本は各国との間で医療行為に関して取り決めをしています。それを「二国間協定制度」と言います。

日本とイギリスはこの協定を結んでおり、日本の医師(日本の免許のみ所有)は、イギリスの日本人団体が経営する医療施設(日本人クラブ)でのみ、医療行為が可能です。

特に首都ロンドンでは、日本人専用の医療施設が数カ所あるため、そこでは医療行為が認められています。人数が限定されており、外務省などが、主に公的病院関係者から選抜すると定められています。

しかし、普通の就職活動と同様に、医院のホームページに足りなくなった科の医師や看護師の募集要項が不定期にアップされるので、それをみて応募することも可能です。

ここで問題となるのが、イギリスで近年問題になっている“移民排斥運動”です。現在、移民のビザ申請条件が非常に厳しくなり、個人で医師や看護師として働くために就労ビザをとってイギリスに来ることはほぼ不可能です。

こちらで働いている日本の免許で働く医師は、日本の関連病院からの紹介で働いている、ビザを取るのが困難ではなかった時代から長年働いている、イギリス人と結婚したので永住ビザがある、あるいは家族がイギリスに来ており同伴者ビザで働いている人がほとんどです。

イギリスの臨床で働くことの難しさ

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では、イギリスの病院で働きたい場合はどうすればよいでしょうか?

一般的に、イギリス国外で医学部を卒業した医師がイギリスの医師免許を手にするためには、英語のテストに加え、医学的知識を問う“PLAB”というテストに合格し、さらに“OSCE”という実技試験を通過する必要があります。

医師としての経験年数が上がるにつれて専門以外の医学知識を忘れてしまうので、若い間にチャレンジする方がよいかもしれません。

看護師は、やや基準が緩く、日本の資格に加えて英語の試験と数年の実務経験が必要となります。(基準は不定期に変わります。)

どちらに関してもやはりネックとなるのが、“就労ビザ”

現在は病院や会社のバックアップなしに個人で就労ビザを取ることが非常に困難であるため、非ヨーロッパ国籍者にとって、イギリスで働くことがとても難しくなっています。試験の前に、採用してくれる施設やツテがある病院を探すことが重要です。

また、専門分野は人気であり、専門医として働くことは非常に困難ですが、GP(家庭医)として働きたい場合は就職口が比較的見つかりやすいかもしれません。

一番確実なのは、イギリスあるいはイギリスと協定を結んでいる国(マレーシアやオーストラリアなど)の医学部を卒業することです。実際、このコースを経てイギリスの病院で働いている日本人医師は数名います。

まとめ

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イギリスは、言語や医師免許といった壁以外に、就労ビザという大きな障壁があるため非常に狭き門です。

しかし、可能性はゼロではないので、ぜひイギリスで働きたい!という方はチャレンジしてみてください。

<ライタープロフィール>
めぐみ
日本で医師として働いていたものの、夫の仕事の関係で一時的にイギリスに滞在中。元医師の視点でイギリスの医療をお伝えしていきます。

イラスト制作/青木優生子 http://www.ucoaoki.com/

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