もし、みなさんが海外で歯が痛くなったらどうしますか?短期滞在の場合は、なんとか持ちこたえて日本で治療を受ける人が多いでしょう。
しかし、数ヶ月以上滞在する人にとっては、現地での治療が必須となることも。
今回は、イギリスと日本の歯科治療についてお話しします。
歯のトラブルはほとんどが緊急事態!
虫歯、歯周病、かぶせものが外れる、親知らず周囲が腫れる(智歯周囲炎)、差し歯が抜ける…。歯のトラブルは、すぐに治療を要するものがほとんどです。歯は「食べる」ことに関わる重要な器官であり、生活に支障を及ぼすため早く治療をしてもらいたいですよね。
イギリスの場合は、イギリスに滞在しており、条件を満たしている人のみ無料で医療が受けられるNHS(国民保険サービス)がありますが、歯科に関しても適用されます。
しかし、歯科に関しても、受診予約のために電話をしたら、初診だけでも1週間以上先、さらに、初診時には応急処置のみで、治療を受けるためには数ヶ月先になるため、有料のプライベート歯科受診を勧められます。
神経まで到達している進行した虫歯や智歯周囲炎では痛みがあるため、早く治療をしてほしいものです。しかし、初診時には鎮痛薬を渡されるのみで、数ヶ月先の次回の受診まで薬で乗り切らなくてはなりません。
多くの人がここで、痛みに堪え兼ねてしぶしぶ高額なプライベート治療への切り替えを余儀なくされます。
※イギリスでは、プライベート病院は治療費は全て自己負担となり(保険は利用可能)、パブリック病院はNHS(国民保険サービス)で医療が無料です。
プライベート歯科での治療とは?
パブリックの歯科では、施設内にプライベート歯科を併設しているところが多く、腹をくくってプライベート治療に切り替えると、同施設内で比較的効率良く治療が受けられる場合が多いのですが、それでも1〜2週間待ちを覚悟する必要があります。
歯のかぶせものを作らなくてはいけないほどの進行した虫歯(C3以上)であれば、1本につき約200ポンド以上(約40,000円以上)かかります。
日本は、歯科医院が乱立しており競争が激しいため、サービスに力を入れている医院が多いのが特徴です。歯科治療は有料ですが、保険内で入れ歯も作成できることや、受診すれば比較的すぐに対応してくれること、夜間も空いていることなど、歯科治療に関してイギリスと日本を比べると、圧倒的に日本に軍配が上がりそうです。
まとめ
ロンドンなどの大きな都市では、日本人が経営する歯科医院もあり、高額ですが安心して受診できるのでおすすめです。
一般の海外保険には歯科治療が含まず、歯科保険は別に申し込みが必要なことが多いので、長期滞在する人はその点を注意して保険を選びましょう!
<ライタープロフィール>
-めぐみ-
日本で医師として働いていたものの、夫の仕事の関係で一時的にイギリスに滞在中。元医師の視点でイギリスの医療をお伝えしていきます。
イラスト制作/青木優生子 http://www.ucoaoki.com/