日本の医療を支える様々な制度についてもっと知りたい!|在宅医療のニュース

制度変更など、目まぐるしく変化する医療業界。

少子高齢化につれて増え続けている医療費。対策が急がれている”医療費抑制手段”とは?!

ちょっとドジでおちゃめな生徒「サキちゃん」の質問に、キュートな笑顔が眩しい「かぎたに先生」が解説します!

(2015年12月時点)

登場人物

<かぎたに先生>
鍵谷昭典(かぎたに あきのり)
鍵谷医療IT経営 代表
認定登録 医業経営コンサルタント
経済産業省推進資格 ITコーディネーター
地域医療福祉情報連携コーディネーター
医療機関・医療機器企業・製薬企業等向け勉強会多数実施

<サキちゃん>
先生を慕う生徒。医療業界について勉強を始めたばかり。

日本が行っている、医療費抑制手段とは?

サキちゃん:
少子・高齢化にともなう医療費が増えていて、日本は大変なことになっている!っていうのは、よくわかったわ。それに対して日本が行っている、医療費抑制手段について、もっと教えて欲しいな。

かぎたに先生:
サキちゃんは勉強熱心だね〜。感心、感心。では、まずは「健康保険料や介護保険料の負担増」について説明するね。

今の医療費は、みんなが月々支払っている保険料だけでは、財源が足らないのです。国の税金が投入されていて、それが全体の4割近くも占めているんだ。これから益々高齢化が進んでいくことを考えると、その分を補う必要があるんだよ。今後、収入が多い高齢者には、それなりの負担を求めていくというのが国の方針なんだ。

サキちゃん:
なるほど。若い世代だけでは、支えきれなくなっているってことね。それが「医療機関での高齢者自己負担率の軽減措置の見直し」ということ?

かぎたに先生:
そうだね。70歳以上~75歳未満の高齢者の自己負担は元々2割となっていたんだけど、現在は1割負担にする軽減措置が行われていてね。財政逼迫の状況なので、段階的に元の2割に戻していくことになったんだよ。

診療報酬って?

サキちゃん:
日本の財政は、そんなにも厳しい状態になっているのね。それなのに「診療報酬の引き下げ」ってどういうこと?そもそも診療報酬ってよくわからないかも。

かぎたに先生:
診療報酬制度ね。サキちゃんも病院に行って、領収書や明細書をもらった際に、点数で記載されているのを見たことあるでしょ?あれが診療報酬制度だよ。医療費の計算の基となっており、1点10円で計算するんです。その診療報酬は2年に1回見直しをしているよ。ちなみに、介護も介護報酬といって1単位10円で、3年に1回見直しをしているんだ。
それで、その診療報酬の改定が来年2016年の4月にあり、充実させるものは点数を高く評価し、そうじゃないものは点数を低くする。これがいわゆる引き下げというもの。診療報酬については、今度ゆっくり解説するね。

サキちゃん:
へー。報酬ってそんなに見直されているって知らなかった!かぎたに先生は、前回、他にも医療行為の無駄や重複検査の削減とか色々取り組まれているって教えてくれたけど、それはどういうこと?

かぎたに先生:
一人の患者さんが別々の病院で同じ検査を複数して受けたり、別々の科目でそれぞれ薬を処方して飲み合わせが良くなかったり、重複したりすることがあるんだよ。その分、医療費が余分にかかっているってことになるので、ICTの利活用等でそれを減らしていこうっていう取り組みのことだよ。

「後発医薬品」の促進と医療に頼る前の予防で医療費を抑える

サキちゃん:
たしかに!いろんな病院行くと薬が増えちゃうから、一元管理されたら、もっと安心ね。薬で思い出した!「後発医薬品」ってなんのこと?その「後発医薬品の使用促進」ってどういうこと?

かぎたに先生:
後発医薬品は、「ジェネリック」のことですよ。最近ではCMでも聞いたことあるんじゃないかな。薬ってね、開発するために莫大な研究費がかかっているんです。だから、その薬の開発を守るためにも特許があるんだよ。その先発品の特許が切れると、同じ成分で廉価な後発医薬品を作れようになるのです。
廉価な後発医薬品を使用することで、医療費が抑えられるから、厚生労働省は、積極的に利用を促してているんだよ。いろいろな手を打って、後発医薬品の利用は進んできたけれど、それでもまだ半分位しか切り替わっていない状況なんだ。

サキちゃん:
同じ成分なら、安い方がいいに決まってるよね。私も、お薬もらう時に、ジェネリック希望って伝えてみよう。こうして考えると医療費の問題ってすごく大きいんだね。私も健康維持を考えたいから、「病気にならないための予防対策や健康診断の受診・保健指導」についても教えてください!

かぎたに先生:
サキちゃんの言う通り。みんなが、できるだけ健康で元気に長生きしてくれるといいよね。国としても、なるべく医療費を掛けずに健康で長生きして、そのまま亡くなってもらうのが理想だと思うんですよ。そこで各都道府県は、医療費適正化計画といってある程度の年齢に達している人には特定健診・特定保健指導に積極的なんだ。だけど、なかなか浸透していないのが現状なんです。

これからの高齢化社会を支える鍵は「地域包括ケア」

サキちゃん:
特定健診のお知らせ見たことあったけど、そういうことだったんだー。地域で健診してくれて、いい取り組みだなって思ってたの。これからは「地域」がキーワードなのね。

かぎたに先生:
そう!サキちゃん、よくわかったきたね。じゃあ、せっかくだから、「地域包括ケアの実現、医療・介護の情報共有等の各種施策」についても教えておきますね。
高齢化が進むと、医療と介護を分けることが難しくなってきます。そこで医療と介護の「包括ケア」が重要となるんだよ。国では『医療・介護総合確保推進法』に基づいて各都道府県での積極的な展開がこれから進むことになるの。そうなるとICT等の情報システムを利用した情報共有等も必要となってくるんですよ。

ここまでが医療課題に向けた国の施策の話。これからの施策を実行するために国が財源を各都道府県に委譲していきます。これが「各都道府県が作成する地域医療計画や医療費適正化計画」だよ。今後は<地域医療ビジョン>や<5疾病・5事業+在宅医療>に基づいた地域医療計画や医療費適正化計画を立てて、実行していくことになります。

あ、5疾病は「がん・脳卒中・急性心筋梗塞・糖尿病・精神疾患」のこと。それから、5事業は「救急医療・周産期医療・小児医療・災害医療・へき地医療」のことだから、頭の片隅にでも置いておいて。

サキちゃん:
はーい!わかりました!あと、最期にもう1つ。地域で施策をすることになるって言うけど、どういう範囲なの?

かぎたに先生:
いい質問だね。それが「二次医療圏」って言う範囲なんだ。
二次医療圏っていうのはね、全国に344箇所(2015年2月現在)あるんだよ。入院治療を主体とした一般の医療需要に対応するために設定する区域で、主に病院の一般病床及び療養病床の整備を図る地域的単位として設定されているよ。各都道府県を、だいたい5~10のエリアに分けているんだ。ちなみに三次医療圏は各都道府県のこと。北海道だけが6つに分かれているから、全国に52の三次医療圏があります。一次医療圏はだいたい市町村単位だよ。

サキちゃん、大丈夫?次回は、病院のベッドについてレクチャーするね。

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