【医療課題】病院のベッド数削減の本当の理由と日本政府のお金事情|在宅医療のニュース

聞いたことあるけど、説明できない日本の医療のアレコレに、ちょっとドジでおちゃめな生徒サキちゃんが、キュートな笑顔が眩しいかぎたに先生に質問します。ベッド数の削減と医療費がどう繋がっているのか!という疑問をかぎたに先生にぶつけました!

(2015年12月時点)

登場人物

<かぎたに先生>
鍵谷昭典(かぎたに あきのり)
鍵谷医療IT経営 代表
認定登録 医業経営コンサルタント
経済産業省推進資格 ITコーディネーター
地域医療福祉情報連携コーディネーター
医療機関・医療機器企業・製薬企業等向け勉強会多数実施

<サキちゃん>
先生を慕う生徒。医療業界について勉強を始めたばかり。

日本のベッド数が増えた理由

サキちゃん:
膨れ上がる医療費問題をどうにかしようと、国がベッド数を抑えようとしているのは、分かりました。でも、そもそもなんで日本はこんなにベッド数が増えたの?

かぎたに先生:
ちょっと昔の話になるけど、日本が高度経済成長の頃、「社会保障の充実」と言う名のもとに「本人の医療費は自己負担なし、お年寄りには手厚い医療を提供しましょう!」といっていた時期があって、どんどん医療機関を増やしていったんだよ。現在は約8,500の病院があるけれど、以前は10,000ほどだったんだ。当時はベッドの稼働率を上げるために、できるだけ沢山の入院患者さんを受け入れていたんだよ。

世界のベット数の実情

サキちゃん:
昔はお年寄りも少なかったから、それで良かったんだよね。世界の国も日本と同じようにベッドを減らそうとしているの?

かぎたに先生:
日本に比べて国が施策を進める外国では、入院日数を制限して、できるだけ入院患者さんを増やさない方針をとっているんだ。しかも、短期入院を推進しているため、日本ほどベッドを減らす政策をとっていない国が多いんだよ。

国が行う「ベッドを減らす取り組み」

サキちゃん:
確かに、日本の入院は長いイメージね。でも、ベッドを減らしていかなきゃいけないんでしょう?国が推進している「ベッドを減らすための取り組み」って具体的にはどんなことがあるの?

かぎたに先生:
お、サキちゃん、勉強してきたね!例えば、DPC(診断群分類別包括支払い)制度があるよ。病院が今まで診断群分類別に入院日数等がバラバラだったのを、平均在院日数等を指標として、DPCに参加している病院には短いほど点数が高くなる仕組みを導入しているんだ。他にも地域で連携して、患者さんの前方支援や後方支援を病院同士で実施し、機能別に適切な病院での入院期間を設定する仕組みに取組んでいるんだよ。これらは、結果的にベッドを減らしても医療の提供に支障がない方向になっているんだ。

診療報酬上の施設基準って?

サキちゃん:
いろんな施策に取り組んでいるんだね!前回教えていただいた「診療報酬上の施設基準を厳しくして、患者さんに早く退院してもらう」っていうのもベッドを減らす取り組みってこと?

かぎたに先生:
「施設基準」は診療報酬を請求する時に、どれだけの体制を整えているかの判断材料となるものなんだ。元々、診療報酬制度そのものが「政策誘導型」と呼ばれていて、国がベッド数を減らすためには、早く患者さんが退院できる仕組みにすることが重要となるんだ。例えば、患者さんの紹介数を増やして地域連携させる仕組みを施設基準に組み込んだり、在宅復帰率の数値設定をして早く在宅へ戻したりする政策を進めているんだよ。

医療・介護総合確保推進法について教えて!

サキちゃん:
じゃあ、それら施策を制定した「医療・介護総合確保推進法」ってどういう法律なの?具体的に教えてください!

かぎたに先生:
医療・介護総合確保推進法の施行日は平成26年6月25日。2025年に向けた医療提供体制の改革の内容で、地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律だよ。
概要は、医療機関の医療機能の分化・連携の推進、医師・看護師等の確保対策、医療機関の勤務環境改善チーム医療の推進、医療事故調査の仕組み等について記述されているんだ。
詳しくは別の機会に説明するね。

【2025年問題】医療・介護総合確保推進法で何が変化するのか?|在宅医療の基礎知識

2015.12.25

患者さんを早く退院させることは本当にいいこと?

サキちゃん:
なるほど。膨れ上がった医療費を抑えるためには、いろんな積み重ねが必要なんですね。でも、医療費抑えたいのはわかるけど、患者さんを早く退院させて大丈夫なの?

かぎたに先生:
昔は入院患者さんの面倒を長く見ることが「良い医療」という概念が浸透していた時期があったんだ。でも、患者さんには適正な治療を行ってできるだけ負担をかけないことが現在では主流となっているんだ。手術でも短時間で体に負荷をかけず、術後も早めに退院できるほうが患者さんにとって負担が少なくて安心だよね。リハビリでも術後直ぐに始めると回復が早いから、徐々に退院を早める努力が行われているんだよ。

サキちゃん:
医療費を抑えるって聞くといろいろ不安だったけど、全部、患者さんのためなんだね!

 

医療費増大!国が考える秘策は病院の◯◯数!?|在宅医療のニュース

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