働きやすさ抜群!地域民間病院が取り組む病院の働き方改革とは!?ー医療法人社団尚仁会平島病院 陣野百合子ー

自分自身が納得できる医療看護のあり方を考え、日々熱く取り組んでいる人たちをキュアナス編集部が徹底取材!地域の人口増加と高齢化の波を乗り切るために、大掛かりな病院改革に腕をふるった医療法人 社団 尚仁会 平島病院 看護部長の陣野百合子さんにインタビューしました。

地域のニーズに応え続けられる病院であるために

六甲山地の北側に位置し、豊かな自然が残る兵庫県三田市は、約30年前から都市開発計画に伴い人口が急激に増加し、現在では11万人を超える人々が暮らす町へと成長している。この町で昭和52年に開院した平島循環器クリニックは、人口が増加する地域住民の健康を守ることを使命に「医療法人 社団 尚仁会 平島病院」へと転身した。高齢化社会や地域医療への対応のため、開院から4倍近くまで病床数を増やしながら、健康管理センターの増設・デイケアセンターの開設など、様ざまな病院改革に腕をふるった看護部長 陣野百合子さんにお話を伺いました。

「質の高い看護」は看護師の働く環境づくりから

-「病院改革」として、まず着手されたことは何ですか?

私がこの病院で看護部長に就任したのは平成10年。その頃、病床数は着実に増え、療養型の病床も抱え始めたときでした。それまでも地域密着型の病院として運営していましたが、病院で働く看護師は准看護師が就業者数の大半を占め、事務処理や物品管理など看護以外の仕事を多く受け持つような状況でした。今後さらに患者さんの受け入れ数や高齢化社会に伴い求められるニーズが増えていくことは十分予測されていましたので、まず看護師は本来の看護師としての仕事に専念できる働く環境を整えることから着手しました。

大切なのは、看護師が仕事に集中できる環境

-具体的にはどのような院内環境整備をされたのですか?

まずは、病院の敷地内に保育所を要望し実現しました。女性看護師の多くがある程度の年齢になれば結婚や出産などライフイベントを迎えます。看護師自身の生活環境が変わっても、子どもを預けながら安心して働き続けられること、さらには出産を機に一度リタイアした優秀な看護師を確保するという目的もありました。

また、それまで多くの准看護師が医師の指示のもと作業だけを行うスタンスだった看護活動に対し、看護のプロとして自ら考え動ける人材育成として、必要なスキルや知識を身につけてもらうために正看護師の資格取得を積極的に推奨していきました。
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嫌われても「いつか必ず働く看護師や患者さんのためになる!」

-改革を続ける中で、壁にぶつかることはありませんでしたか?

もちろん、たくさんありましたよ。それまでの平島病院は、良く言えばアットホームな雰囲気で仕事ができる職場環境だったと思います。当時は院長が休憩室に入ると看護師たちは休憩時間外であっても一緒にお喋りをしたり、お茶を飲んだりするようなことがありました。でも、勤務時間と休憩時間の区分けを管理しメリハリのある働き方をしてもらいたかったので、そういった時間はなるべく排除するようにしました。

すると、若手の看護師からは怖がられ、話をすることすら避けられるような事もありました。でも、こういった改善は必ず本人たちのためになるものだという強い信念がありましたので、「いつか理解してもらえる日が来るはず!」という思いでじっと耐えていましたね(笑)。その甲斐あって、今では病院全体が仕事のオンとオフを意識しながら働くようになりましたし、残業も月に3時間以上することはほぼありません。ダラダラ仕事をせず、勤務時間に集中してしっかりとした看護をする、というのは看護師が長く働くためのモチベーションに繋がりますし、看護サービスの向上にもつながりました。

このようなメリハリの効いた働き方を平島病院の文化として根付かせていった結果、看護師の離職率は改善し、在籍年数や求人応募率も改善していったんです。

医療業界以外からの情報収集でバランス感覚を養う大切さ

-戦略的に改革に取り組まれていますが、情報収集や課題解決手法はどのように学ばれているのですか?

学会や地域の看護推進会で開催される講義にも参加しますが、業界の中だけの情報ではやはり少し偏りがあるように思います。私は時間があれば民間で開催される起業家セミナーや、大学のオープンセミナーなどにも参加してサービスというものの捉え方や、課題解決のためにどんな戦略を立てればいいかなどを学んでいます。

患者さんは主婦だったり、サラリーマンだったり様ざまな環境で生活されている方です。その方たちへ医療サービスを提供するのであればバランス感覚がとても大切だと思います。そういった意味でも、病院や業界の枠を飛び越えた情報収集や交流とは大事な学びの場だと思っています。

病院での「待ち」ではなく、人々の声を聞きに「行く」地域医療

-現在は地域に根ざした看護活動を行っていると伺いましたが、具体的にどのような活動をされているのですか?

三田市は急成長した町であると同時に、高齢化も進んでいます。入院された後、自宅に戻られても独居であったり、食事の管理ができない、薬がちゃんと飲めないといった問題があり、すぐに再び病院に戻ってこられるケースが多く見られます。この問題は地域ぐるみでカバーしていくしか術がなく、訪問看護やグループホーム、老人施設など様ざまな介護機関と連携しながら見守り活動を行っています。

例えば、各専門施設に対して感染症についての講義を開いたり、課題の情報共有を行ったりすることで、それぞれの施設で質の高い介護が行え、何か問題があった時に相談できる関係性も築くことができています。

また、地域住民の健康管理として、地元の夏祭り等で健康フェアを開き、市民の健康や育児に関する相談に乗っています。今は日本全体がそうですが、核家族化や高齢化など孤独な状況で悩みを抱えている方が多く、病院に行くほどではないけれど悩みを聞いてもらいたい、相談してみたいという方たちの受け皿になれたらと思って活動しています。

これまで、療養型病床の新設やデイケアセンターの開設など、地域のニーズに即した医療・介護を提供してきた平島病院。2015年12月にはサービス付き高齢者向け住宅もオープンし、より市民の生活に寄り添った同院のサービスに地域住民の期待も高い。
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取材先紹介

医療法人 社団 尚仁会 平島病院
三田市中心部に位置する平島病院。病院従事者がいきいきと働くことが質の高い看護へつながる、という考えのもと看護師の残業も基本的には行わず病院敷地内に保育所も完備。地元住民にとって欠かせない医療機関として、親子三代で通うという患者さんも多い。
【診療科目】
循環器科、呼吸器科、消化器内科、消化器外科、肛門科、整形外科、放射線科、眼科
【定床数】
199床(一般97床、医療療養60床、介護療養42床)

〒669-1531
兵庫県三田市天神1-2-15
TEL:079-564-5381(代)
E-mail  info@mc-shojin.or.jp
http://www.mc-shojin.or.jp/
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