初めての在宅医療で知っておきたいこと(1)病院と在宅医療の違い

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在宅医療の認識が広まり、多くの医療関係者が在宅医療に足を踏み入れるようになりましたが、いわばホームである医療施設と異なり、在宅医療の場となる患者の家は限られた医療資源しかない場所に飛び込むアウェイのようなもの。

医療施設ではすぐに出来るような検査や治療も、医療計画も、思い通りにはいきません。

そんな一見アウェイとも見える環境に対応するために、必要な3つのポイントについて3回にわたりお伝えします。

1. 在宅医療で求められるのは高い専門性よりも「ジェネラリスト」であること

在宅医療に関わる医療者に欠かせないのは、狭く深い知識よりも「浅く広い知識」といっても過言ではありません。

大きな医療施設では、「これは専門外なので当科で診ることはできません」、「ルート認定がないためルートは取れません」という会話は日常茶飯事です。
しかし、他に診てくれる医療者が(ほぼ)いない在宅医療では、このような態度は通用しません。

もちろん、どの分野においても深く広い知識があればそれがベストですが、人間の覚えられる容量には限界があります。
患者や患者家族の不安や悩み、体の状態に柔軟に対応できるためには、若いうちからなるべく多くの科を回って様々な患者や疾患に触れておくと、たとえ少しの経験であっても、その経験が必ず役立ちます。

そのため、医療者は初めから在宅医療の道一本に絞る必要はありません。大小の様々な医療期間で経験を積み、貪欲に知識や技術を吸収してから在宅医療の道へ進むとよいのではないでしょうか。

2. 限られた時間・道具・人員で医療提供する臨機応変さ

多くの医療施設では、お腹が痛い患者がいたら、すぐに採血、レントゲン、CT、エコーができて、数時間で結果がわかり、即診断・治療を開始することが可能です。

一方で、在宅医療では、問診・身体診察および少ない医療資源で、患者が緊急で治療が必要な状態なのかそうでないのかの判断を行わなければなりません。
医師が同行しない訪問の場合、看護師や介護スタッフは患者の訴えを自分で、その場で判断する必要があることも少なくありません。

在宅医療というと、積極的に治す「治療」というよりも、「見送る医療」といった面があり、正解がない難しい問題に直面することが多々ある現場です。

しかし、自分の不適切な対応で救者の命を危険にさらさないよう、常に限られた情報や資源からベストな解決策を探す必要があります。

ここで求められるのは、知識はもちろん、状況に応じた柔軟さと創造力です。

3. 気高さよりも「親しみやすさ」

大きな医療施設では、威厳がある医師、睨みを効かせる婦長が必要なのかもしれません。
しかし、大病院で役職についていた人が在宅医療に踏み込むと、そのプライドの高さ、気高さがマイナスに働くことが少なくありません。

在宅医療は、患者の家へと入っていく、いわゆる他人の家にお邪魔するアウェイな状態です。医師の都合に応じて患者に病院に来てもらう状況と全く逆になるのです。
また、職種の垣根を越えて連携するチーム意識も必要です。

その状況で患者・患者家族やチームとの信頼関係を結びつけるのは、悩みを相談しやすい「親しみやすさ」です。

<最後に> 自分の現状・態度を見つめなおす

今回は、在宅医療に必要な3つのポイントをお伝えしましたがいかがでしたか?

在宅医療に興味がある方は、まず自分の今ある状況でできるだけ多くの経験と知識を培い、限られた医療資源の中でも柔軟に対応できる技術を身につけましょう。

また、これから在宅医療に踏み込む人は、一旦踏ん反り返っている(かもしれない)態度を見つめ直してみましょう!

writer
めぐみ

日本で医師として働いていたものの、夫の仕事の関係で一時的にイギリスに滞在中。元医師の視点で医療事情、体験談をお伝えしていきます。

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