高齢者の”かくれ脱水”とは?熱中症とともに要注意!|在宅医療の基礎知識

無料メルマガ登録

昨今の夏の異常なまでの暑さ。初めは驚いたものの、もう記録的猛暑というワードにもすっかり慣れてしまっていませんか?

そんな過酷な暑さのなか、近年は熱中症で亡くなる高齢者の方も少なくありません
そこで、今回はその恐ろしい高齢者の熱中症ではなく、それを引き起こす知られざる要因「かくれ脱水」についてご紹介します!

「かくれ脱水」とは?ー高齢者を襲う見えない脱水の恐ろしさ

「かくれ脱水」というのは脱水症の前段階であり、「血液所見では体液不足に伴い血清浸透圧が基準値よりも増加しているが、体液喪失を疑わせる自覚症状および他覚所見は認められない脱水症の前段階状態」とされています。

実際のところ、明らかな自覚症状が乏しいものの、下痢や嘔吐、発熱などの脱水を引き起こす要因が加わった時には容易に脱水症へ進行してしまう危険な状態です。

特に高齢者は老化に伴い体液量が減少し、水分や塩分の摂取に重要な食事量も減少しがちな上に、発汗による体温調節機能も低下するなど、健康な成人と比べると容易に脱水症を起こしやすい状態になっています。
そのため、脱水症状が出る前、つまりは「かくれ脱水」の段階で早めに発見し、適切な対処をすることがその後を左右するのです。

 

「かくれ脱水」発見のポイントは?


脱水症に進行する前に見つけたい「かくれ脱水」。

ではどうすれば一般の高齢者の方でも気付けるのでしょうか?

脱水症に進行する前に見つけたい「かくれ脱水」。

ではどうすれば一般の高齢者の方でも気付けるのでしょうか?

 

実はそんなときのために、製薬会社さんや医師らが協力して

「かくれ脱水チェックシート」というものが作成されています。

 


これを使うと3つのSTEPの設問をチェックするだけで簡単に「かくれ脱水」の可能性を調べることが出来ます。ちなみに、3つ全てのSTEPに該当する症状・状態がある場合は脱水症に進行する危険性が高く、すぐに受診の必要性があります。

内容を以下にご紹介させていただきます。

 

かくれ脱水CHECK

STEP1)最近、今までなかった以下のような変化がありませんでしたか?

皮膚がカサつくようになった。皮膚につやがなく、乾燥している。ポロポロと皮膚がおちる。
口の中がねばつくようになった。食べ物がパサつく。つばが少なくて、つばをゴクンと飲
 ないことがある。
便秘になった、あるいは以前よりひどくなった。下剤(便秘薬)を使う頻度が増えた。
以前よりも皮膚の張りがなくなった。手の甲をつまみあげて離した後に、つまんだ跡が3秒以
 上も残る。
足のスネにむくみがでるようになった。靴下のゴムの跡が、脱いだ後に10分以上も残る。

STEP2

日当りの良いところ、または屋外にいる時間が長い(目安は1時間以上)
普段よりも、集中力が低下している。
 (例えば、落ち着かずイライラしたり、昼間でも眠りがちだったりする)
トイレが近くなるため、寝る前は水分補給を控える傾向がある。
冷たい食べ物(例えば、氷・アイスクリームなど)や冷たい飲み物を好むようになった
利尿薬を内服している(ダイエット薬に含まれている場合も該当)


STEP3
①85歳以上である。
高血圧、糖尿病、心臓病などの持病がある。

(参考・引用)かくれ脱水JOURNAL
http://www.kakuredassui.jp

 

実際にかくれ脱水に陥った場合は、脱水時と同様、単に水分を取ればいいというわけではありません。塩分を含まない水やお茶では必要な電解質が不足し、十分に回復することができないどころか、かえって低ナトリウム血症を招き、意識障害(せん妄)をきたす恐れがあります。

かくれ脱水が疑われる場合、もしくは日頃から予防するには、食事から水分と電解質をしっかり摂れるよう、食事内容を見直しましょう

嚥下や咀嚼能力の低下がある場合や食事からの摂取が難しい場合は経口補水液(市販のOS-1など。ゼリータイプのものもあります。)を併用し、高齢者の場合は5001000ml/日、ゆっくり時間をかけて少しずつ飲むようにします。


ただし、心疾患や腎疾患などの既往症がある場合は、症状を悪化させる恐れがあるため注意が必要です。まずはかかりつけ医の指示を仰いでから慎重に対処しましょう。

 

「かくれ脱水」にならないために−日頃からできる予防法

そもそも、熱中症予防は脱水予防。そして脱水予防はかくれ脱水予防!
まずかくれ脱水を防ぐことこそ重要な熱中症予防の方策です。


そこで、日頃からできることとして

なるべく暑さを避ける服装になる

首に巻くスカーフなど、体温調整をする工夫

扇風機などを使い、部屋の空気を入れかえる

我慢してクーラーを止めるなど、無理な節電をしない

温度計をみて、高温多湿を避ける

エアコンの環境では濡れタオルを掛ける。観葉植物の水やりなど

規則正しい栄養バランスと量を考えた食事

 

特にについては、古いお宅だとクーラー自体取り付けていないというところもまだまだあります。

高齢者の方は気温の変化に自分で気づくことが難しくなっていくので、まわりにいるご家族の方に特に気を配って頂きたいポイントです。

 

まとめ:まだまだ知られていない『かくれ脱水』。

高齢者の方は特に夏場だけでなく、その危険性は季節を問わず日常に潜んでいます。


しかし、ひとりひとりが自分自身、そしてまわりの方の体調に気を配る目をもち適切に対処できばそれほど恐れる必要はありません。

これを機に日頃の生活習慣を見直し、みんなで徹底的に予防していきましょう!

 

writer
chocola

現在看護師8年目。大学病院の内科病棟に配属され、うち2年間は夜勤専従看護師として勤務。結婚と同時に退職し、現在は訪問看護師として勤務。

無料メルマガ登録

【無料公開中】人気記事を資料にまとめました!

資料ダウンロード「感染予防」