看看連携とは。現場の状況と課題を解説|在宅医療の基礎知識

無料メルマガ登録

みなさんは「看看連携」という言葉をご存知でしょうか

これはまさに読んで字のごとく、看護職看護職の連携、とりわけ病院の看護師と地域在宅の看護職との連携を示す言葉として使われています。しかし病院と地域、両者の看護職が連携している場面を実際に目にすることってあまりありませんよね。

そこで、今回はそんな看看連携の実際や抱える問題などについて詳しくご紹介していきます。

(2017年8月時点)

 

「看看連携」の始まり…退院調整看護師の誕生とともに

時代とニーズの変化を定期的に反映し、看護や医療の方向性を指し示す診療報酬。

この「看看連携」に対する意識も、時代の変化によって大きくなり、そして診療報酬の改定によってさらに後押しされたものと言えます。

まず2008年の「退院調整加算」の新設。
これにより、各地の病院に退院調整看護師が配置されるようになり、地域の施設や在宅の看護職との連携を必要とする意識が高まりました。

さらに2014年、国は2025年問題へ対応するためにも「地域包括ケア構想」を掲げ、これまでの病院完結型の医療ではなく、地域の施設や在宅を中心に地域包括ケア在宅医や訪問看護などへとシフトしていく「時々入院、ほぼ在宅」の考えを打ち出しました。こうした変化に伴い、必然的に病院看護師と地域での生活を支える診療所や施設の看護師、訪問看護師らの間での情報共有や互いの支援を行う「看看連携」も強化されていったのです。

 

看看連携の実際ー①病院と地域の看護師での例

ではどのような場面で連携がなされているのか、実際の例を挙げてみましょう。

 

まず、病院の看護師と訪問看護師では

①退院前カンファレンスの開催
在宅で医療的ケアや体調管理が必要な入院患者に対して訪問看護を新たに導入する場合や、すでに訪問看護を利用している利用者の退院が決まった場合に開催されるもので、退院調整看護師あるいはソーシャルワーカーが日程や参加者の連絡調整、当日の進行などを務めます。ここで退院する前に情報共有することで、在宅に戻ってからの注意点や、実際に生活する上で問題となりそうな点は何か、必要な準備人・物・サービスなどに不足はないかなどをあらかじめ確認し合います。

(ちなみに病棟の担当看護師はシフト上参加できないこともよくあり、事前に必要な情報をサマリーなどの書面で用意されている場合もたまーにあります。苦笑)


②退院患者についての相談や情報提供
在宅療養に移行する際、病院では退院時に病棟看護師が「退院時看護サマリー要約」をまとめ、入院中の経過や治療内容、退院後の注意点などを記し、訪問看護ステーションに渡すことになっています。「サマリーは作っていない」「家族にしか渡していない」という病院もありますが、訪問看護師にとっては事前に在宅でのサポート方法等を具体的に検討するための手がかりとなる重要な情報です。また、在宅に戻った後でも実際に自宅での医療的管理や体調の変化で困ったことがあった場合はまず退院調整看護師を通して相談をします。実際、患者さんが退院して生じる様々な問題に関し、体調の悪化や家族の疲労状況・介護力などをみて次回の診察やレスパイト入院、予定入院の時期やその際に注意して欲しいポイントなども必要時連絡をとっていきます。

 

看看連携の実際ー②地域の看護師同士での例


①診療所看護師と訪問看護師での情報共有・相談

地域の診療所の看護師は、主治医と訪問看護師とをつなぐ大事な架け橋となる存在。
多忙な主治医に代わり、利用者の方に関する相談や情報共有の窓口となり、急変時や体調の悪化時にも連絡を取り合い、迅速に適切な対応ができるようにされています。



②施設デイサービスやグループホーム等の看護師と訪問看護師での情報共有・相談

看護師がいる在宅の施設常駐ではないところもありますがでは、全身状態の観察、血糖測定や褥瘡処置などの医療的なケアを必要とする利用者の方については普段の様子や変化について、日常的にお互いが観察した情報を連絡ノートや電話等で連絡を取り合います。また、サービス担当者会議などでも定期的な情報共有が行われています。特に、デイサービス利用中に体調を崩された場合や、いつもと様子が違った場合などにはすぐに訪問看護師と連絡をとり、前日までの様子はどうだったか、現状、そしてどう対応するか、といった相談をしながら迅速に対応します。

 

看看連携における今後の課題

看看連携の体制について、その必要性を説く声が高まる一方で、なかなか実際としては浸透していない現状があります。

特に病院ー地域の壁は高く、病院内でも「退院調整は地域連携室の仕事」「退院調整看護師に任せておけば大丈夫」と、多忙を理由に病棟看護師が思っているような空気を感じるところが

 

退院時サマリーでも退院後に必要な情報が記載されていないことも多いのが現状です。
入院時さらには入院前から退院後の生活をイメージして看護を提供することが不可欠なのですが、そこにもまだまだ大きな課題が残っていると言えます。

 

まとめ

うまくいっているようで、なかなか簡単にはいかない看看連携
ですが、今後の医療と皆の生活を陰で支える大きな柱でもあります。
看護職の一人ひとりに、職域を超えてお互いの理解を深め、これまで以上に繋がり合う意識が求められます。

 

writer
chocola

現在看護師8年目。大学病院の内科病棟に配属され、うち2年間は夜勤専従看護師として勤務。結婚と同時に退職し、現在は訪問看護師として勤務。

無料メルマガ登録

【無料公開中】人気記事を資料にまとめました!

資料ダウンロード「感染予防」