初めての在宅医療で知っておきたいこと(3)自分のスタイルに合った職場選びが大切です

無料メルマガ登録

在宅医療は、患者の要望に「24時間365日」対応しなければならないという一面があります。個人開業の診療所では、スタッフの数も少ないため、夜診やオンコールの回数が増えて、医師およびスタッフの負担となることも少なくありません。

また、一人で患者宅を回ることも多いため、すぐに周囲に助けを求めることはできません。

 

そのような在宅医療において、長く、無理なく続けていけるためにはどのような点に気をつければよいでしょうか。

1. 定期的なカンファレンスが開けるかどうか

一人で患者宅を訪れることが多い在宅医療の現場では、自分で判断しなければならない場面、そして判断に迷う場面に必ず遭遇します。
そのような時に、定期的なカンファレンスがあったり、職種の垣根を超えて看護師が医師に、あるいは後輩が先輩に相談しやすい雰囲気があることはとても重要です。

在宅医療は小規模の施設が多いため、初めてで不安を感じる人はスタッフの少ない個人経営のクリニックよりも、複数の医療関係者がいて相談しやすい中規模の施設の方が良いかもしれません。

2. 訪問診療ネットワークがあるかどうか

日本各地で、在宅医療のネットワークが立ち上がり、医療関係者および患者・患者家族が在宅医療の情報に簡単にアクセスできる環境が整いつつあります。

このネットワークは、全国規模というよりも「○○町の訪問診療(あるいは在宅医療)のネットワーク」といったように、地域に密着したネットワークで、地域独自で作られているため検索方法や情報の充実度には差があります。
しかし、どのくらいの規模の施設がどれくらいの数あるのかという目安になるため、自分が働きたい地域のネットワークがあるかどうかを調べてみると良いと思います。

こうしたネットワークをもつ地域は、在宅医療の勉強会や集会などを自主的に行っており、学習もできて同業者の人脈を作れるといった利点があります。

3. 24時間365日対応の負担をうまく分担しているかどうか

24時間365日の対応を求められる在宅医療では、特に対応する医師の負担が大きくなります。

複数の医師がいる中規模の施設では当番制で夜勤を回すことができますが、一人の医師が個人経営をしている診療所では必然的に一人の医師が24時間365日対応しなければなりません。

こうした個人経営の場合、医師の負担を減らすため、オンコールの看護師がまず患者からの夜間電話を受け、緊急かどうかを判断してから医師に連絡をつなぐ役割を担うこともあります。

一方で、中規模の施設では、複数の医療関係者で24時間365日対応の負担を軽くできるという利点があるものの、緊急時は担当患者以外であっても対応しなくてはいけません。
この時、情報の共有が(特に緊急時)重要となるため、定期的なカンファレンスでの情報の共有はもちろん、正確で迅速に情報を伝えられるように在宅医療用に開発された電子カルテを導入している施設も増えています。

在宅医療では、基本的に「見送る医療」であるため、終末期の患者も多く、夜間の緊急対応も少なくありません。
24時間365日医療の負担は施設により異なるため、職場を選ぶ際は、自分の生活に負担を及ぼさないかを十分に検討する必要があります。

最後に…持続可能な職場選びを

最後の回は、自分の生活スタイルにあった職場の選び方についていくつかのポイントをお伝えしました。

まず、在宅医療ネットワークやカンファレンスなどを通じて、学習や相談ができる環境にあるかを確認しましょう。
また、在宅医療は、「24時間365日対応」の負担をどのように医療関係者が分担しているかが重要です。自分の生活と仕事を無理なく両立できる職場環境であるかを十分に検討する必要があります。

writer
めぐみ

日本で医師として働いていたものの、夫の仕事の関係で一時的にイギリスに滞在中。元医師の視点で医療事情、体験談をお伝えしていきます。

初めての在宅医療で知っておきたいこと(1)病院と在宅医療の違い

2016.08.17

初めての在宅医療で知っておきたいこと(2)従事者たちの働くきっかけとは

2016.08.19

無料メルマガ登録

【無料公開中】人気記事を資料にまとめました!

資料ダウンロード「感染予防」