インフルエンザ早くも流行開始!2019年の最新動向

冬に気を付けるべき感染症といえば「インフルエンザ」。例年12月ごろから流行し始めますが、今年は10月になったばかりの現時点で、既に流行の兆候が現れています。インフルエンザと風邪の違いや、合併症への注意など、注意事項を改めて復習しましょう。

インフルエンザとは―ウイルスの種類と症状

インフルエンザは、急性の呼吸器感染症で、インフルエンザウイルスが病原体となって、くしゃみや咳で飛び散った飛沫を吸い込んだり(飛沫感染)、鼻の分泌液や飛沫に触れたり(接触感染)することで感染します。

インフルエンザウイルスには、A型、B型、C型がありますが、現在ヒトの間で流行するのは、A型、B型となります。
そして、国内で流行しているのは、A型の2種(AH3亜型の香港型(H3N2)、2009年に新型インフルエンザとして流行したAH1pdm09型)とB型の3種です。

今シーズンの流行状況については、分離された症例数がまだ少ないものの、AH1pdm09型が36例、AH3亜型が8例、B型が5例と、AH1pdm09型が多くを占めています(10月4日時点)。

インフルエンザにかかると、感染後、1~3日程度の潜伏期間ののち、38℃以上の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、全身倦怠感といった症状が急に現れます。
そのほかに、咳、鼻水、くしゃみといった呼吸器症状や、吐き気、嘔吐などの消化器症状などもみられます。通常、1週間前後で症状は快方に向かいます。

インフルエンザと風邪の違いは?

風邪もインフルエンザと同様にウイルスによって感染しますが、インフルエンザとは別の、様々なウイルスが原因となります。

症状については、インフルエンザについてものどの痛み、鼻水、咳といった普通の風邪と同様の症状が現れますが、関節痛や筋肉痛、全身倦怠感といった全身症状が強く現れるのが特徴です。
また、インフルエンザの方が症状が重くなります。

注意すべき合併症―肺炎、インフルエンザ脳症

インフルエンザにかかると、まれに合併症を併発するケースがあります。
高齢者に多い肺炎、乳幼児に多いインフルエンザ脳症などは、命にかかわる危険な合併症で、特に注意が必要となります。
そのほかに、呼吸器、循環器、腎臓に慢性疾患を持つ患者、糖尿病の患者、免疫機能が低下している患者も合併症のリスクが高いといわれています。

<肺炎>

インフルエンザに感染すると、気管や気管支の細胞が壊され、感染症に対する防御機能が弱まってしまいます。
このような状況で肺炎球菌などの病原菌が付着すると、増殖した細菌が外に排出されず、肺炎を引き起こしやすくなります。
一度、気管や気管支の細胞が壊れてしまうと、元の状態に戻るまで3週間ほどかかるとされており、その間は特に注意が必要です。

インフルエンザから肺炎が引き起こされる場合、原因となるのはインフルエンザウイルスより、肺炎球菌などの細菌が多いといわれています。

肺炎の症状は、風邪やインフルエンザと似ているほか、高齢者や、他の持病があるために免疫機能・体力が低下した人の場合、肺炎の典型的な症状が現れないケースも多いため、かなり進行してから発見されることがあります。
いつもより元気がない、微熱や軽い咳が続くといった異変が、肺炎の初期症状である可能性があるため、様子がおかしい場合は早めに受診することが大切です。

<インフルエンザ脳症>

発熱してすぐに異常行動、異常言動、けいれん、意識障害などが起こります。
5歳以下の乳幼児に多く発症し、年間の発症例は100~300例とされていますが、発症後死亡が7~8%、後遺症が残るのは約15%ともいわれる危険な合併症です。

突然発症し、症状が急速に進行していくのが特徴で、言動がおかしい、ひきつけを起こしたなどインフルエンザ脳症が疑われる症状がみられた場合は、救急車を呼ぶか、救急病院に連れていくなど至急の対応が求められます。

成人での報告例は少ないものの、近年増加しつつあるといわれています。

今シーズンの流行状況

都道府県別の報告数(39週(9月23日~9月29日))については、特に多いのは沖縄県(34.72)で、鹿児島県(2.16)、佐賀県(1.69)、大分県(1.36)、石川県(1.33)、福岡県(1.18)と九州での流行が目立ちます。
また、東京都についても、38週に1.06、39週に0.96と、流行入りに近い水準にあるといえます。

学級・学年閉鎖に至った学校数についても、沖縄県で110校、東京都47校、大阪府22校と、既に多く発生しており、警戒が必要な時期に入ったと考えるべきでしょう。

今シーズンのワクチン供給状況

昨シーズンは、ワクチンの供給不足が不安視されましたが、今シーズンの供給状況についてはどのような見通しなのでしょうか。

今シーズンのワクチンについては、スケジュール通り4月に製造株が選定され、見込み供給量は約2,951万本となることが明らかになっています。
昨年の使用量(2,630万本)や、2017年を除く過去6年間の平均使用量(2,598万本)を上回る量であることから、適切に使用した場合、ワクチン不足には至らない見込みです。

また、厚労省は昨シーズン同様、13歳以上の方は原則1回注射とすることや、必要量に見合う量のワクチンを購入することなど、適正量の使用を医療機関に要請しています。

接種時期については、10月から接種を開始している医療機関もありますが、念のため受診前に医療機関に問い合わせるようにしましょう。
今年の流行状況から、特に重症化しやすいと考えられる、小児や高齢者、持病のある方などについては早めの接種をおすすめします。

また、接種回数についても、高齢者や持病がある方については、年齢にかかわらず2回接種が適切な場合がありますので、かかりつけ医に相談するようにしましょう。

まとめ

インフルエンザが例年より早く流行し始めています。
予防において大切なのは、ワクチン接種だけではありません。手洗い、うがい、きちんと休息する、栄養を摂るなど、日頃の健康管理が有効な予防策にもなります。早めの対策を心掛け、毎日健康に過ごしましょう。

<参考文献など>

厚生労働省:インフルエンザ(総合ページ)

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/infulenza/index.html

国立感染症研究所:インフルエンザについて

https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/a/flu/392-encyclopedia/219-about-flu.html

国立感染症研究所:インフルエンザ流行レベルマップ

https://www.niid.go.jp/niid/ja/flu-map.html

国立感染症研究所:インフルエンザ脳症の新しい治療法について

https://www.niid.go.jp/niid/ja/allarticles/surveillance/2466-iasr/related-articles/related-articles-472/8947-472r06.html

東京都感染症情報センター:インフルエンザ

http://idsc.tokyo-eiken.go.jp/diseases/flu/

厚生労働省:令和元年8月13日付通知「季節性インフルエンザワクチンの供給について」

https://www.mhlw.go.jp/content/000529263.pdf

NHK:肺炎は死にもつながる!かぜに似ている肺炎の症状と原因、予防について

https://www.nhk.or.jp/kenko/atc_560.html

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