訪問ヘルパーが出会った素敵なご利用者とそのご家族<4つのエピソード>

訪問介護の魅力は、やはりご利用者やご家族との数多くの出会いです。

ご縁あっての出会い…訪問介護を通して、人と人とのかかわりの大切さ、相手の方の立場に立つ、人生の先輩としてご利用者やご家族を尊重する気持ちが自然と湧いてきます。

 

●ライター●2度続けて派遣切りを経験し、安定した仕事を求めてホームヘルパー2級を取得。その後デイサービス、訪問介護を経て、現在施設介護で勤務中。

1.訪問介護に行くとヘルパーを気遣って下さるご利用者様

要支援のH様、見た目はお元気ですが、ぜんそくでいつ発作が出ても不思議でないご利用者様です。訪問介護では掃除・洗濯の生活支援をします。
お部屋が縦長なので、全室に掃除機をかけるのに延長コードを使います。
私が掃除をしやすいように、延長コードを動かし、コンセントを差し替えて下さいます。
「ゆっくりテレビでも観てて下さい。」と伝えても
「わしにはこれくらいしかできんから。」と笑顔でおっしゃいます。
夏場は、私が掃除をしているところに扇風機を持ってきてくれます。私が掃除の場所を移動すると、H様も扇風機を持って移動されます。
「わしにはこれくらいしかできんから。」
H様のお気持ちがとてもうれしくて、訪問介護はやっぱりやめられない思う瞬間です。

2.出会って間もないヘルパーへのお気遣い

四肢麻痺のあるI様の生活支援に訪問介護に入るようになって2回目のこと。
パソコンを操作されていたI様は、近くを通った私に声をかけられました。
「ちょっとこれ見て!」
I様が見せてくれたのは、むき出しにされた太もも!太ももにはひっかかれたあとが数か所。
「ジーパンはいたら、猫が膝に乗ってきて爪とがれたよ。手が動かしづらいから、なかなか猫を膝からおろせなくて。」
「大丈夫ですか!痛いですよね。」と声をかけながらも、思わず二人で顔を見合わせて笑ってしまいました。
そこから一気に肩の力が抜けたのを覚えています。
きっと、私の緊張が伝わっていたんですね。
I様の訪問介護に入って間もない私に惜しげもなく太ももを見せてくれた、I様のお気遣いがとてもうれしかったです。

3.朝の訪問介護でお会いするご家族様のあたたかさ

訪問介護で朝8:30から身体介護をさせていただくT様。
訪問時は、これから出勤しようとされる奥様と顔を合わせます。
すれ違いで奥様は出かけてしまうので、奥様と話すのはほんの5分ほどです。
その5分でI様のご様子を簡単に伝えて下さり、ご自分の思いを伝えて下さる奥様の話を傾聴します。
「あなたに聞いてもらって今日も仕事をがんばれるわ。いってきます。」
元気に出発されるご家族様を見て、私もすがすがしい気持ちになれたことにいつも感謝していました。

4.不安を抱きながらもヘルパーを受け入れて下さるご利用者様

身体介護で訪問の重度認知症のN様。ご家族はお部屋に必要な食材を置いていかれるだけ。N様はいつも一人きり。普段は私とは目も合わさず、会話も一方通行です。

ある日「Nさん。今日は肌寒いですね。」と呼びかけたところ、私の耳に「はい、Nです。」と聞こえ、N様の口が動くのが見えました。
ゆっくりと震えるか細いお声、目は私を直視しておらず、ぼんやりと眺めている感じです。
「Nさん。寒くないですか。」とお聞きすると 「はい。」
「体調はいかがですか。」とおたずねすると、「だいじょうぶ。」とやはり弱々しいお声。
その後、N様はまた目を合わさず反応がなくなってしまいましたが、
この日会話できたことは、私のことを認めていただけたのだと嬉しくなりました。

訪問介護をやっていてよかったと心底実感しあたたかい気持ちになった瞬間です。

【まとめ】訪問介護でかかわりを重ねて、なじみの関係をより深めていく。

訪問介護で初めてお会いしてのご利用者様とご家族のご縁。
訪問を重ねる毎に少しずつ緊張が解け、だんだんなじみの関係になっていく。
出会いってすばらしいです。

「ヘルパーさんは私たちを理解してくれている」とご利用者様やご家族に感じてもらうことで信頼生まれ、ヘルパーもやりがいを実感してより支援に励む…これこそが訪問ヘルパーの仕事の醍醐味であると私は感じています。

writer
cha-hanz

母子家庭で派遣勤務を続けるも2連続で派遣切りに遭い、安定した生活を求めてヘルパー2級を取得。その後、デイサービスに勤めながら専門学校の夜間に通い、介護福祉士を取得。さらに訪問介護を経験し、現在施設介護で正社員として奮闘中。

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2016.06.07

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