要介護認定の定義|訪問介護の基礎知識

介護保険制度により、介護サービスを受けられるようになりました。介護サービスを受けるためには、要介護認定を受ける必要があります。要介護認定の判定によって、介護サービスの給付額を決めることになるため、全国で一律の要介護認定基準が設けられています。今回は、要介護認定基準の考え方と要介護認定の定義をみていきましょう。

(2016年5月時点)

1.高齢者と家族を支える介護保険制度

介護保険制度は平成12年(2000年)4月に始まりました。介護保険制度とは介護を必要とする状態となっても、できる限り自立した日常生活を営み、人生の最後まで人間としての尊厳を全うできるよう、介護を必要とする人を社会全体で支える仕組です。

市区町村が保険者となって運営を行い、40歳以上の人が加入者、つまり被保険者となってサービス事業者が提供する介護サービスを利用できます。この介護保険制度によって介護サービスは受けられるようになりました。

2.介護サービスを受けるまでの流れ

介護保険を利用し、介護サービスを受けるためには、所定の手続きが必要です。まず、住んでいる市区町村の窓口で要支援または要介護の申請を行います。申請が行われると調査職員が全国共通の認定調査書を使った聞き取り、および動作確認を行います。

さらに調査の結果を元にして、客観的で公平な判定ができるようコンピューターによる一次判定を行います。これによって「要介護認定等基準時間」が算定され、要介護状態区分の要介護1~5、要支援1~2、非該当(自立)のどれにあてはまるか決定します。

その結果と主治医の意見書、特記事項などから保健・医療・福祉の学識経験者(5名程度)が介護認定審査会を開き、二次判定が行われます。その結果に基づいて、市区町村が要支援・要介護度を認定します。申請者に結果が通知されるとケアプランが作成され、ようやく介護保険を利用したさまざまな介護サービスを受けることが可能となります。

<介護度と要介護認定基準時間>
非該当         25分未満
要支援1
要支援2・要介護1     25分以上 32分未満
要支援2・要介護1     32分以上 50分未満
要介護2         50分以上 70分未満
要介護3         70分以上 90分未満
要介護4         90分以上 110分未満
要介護5         110分以上

3.要介護認定とは?

要介護認定とは介護サービスを受ける際に、その状態がどの程度なのかを判定するものです。要介護認定時には、介護サービスの給付額を決めることになるため、その基準について全国一律に定められています。要介護認定基準は7段階に分かれています。要支援は1~2、要介護は1~5までの段階に分かれています。それぞれの段階によって、利用できる介護サービスの範囲や量、負担料金の上限などが変わってきます。

4.要介護認定基準7段階【要支援】

要支援とは家事や身支度等の日常生活に支援が必要になった状態のことです。
要支援とは、介護サービスを利用することによって、心身の状態が回復に向かう可能性が高いと思われる方が分類されます。

◉要支援1
生活の中で、身の回りの世話の一部に手助けが必要な状態。掃除など、立ち上がり時に何らかの支えを必要とする時がある。排泄や食事は、ほとんど自分で出来る、など。
⇒在宅の介護予防サービスを利用することができます。

◉要支援2
要支援1の状態から能力が低下し、日常生活動で何らかの支援または部分的な介護が必要となる状態、など。
⇒在宅の介護予防サービスを利用することができます。

5.要介護認定基準7段階【要介護】

要介護とは寝たきりや痴呆症で常時介護を必要とする状態のことです。

◉要介護1
・みだしなみや掃除などの身の回りの世話に、手助けが必要。立ち上がり、歩行、移動の動作に支えが必要とするときがある。
・排泄や食事はほとんど自分で出来る。問題行動や理解の低下がみられることがある、など。
・日常生活は、ほぼ一人でできる。
⇒在宅と施設、それぞれの介護サービスを利用することができます。

◉要介護2
・みだしなみや掃除など身の回りの世話、立ち上がりなどの動作がひとりでできない。歩行や移動など、ひとりできないことがある。
・排泄が自分でできない。いくつかの問題行動や理解の低下がみられることがある、など。
・日常生活の動作の中で、ほぼ全面的に介護が必要。

◉要介護3
・みだしなみや掃除など身の回りの世話、立ち上がりなどの動作がひとりでできない。歩行や移動など、ひとりできないことがある。
・排泄が自分でできない。いくつかの問題行動や理解の低下がみられることがある、など。
・日常生活の動作の中で、ほぼ全面的に介護が必要。

◉要介護4
・みだしなみや掃除など、立ち上がり、歩行などがほとんどできない。
・排泄がほとんどできない。多くの問題行動や全般的な理解の低下がみられることがある、など。
・介護なしでは日常生活が困難。

◉要介護5
・みだしなみや掃除など、立ち上がり、歩行や排せつ、食事がほとんどできない。
・多くの問題行動や全般的な理解の低下がみられることがある。ほぼ寝たきりの状態に近い、など。
・介護なしでは日常生活が送れない。

6.要介護認定基準時間

要介護認定では「要介護認定等基準時間」というものを用いて、介護の必要程度、介護の手間を算出します。訪問調査(認定調査票)の結果をコンピュータに入力して、基本時間(単位:分)が計算されます。『時間』とついていますが、実際に行われる介護にかかる時間ではありません。要介護認定等基準時間は日常生活における生活場面ごとの行為の区分毎の時間と「認知症加算」の時間の合計となっています。

<要介護認定等基準時間の分類>
①直接生活介助
入浴、排せつ、食事等の介護
②間接生活介助
洗濯、掃除等の家事援助等
③問題行動関連行為
徘徊に対する探索、不潔な行為に対する後始末等
④機能訓練関連行為
歩行訓練、日常生活訓練等の機能訓練
⑤医療関連行為
輸液の管理、褥瘡の処置等の診療の補助

7.要介護認定の仕組みを理解することから始めよう!

要介護認定を受けることにより、介護サービスを受けることができます。利用者さんやそのご家族から信頼されるよう要介護認定の基本を正しく理解しておきましょう。

要介護認定の流れと有効期間|訪問介護の基礎知識

2016.05.13

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