在宅でも利用者さんや介護者さんが安心して夜を過ごすために、夜間対応訪問介護オペレーターは毎日働いています。
夜間、「転んでしまった!」「トイレから出られなくなった!」「急に具合が悪くなった!」そんな困った時にいつでも、ボタン1つでオペレーターが対応、必要に応じて訪問する他に定期巡回サービスもあります。
(2016年7月時点)
目次
1. 夜間対応型訪問介護とは
夜間対応型訪問介護とは、夜間帯利用者さんのお宅を訪問し介護サービスを提供する在宅介護サービスです。
契約した利用者さんのお宅には病院や施設で使われているナースコールに似た、呼び出し用の端末を設置します。
壁設置型と、ペンダントタイプのボタン2種類があり、室内で移動中であってもボタンを押せるように、ペンダントタイプは利用者さんご本人の首にかけておきます。
2. 夜間対応には3種類のサービスがあります。
夜間対応には3種類あります。
①定期巡回
予め決めた時間に訪問し、介護サービスを行います。
②オペレーションサービス
介護の専門家である、夜間対応型訪問介護オペレーターが利用者さんの不安や「困った」を通話で相談に乗ります。状況によって介護士を利用者宅へ派遣します。
③利用者さんの緊急時に訪問
利用者さん、あるいは介護者さんが緊急時にボタンを押すことがあります。
ボタンが押されると、オペレーターと通話になり、用件を聞きますが、連絡が取れない場合は安否確認のために利用者宅を訪問します。
3. 夜間対応型訪問介護オペレーターになるために必要な資格は?
夜間対応型訪問介護オペレーターになるには、以下の資格が必要になります。
・医師
・保健師
・看護師
・准看護師
・介護福祉士
・社会福祉士
・介護支援専門員
通常、夜間対応型訪問介護の事業所では、オペレーターは訪問員を兼務します。
私の勤務していた事業所はタクシー会社の介護課だったので、訪問員は介護福祉士やヘルパーの資格を持ったタクシードライバーが従事していました。
4. コールが無い時の夜間対応型訪問介護オペレーターは?
夜間対応型訪問介護オペレーターとしてパート勤務していましたが、いつもコールがあるとは限りません。どちらかというと待機時間が圧倒的に長かったです。
私が勤務していたタクシー会社の介護課は、他に訪問介護の事業もしていたため、待機時間は、ケアプラン計画書や訪問記録など書類の整理、仕分けや、チラシの作成、ケアカンファに必要な書類の作成等の雑務をしていました。
また、定期訪問のスケジュールをヘルパーさんにメールすることも仕事の1つでした。
5. 夜間対応型訪問介護サービスを提供するタクシー会社もあります
最近は、深夜のタクシーはひと昔に比べると待機時間が長いそうです。
そんな中、ケアドライバーの資格をもった方に訪問員をしてもらうというアイデアは斬新で、利用者さんにも沢山のメリットがあります。
ケアドライバーさんは男性で頼りがいがあり、道にも詳しいので素早く利用者さんのお宅を訪問し、対応できます。
また、オペレーターは事務所での仕事になるので1人いれば大丈夫です。
オペレーターが訪問員を兼ねるスタイルだと、1人では出動している時間は事務所に誰もいなくなってしまいます。
ですから複数のオペレーターが必要になります。
タクシー会社が夜間対応型訪問介護サービスを取り入れるのは、とても良いアイデアでした。
<まとめ> これからもっと必要になる、夜間対応型オペレーター
超高齢化社会、そして長寿の日本では高齢者の福祉を急ピッチですすめて法を整えてきました。それでも、入所申込をしてもすぐに入所はできません。
入所を待つ間は、在宅で過ごす事を余儀なくされる利用者さんも少なくありません。
いつ入所できるのか解らない状態で、休みなしの24時間介護を、続けるのは限界があります。
「夜はお任せして、少しでも休みたい。」
ご家族が、そう考えることは自然ですし、利用者さん本人も「朝から晩まで家族に面倒を見てもらうのは辛い」そんな風に考えているかもしれません。
夜間対応型訪問介護は、そんな利用者さん、介護者さんの不安をなくすことができるサービスです。
<ライタープロフィール>
野田 長世
元看護師、フリーライター。精神科/療養型病院/救急病棟/訪問入浴サービス/介護老人保健施設等で看護師として勤務。2015年8月に退職し、フリーライターとして健康/医療/看護/美容/恋愛/起業等のジャンルで執筆中。