訪問介護事業所の立ち上げに必要な手続きと注意点|訪問介護の基礎知識

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訪問介護事業所の立ち上げには、都道府県の許可(指定)が必要になります。では、都道府県の許可を得る為にはどういう手順で立ち上げ準備を進めていけばいいでしょうか。

訪問介護事業所の立ち上げの手順とよくある落とし穴について、私の経験談を含めご紹介します!

(2016年8月時点)

手順1 訪問介護事業所を運営する会社の種類選び

事業所を開設するために、まずは会社の種類の選択をします。後から変更もできますが、多大な労力を要するので、慎重に決めましょう。

訪問介護事業所を運営する会社の種類には、株式会社合同会社NPO法人社会福祉法人医療法人があります。
社会福祉法人と医療法人は特別審査が厳しいため、その他の種類の会社を選ぶ人が多いようです。

ちなみに社会福祉法人は、会社の設立時より理事6名が必要であり、その6名は、医師・保健師・看護師などの医療・保健関係者、公認会計士・税理士弁護士など経営を行う上で有益な知識を持つ者である必要があります。
社会福祉事業を行う団体の代表を含む者などと、厳しい基準があります。

医療法人では、医師または歯科医師が理事長となり、その他2人の理事長と理事長を監査監督する1名が必要になります。

また、NPO法人は開業までに約半年の期間がかかるため、多くの訪問介護事業所が、株式会社または合同会社を選択しています。

手順2 施設基準を満たす事務所環境を準備する

訪問介護事業所には、事務室と相談室が絶対に必要です。
事務所は、事業の運営を行うために必要な面積を有する専用の事務所と規定されています。
要約すると、常勤者の机・椅子は人数分用意し、またある程度のスペースが必要です。常勤者4名では、最低約6畳ほど必要になります。

次に相談室ですが、指定訪問介護に設備及び備品等。内容は特に手指を洗浄するための設備など感染予防に必要な設備に配慮すると規定されています。
また、利用申込みの受付・相談等に対応するのに適切なスペースを確保すると要項内容に加えられています。

要するに、手洗い場(水道流しなど)の設備がある場所が必要なのです。
あくまで相談場所という定義なので3〜4畳程度で十分です。倉庫兼用でも構いません。

その他必要な物品として、鍵のかかる書類保管庫、電話、FAX、パソコン、手洗い場に石鹸、アルコール消毒があれば、十分です。

手順3 3種類の人員基準を満たす

人員基準として、まず管理者(責任者)1名が必要です。この事業のみに従事する常勤者の中の1名となり、副業としては管理者となることはできません。

次にサービス提供責任者です。資格は、看護師、または准看護師・介護福祉士・介護職員基礎研修課程修了者・ヘルパー1級取得者・ヘルパー2級取得者で、この事業に専任することが条件です。
ここで注意すべきことは、ヘルパー2級取得者は、3年以上の実務経験が条件ということです。

次に肝心な訪問介護員です。この訪問介護員についても看護師または准看護師・介護福祉士、介護職員基礎研修課程修了者・ヘルパー1級取得者・ヘルパー2級取得者の資格が必要です。
さらに常勤換算法で2.5以上になることが条件です。

常勤換算法とは、例えば営業時間を8時間とした時に8時間労働者が2人で2とし、4時間労働者が1人で0.5と換算します。
営業時間÷常勤職員の労働時間が 2.5以上になることが絶対条件です。

但し、この2.5人の中にサービス提供責任者を含んでも構いません。また、サービス提供者の人数ですが、施設規模により増減します。

訪問事業利用者が40名毎にサービス提供責任者を1名配置する必要があり、利用者が80名であれば2名のサービス提供責任者が必要となります。利用者が120名であれば3名以上が必要となります。

実は、人員配置について兼任でも構わないポジションがあります。
先ほどの計算では(全員常勤職員として)、責任者1名・サービス提供責任者1名・訪問介護員2名の合計4名の配置が通常あるべき型ですが、責任者とサービス提供責任者は兼任が認められており、責任者とサービス提供責任者も介護職員兼務とするなら、責任者1名・訪問介護員2名の最少の職員合計3名でも構いません。
ただしこれ以上少ないスタートでは認可がおりないので注意が必要です。

手順4 膨大な書類を用意して事業開始までのラストスパート

開業までには、以下の21点以上の書類を用意する必要があります。

・指定申請書
・指定に関わる記載事項書
・定款の写し
・登記簿
・欠格事由に該当のない誓約書
・土地・建造物の賃貸借契約書の写し
・平面図
・建造物・事務所内の写真
・管理者の経歴書
・サービス提供責任者の経歴書
・サービス提供責任者の資格証写し
・従業員の勤務体制及び勤務形態一覧表
・就業規則
・有資格者の資格証明証
・運営規程
・苦情時の措置概要
・申請法人の決算書
・収支予算書
・介護給付費算定に係る体制に関する届書
・介護給付費算定等の状況一覧表
・損害賠償保険書の写し
・契約・重要事項説明書
・関係法令を遵守する誓約書
・管理者等一覧表
・老人福祉法の届出
・指定申請窓口より提出を求められた書類

各都道府県の福祉局のホームページを見ておくことも大切です。
また、書類の多くは税理士・行政書士の分野が多いため、これらの人材の活用をするのが1番分かりやすいと思います。

開業までの裏技としては、多大な量の書類のため、一部の企業がセミナーやアドバイスまた代行依頼やフランチャイズ経営といった方法もありますが、もちろん費用がかかり割高になってしまいます。

手順5 事業許可までの流れとその後

特に手順4に記載した準備書類が多いので充分な準備期間を持って臨むことが重要です。
書類を提出し、管轄所との協議・審査を経て介護サービス事業者の認可・指定公示が下りますが、事業許可は更新制6年毎が必要となります。

事業開始直後は、従業員が充足していますが、利用者が一気に増加し、不足することが多いので、常に開始直後は多めに従業員を確保することを意識していくことがもっとも重要となります。

<ライタープロフィール>
Medicalcreat
看護師歴15年(男)
10年間は京都の急性期病院勤務 循環器。手術室。カテーテル室勤務
京都在住中に訪問介護事業所開設。講義・技術演習を行う。
10年間の節目に5年間東京の急性期病院勤務 脳外科。ICU勤務。
母の癌闘病の為、東京の病院を退社し介護を担う。

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