口腔ケアの基本|訪問介護の基礎知識

介護をする人が日々必ず携わるケアの一つである口腔ケアについて、今回は義歯の扱いや、歯がない人についてのケアについて考えてみました。

毎日のことだからとおざなりにせず、丁寧に行っていくことが大切です。

口腔ケアは介護の大切な基本|訪問介護の基礎知識

皆さんは毎日起きた後や寝る前、食事の後に歯を磨くことが当たり前になっていると思います。歯磨きは口の中をさっぱりとさせるだけでなく、汚れを落とし虫歯を予防するためにも大切なことです。

そして口腔内を適切に清掃することで、食べ残しなどを誤飲することによる細菌感染、誤嚥性肺炎を防ぎ、機能維持を正常に保つことができます。
高齢者は手が不自由だったり、認知機能の低下などで正しい口腔ケアが行えないことがあります。
健全な食生活を維持するためにも適切な口腔ケアの介助を行い、口腔内の清潔維持、機能維持に努めましょう。

口腔ケアと義歯のトラブル

義歯のトラブルとしては、歯茎がやせて義歯が合わなくなる、義歯が欠けるなどのトラブルがあげられます。
義歯が合わなくなると、口を動かす時に義歯が外れてしまい、食事がしにくくなります。食事は楽しみの一つですが、おいしく食事ができなくなると栄養面の偏りだけでなく精神面での落ち込みなどにもつながり、その人らしい生活が送れなくなる原因にもなりえます。

介護者は常に食事時の様子(食べこぼしが多くなっていないかなど)や、話しにくそうにしていないかなど目を向けるようにすることが大切です。入れ歯が合っていないようだと感じたら、早急に専門職に相談するようにします。

義歯のトラブルを減らすために義歯の洗い方を見直そう

他に義歯のトラブルとしては、義歯の洗い方によっては細かい傷がつき、雑菌がつきやすくなることです。当然ながら雑菌がついたままの義歯を口に入れると口腔内で繁殖し、思わぬ病気を引き起こすこともあります。
義歯洗浄剤を使えば大丈夫ではと思いがちですが、あくまで補助として考えた方がよいでしょう。

義歯を洗う時は、洗面器に入れ、専用の歯ブラシでそっと汚れを落とします。市販の歯磨き粉には研磨剤が含まれており、義歯に傷がついてしまうので使用しません。
流水でゆすいだら、ぬるつきがないか、汚れが残っていないか確認しましょう。

自分で義歯を洗える方の場合も、最後にチェックをします。入れ歯洗浄剤を使う場合、先に挙げたように汚れをきれいに落としてからつけます。はめる前には必ず洗浄剤をきれいに流します。

歯がない方の口腔ケアのポイント

義歯も歯もない方の場合、口腔ケアを簡単に済ませがちかもしれませんが、このケースも入念なケアが必要です。
特に意識がないなどの状態で口が開きっぱなしになっている場合、口腔内が乾燥し、細菌が体内に入りやすくなります。口腔内を湿らせることも兼ねて、入念なケアが必要です。

薬液を湿らせたガーゼで口腔内、歯茎などを拭き取ったり、スワブという小さなスポンジが先端についた道具で口腔内をぬぐう方法などがあります。いずれの場合も水分が気管に入ったりしないよう、適度に水分を絞っておくことが大切です。
いずれの場合も、双方の感染予防のために手袋を着用します。

また嫌がられたり、突然口を閉じてしまわれることもあるので、口腔内を傷つけないよう慎重、丁寧に行っていきましょう。

介護職だからこそできる口腔ケアを

歯や口腔のことは専門職がいるからと敬遠しがちになるかもしれません。ですが日々のケアに関わるのは介護に携わる人たちです。
毎日の丁寧なケアが介護を受ける人の健康を支えていることを忘れず、しっかりとした観察眼を持って取り組んでいきましょう。

writer
小川 凛

介護の専門学校卒業後、リハビリ助手を経て老健や病棟介護に携わり、学んだことを生かしたいとケアマネージャーになりました。
現在はケアマネ職を離れ、介護職をしていますが、復帰目指して制度その他を勉強しています。

在宅医療と口腔ケアのまとめ【全10回】

2017.04.26

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