認知症患者さんを持つご家族様への対応について知っておきたいこと|在宅介護の基礎知識

認知症患者さんのご家族は発症した時期、段階によりそれぞれ受け入れ方が異なります。

そのことを見極めながら、専門スタッフとして、専門スタッフだからこそ言ってはならないこと、またできる対応についてまとめてみました。

介護職として必要なご家族様への対応について知っておこう|在宅介護の基礎知識

介護の仕事に携わる人で、認知症の方と関わったことがないという方はほとんどいないかと思います。また、在宅や施設の現場でそのご家族様と話をする機会を持つことがある人も多いでしょう。

専門知識を持った職員として、こういう場合はどうしたらいいかといった相談を受けることも少なくないと思われます。
ここでは私の経験も交えながら、認知症患者さんのご家族様への対応について考えてみたいと思います。

認知症患者さんのご家族がどのような心境にあるかを知る

多くの場合、認知症患者さんのご家族は、患者さんが両親であったり義両親、または兄弟となります。
苦楽を共にしてきた大切な身内が認知症によって身の回りのことができなくなったり、家族のことが分からなくなったり、記憶を失っていく姿はとても辛いものです。その心情は他人にはうかがい知ることができません。

また認知症という病気を受け入れるには、長い時間がかかるケースがほとんどです。特に発症してすぐのころは、時々は以前のように過ごせることも多く、ご家族はどう接すればいいのか混乱しがちでもあります。

逆にその長い時間をかけて受け入れているというご家族に出会うこともあるでしょう。
認知症患者さんのご家族と話をする際、また相談を受けた際には言葉の端々や表情などから今どの段階にあるのかを注意深く観察することが大切です。

ご家族への対応で避けたい言い回しとは

私が経験したケースでは、娘の顔と名前はわかるのにそれ以外のことはとんちんかんなことばかり話す母親を理解できず、面会に来るたびにどうしてうちの母はこうなんだろうと訴えてくる方が見えました。
こうした時、「認知症とはそういうものですよ」「仕方ないですよ」などといった言い方をするのはよくありません。

認知症とはそういうものであると、頭では理解できていても感情では納得することができないという場合もあります。それゆえにどうしてこうなのかと職員に訴えているのに、そっけない言葉で返されると気持ちの行き場がありません。

また「他にも大変な方はいらっしゃいますよ」や「私たちも大変なんですよ」というような言い方も、よい対応ではありません。

専門職として求められていることを知る

ではどのように対応していくのがいいのでしょうか。これが正しいという答えはありません。ただ言えることは「その立場に置かれた人の身になって考える」「気持ちに寄りそう」ことが大切です。

そのように訴えてくるご家族さんの中にはただ話を聞いてほしい、といったこともあります。身内がこんな状態になってしまって辛い、悲しいといった思いを誰かに、認知症のことを理解しケアをしている職員に訴えることで、気持ちが楽になるといったこともあります。

また頑張ってきたご家族を否定するようなことを口にしない、(病気のことについて)大丈夫ですよ等、無責任な言葉を言わないといったことも心掛けておきたいものです。
専門スタッフとして普段どのように関わっているか、またその方がどのような暮らしをしているか、何ができるかをお話しするのも、ご家族にとって何がしかのヒントにつながったり、意外な一面を発見できるきっかけになることもあります。
スタッフは患者さんだけでなく、そのご家族のことも支えているのです。

認知症に携わる職だからこそできる対応を

新人、ベテラン、経験年数は様々であれご家族様にとっては皆介護に携わる専門スタッフであることに変わりありません。
接遇マナーの基本を押さえることはもちろん、介護職にだからこそできるご家族への対応の仕方は何であるか、どういった言葉や言い方が適切かを常に考え、接していくことが大切です。

writer
小川 凛

介護の専門学校卒業後、リハビリ助手を経て老健や病棟介護に携わり、学んだことを生かしたいとケアマネージャーになりました。
現在はケアマネ職を離れ、介護職をしていますが、復帰目指して制度その他を勉強しています。

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