訪問介護における「調理」の理解と自立支援を促す手段としての活用|訪問介護の基礎知識

介護保険サービスとしての訪問介護の目的は、自立の支援です。

訪問介護の調理の支援もその目的を達成するため手段の一つです。単に美味しく食べていただくということだけではなく、介護保険サービスの一つであるということを理解し、調理のプロセスにおいてプロの視点を持ちましょう。そして、利用者さんの自立支援を目指して関わることが出来ると良いでしょう。

訪問介護における調理介助の基本|訪問介護の基礎知識

訪問介護の家事援助における「調理」は「一般的な調理」とされています。

「一般的な調理」は厚生省の通知(老振第76号)において「正月、節句等のために特別な手間をかけて行う料理は一般的に介護保険の家事援助の範囲に含まれない」と明記されています。ごく日常的な普段の食事という解釈になります。

訪問介護の調理ではその点を踏まえながら、個々の味の好みや嚥下機能などの心身の状況に配慮出来ると良いでしょう。
更に、共に献立や手順を考え料理を五感で味わうプロセスの中で、出来なかったことが出来たり新たなニーズが見つかるかもしれないという視点での対応も期待されます。

調理で五感に訴えかけることを意識する

訪問介護の調理では単に食べてもらうことだけではなく、高齢者の心身の状況に着目し意識的に関わる必要があるでしょう。
例えば、物忘れが進行している方のケアプランの多くでは進行しないような働きかけや、メリハリのある暮らしを目指すという趣旨で作られている場合が多いです。

家庭の懐かしの味を会話から探り、住んでいる地域ならではの旬の食材で調理するなどの配慮で、目で見て舌で感じ、懐かしいという思考に訴えかけることが可能になります。
五感をフル稼働させることができるのが、訪問介護の調理では可能なのです。

調理を通して見えてくる日常生活と異変

調理の支援で訪問すると、炊飯器や冷蔵庫など食材の在庫確認から先ずは始めます。
ご飯の減り具合などから何食食べたのか、朝はきちんと起きることが出来なかったのかなどが想像できます。

実際に訪問時に利用者さんが意識のない状態で発見されたケースでは、毎日訪問している訪問介護員が炊飯器のタイマーと保温時間、薬の数から何時頃まで元気で活動していたかを実に的確に分析したということがありました。

命に直結する食に関わる訪問介護の調理の支援は、利用者さんの健康状態と日常生活の変化を知る貴重な関わりをしていると言えます。

訪問介護サービスの調理におけるポイント

訪問介護の調理では、利用者さんの心と体の健康を支えるという重要な役割を担います。

メニュー決めでは利用者の一番食べたい物を1つ引き出し、あとは全体の栄養バランスを考えましょう。普段から野菜が嫌いという場合でも細かく刻む、出汁に利用するなどし工夫を凝らした一品を作るように心がけましょう。

夏バテしそうな季節にはやや濃い目の味付けにすることで食欲が増し、水分摂取量も自然と多くなるなど上手くいく場合があります。

また、普段から話をする機会が少なくなっている利用者では噛む力、飲み込む力も徐々に衰えてしまう場合もあります。
個々の身体状況を良く理解した上で、敢えて良く噛むように小さくしすぎない、病院食のように煮すぎないということも在宅生活を続ける利用者には必要なことでしょう。

調理の支援は高齢者の安定した生活を支えるポイント

訪問介護の生活援助の中でも、「食」の支援である調理では、特に高齢者の生活の変化にも気が付きやすいでしょう。

五感に最も働きかける支援の一つでもある調理はケアプランで掲げている多くの目標を達成する手立てになり得ます。訪問介護の料理の支援では、高い意識で望むと良いでしょう。

writer
toramaru

介護の現場のお仕事をいくつか経て、現在はケアマネージャーとして働いています。
目下の悩みは高校生の息子のお弁当の中身です。手を変え品を変え、節約食材でも毎日変化があるように頑張っています。

訪問介護の「調理介護」とは|ご利用者宅で実際に起きたエピソードをご紹介

2017.02.08

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