訪問看護の歴史と変遷|訪問看護の基礎知識

現行の訪問看護制度に至るまで、推進派は様々な法的な障害を越えてこなければならなかったことを、ご存知でしょうか?訪問看護に関わる方は、その道のりを知っているに越したことはありません。

ここでは、訪問看護の必要性が唱えられてから、制度が徐々に整っていった過程とその背景を見ていきましょう。 訪問看護の発端は、1980年代まで遡ります。

1. 訪問看護の原型がまだなかったとき

1-1.【1981年まで】一部の医療機関や保健師が ”福祉事業として” 個別訪問

訪問看護が制度として定められる以前は、一部の医療機関の訪問看護師や、自治体の運営する保健所の保健師が、主に老人を対象として戸別訪問していました。訪問看護師と保健師の境がなかったと言えます。

<ポイント>
・医療機関の訪問看護師や、保健所の保健師が戸別訪問

2. 訪問看護制度が、まずは老人を対象に整えられていった

2-1.【1983年】老人保健法が施行され、訪問看護に関する法整備が始まった

1983年に『老人保健法』が施行され、医療機関が行っていた訪問看護に対して老人診療報酬が算定され、保健師による寝たきり高齢者への訪問看護は「訪問指導」と位置付けられました。

ただ、退院患者向けに訪問看護を実施している医療機関は全体の1割に過ぎず、また自治体のカバー範囲に対する保健師の数が少なすぎたため訪問回数も年に5〜6回程度でした。

<ポイント>
・訪問看護へ診療報酬が適用される『老人保健法』
・高まる訪問看護需要に対し、供給が全く足りていなかった

2-2.【1992年】老人保健法が改正され、訪問看護ステーションが誕生した

1983年の老人保健法施行以後、まだまだ十分な訪問看護の供給ができない状態が続いていました。
そこで、訪問看護を医療機関以外でもできるようにすることを意図して、老人保健法の改正が行われました。
その中では、65歳以上の高齢者を対象とした老人訪問看護制度が新たに創設され、老人訪問看護ステーション(指定老人訪問看護制度)が誕生しました。

これは飽くまで、ニーズの大きかった認知症患者などの老人を対象とした制度であり、訪問看護を必要としていた若人は対象外でした。

<ポイント>
・老人を対象とした訪問看護ステーションが誕生
・若人は対象外だった

3. そして、若人まで訪問看護の対象が広がっていった

3-1.【1994年】健康保険法が改正され、訪問看護の対象が老人以外へも拡大

老人のみを対象としていた訪問看護ですが、老人保健法に比べて対象領域の広い『健康保険法』の中に、老人保健法と似た訪問看護の制度を盛り込むことによって、対象者が若人まで広がりました。

これに伴って、診療報酬の対象も老人のみから一般まで広がっていきました。

<ポイント>
・老人保健法ではなく『健康保険法』の改正によって、訪問看護対象領域拡大に成功

3-2.【2000年】介護保険法が施行され、医療・介護双方への保険適用が開始

老人保健法・健康保険法と、介護・医療に関する法律が整備されたことで、包括的な法律の誕生が待たれ、その結果『介護保険法』が施行されました。
これによって、介護・医療双方の訪問看護について、保険の適用が開始されました。

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<まとめ> 訪問看護の歴史は、法整備の歴史

このように、訪問看護が浸透していく過程は、法整備の歴史を見ていくことで紐解くことができました。

 

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