訪問看護とご家族の関係|訪問看護師が利用者様宅へ配慮すべきこと|訪問看護の基礎知識

訪問看護を始める際、ご家族には他人を自宅に入れることに大きな不安があることを理解する必要があります。

この不安を解消するために、最も大切なのは訪問看護師とご家族の間に信頼関係を築くことです。

ご家族に不快、不安な思いをさせないこと、看護師は利用者様とご家族が普段、生活している空間に入って看護業務をしていることを常に意識しましょう。

ご家族が訪問看護をためらう理由

患者さまを在宅で介護するご家族の負担を減らす為に福祉サービスはあるのですが、
ご家族の中には看護師の訪問が負担になっている事も少なくありません。
その理由はいくつかあります。

・他人に家の中を見られるのが恥ずかしい。
・人見知りなのであまり他人とは関わりたくない。
・他人を家に入れるのは不安。(防犯上)
・家の中のルールを乱されそうで嫌。
・自分の介護に自信を持っていて介入されたくない。
等。

これらの理由があっても訪問看護を依頼しなければならないご家族がいらっしゃるのです。訪問看護師はその事を踏まえて訪問にあたる必要があると思います。

以前に聞いた話ですが、ご家族に確認したいことがあって、普段は入らないお部屋を覗いたらゴミの山になっていたことがあるそうです。
見なかったふりをしてそそくさと帰って、事業所から電話をしたそうですが…。出くわさなくて本当に良かったと言っていました。その場で出会っていたら気まずいですものね…。

ご家族との直接のふれあいも「訪問看護業務」です

訪問看護は、利用者様の看護がメインの仕事ですが、それ以外にご家族が期待されることもあります。それは日頃の愚痴や介護の不安を聞いて欲しいとか、話し相手になって欲しいというものです。

中には看護師が玄関に入ったとたんにマシンガンの如くお喋りが止まらない方もいらっしゃいます。普段、閉鎖された自宅の中で話し相手も無く介護にあたっているご家族にとって、看護師は絶好の話し相手になるようです。

訪問看護師にとっては利用者様だけでなく、「介護にあたるご家族のケアも大事な仕事」ですのでストレス解消の一助としてお喋りにお付き合いすることも多くあります。
看護師に日頃のうっぷんを晴らして頂いてまた介護への意欲を保持して頂けるのなら結構なことですよね。

利用者様宅の「鍵」の扱いには注意しましょう

独居の方のお宅を訪問する際などに、お預かりした鍵を使って玄関を開けて入ることがあります。
鍵をお預かりする際には証明書を発行して控えをご家族にお渡しして鍵の所在を明らかにしてご家族に納得して頂く形にしています。

以前、他の事業所で一部のスタッフが勝手に合鍵を作っていて問題になりました。ご家族は信頼して鍵を預けて下さっているのに…。その事業所はヘルパーさんが自宅から直に現場に向かう形をとっていて、利用者様の訪問が1日3回だったそうです。

1回目の訪問に出かけたヘルパーさんはそのまま他のお宅に行くので2回目の訪問に行くヘルパーさんは鍵を受け取ることができないからと自分が使う分を勝手にお店で作ってしまったそうです。

鍵が2本必要なら許可を得るべきですし万一落としたり、訪問が終わって鍵を返却した場合にスタッフの手元に合い鍵が残るのは問題となります。
防犯上、大切な物を預かっているという自覚が大切です。

訪問看護師がご家族から信頼を得るということ

改めて言いますが、訪問看護を行う際に何より大事なことは「利用者様やご家族と信頼関係を築くこと」です。

・誠実にケアを行い、ご家族の不安を無くすように配慮すること。
・許可された部屋以外に立ち入らないこと。
・家のルールに沿って行動すること。
・ご家族の介護方法を頭から否定せず、ご家族の思いに寄り添った助言をすること。

信頼を得るとはこちらが一方的になれなれしくするのとは全く違います。
「親しき仲にも礼儀あり」です。

長いお付き合いをしているうちに本当の家族か、友人のように接して下さる方が大半ですが中にはそうでない方もいらっしゃいます。見分けるのは大変難しいのですけど。

特に最初のうちは、看護師個人の話題に終始しないように注意しましょう。それを心から楽しんでくださるご家族もいらっしゃいますが、反面、快く思わない方も少なからずいらっしゃいます。
表面上はにこやかだったご家族から後でクレームが来るという、こわ~い話もあります。あくまで良識を持つことが大事です。

ケアについて助言させて頂く場合、信頼関係を築けた場合と築けなかった場合とでは同じ事をお話してもご家族の反応は全く違います。
要は「何を言ったか」ではなくて「誰が言ったか」になるのです。信頼される看護師になれるよう留意しましょう。

ポイントは誠実な言動と地道な努力で信頼を得ることです

長く訪問を重ねるうちにご家族から信頼され、親しくお話ができるようになったり、介護が楽になったと言われた時は嬉しく思います。
そうなるまでには誠実な言動と地道な努力しかないと思います。

ここだけの話、看護師とご家族との相性も確かにあるのですけどね。

writer
cocoa

看護師になって30数年。大学病院退職後、途中、育児や病気療養で中断した時期もありましたが老人病院、精神科病院、デイサービス勤務を経て8年前から訪問看護を始めました!

訪問看護における「家族看護」とは?訪問看護師が考えるポイント3つ|訪問看護の基礎知識

2016.11.09

訪問看護師が利用者さんご家族と良い関係を築くために大切な3つの視点|訪問看護の基礎知識

2016.10.12

【無料公開中】人気記事を資料にまとめました!

資料ダウンロード「感染予防」