訪問看護と病院の仕事はここが違う!看護師の立場とご家族・患者様との関わり方|訪問看護の基礎知識

病院と訪問看護の違い、それは看護師としての立場と関わり方と言えます。

病院は出来上がった設備とルールの中に患者さまを迎え入れます。

それに対して、訪問看護は在宅療養者のお宅の設備や人間関係の中に看護師側が入っていきます。また、介護の中心はご家族です。そのためご家族の介護の質向上の援助も大切な仕事となります。

訪問看護師は病院に比べより専門職として期待されます

病院と訪問看護では医療者の関わり度合いが決定的に違います。
病院では医療者と常に触れあった生活をしていますが、在宅療養者は定期的な医師の診察があるというものの、その頻度は病院とは比べ物にならないほど短時間です。

その為、在宅療養生活を送る方達にとって訪問看護師のように頻回に訪問してケアや相談にあたってくれる存在があるというのは心強いものです。訪問看護師は常に医療者としての目を持って利用者様の状態を観察をするとともに医師やケアマネージャーとも連携を取って必要時は迅速な対処をする必要があります。

また、看護師は基本的に1人で業務を行うため、手技や判断を1人でする必要があります。身近に相談できるスタッフがいないという不安はありますが、携帯電話等で上司や主治医に相談することはできるので、トラブルの際にも冷静に対処することが大切です。

訪問看護では介護にあたる方によって質が決まります

病院では24時間、医療者が治療や看護にあたりますが、在宅療養者の介護にあたるのは基本的にご家族です。様々な福祉サービスを利用されていても、ご家族が介護の中心であることは違いありません。そのため、介護者の介護レベルによって在宅療養生活の質は大きく変わってきます。介護が適切に行われているかチェックし、時には助言したり、利用者様はもちろん、介護者の心配ごとなどの相談に乗ったり、介護者自身の健康状態などに留意する必要もあります。些細な世間話の中にも介護者からのSOSが隠れている場合もあるので、こまめに声かけをすることも大切です。

訪問看護師は利用者宅のルールに従う必要があります

病院は設備が整っており、ケアに必要な物品や後片付けも統一されています。

それに対して、訪問看護は利用者様のお宅でケアを行いますので病院のような設備はありません。浴室、洗面所、トイレ、キッチン等、ご家族が日常使用されている場所をお借りして看護ケアを行うことになります。

明らかに衛生面や安全面等で問題がある場合は助言しますが、必要物品の保管場所、片付けや使用後の物品の扱い方には、それぞれのご家庭のルールに従って行います。利用者様宅の生活を必要以上に乱さない配慮も必要です。

訪問看護は利用者様の意向が強く反映されます

病院は、患者さまが治療に専念する場所で、病院のルールに患者さまが従って頂く形になりますが、訪問看護は在宅療養されている利用者様のお宅に伺って看護業務をします。そのため、自然と利用者様のペースに合わせる形になることが多く、主導権も利用者様やご家族の意向が強く反映される傾向があります。

もちろん、医療者として助言させて頂く場面もそれなりにあるのですが万一トラブルなどあれば最悪の場合は事業所を変更される恐れもあります。もちろん、信頼関係を確立できていればそこまで関係が悪化することは避けられるのですが。

訪問看護も病院介護も「看護の精神」は同じです!

医療制度改正によって、長期入院ができなくなった患者さまは次々に在宅療養に移行されました。3世帯同居も珍しくなかった時代とは違い、核家族が大半を占める現代では介護による家族の負担は増していて、子が仕事を辞めて親の介護にあたるとか、老夫婦がお互いの介護にあたる老老介護のご家庭も多くあり、医療者として身近な訪問看護はその大きな助けになっていることは間違いありません。

同じ看護師でも病院勤務とは微妙に立場の違う訪問看護師ですが基本的な看護の精神に違いはありません。病院には病院の良さが、在宅には在宅の良さがあります。これからも在宅療養者の数は増えていくでしょう。しかし、どんなところで働いていても看護師としての役割をきちんと果たしていくことが看護師としての誇りです。

writer
cocoa

看護師になって30数年。大学病院退職後、途中、育児や病気療養で中断した時期もありましたが老人病院、精神科病院、デイサービス勤務を経て8年前から訪問看護を始めました!

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