排痰・吸引|訪問看護の基礎知識・処置別スキル

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訪問看護では、様々な処置に立ち会う場面があります。

今回は、正しい吸引について焦点を当て紹介していきます。

在宅における排痰・吸引の必要な場面とはどういった時なのか。また、効率の良い吸引について解説します。

呼吸を正しくアセスメントする|訪問看護の処置別スキル

呼吸とは、言うまでもなく生命の維持に必要不可欠なものです。その呼吸が正常に維持できない時に吸引を行うのですが、これは、一時的な気道確保ということを念頭においてください。

呼吸の観察は、回数・深さ・リズムに重点を置きますが、それぞれ意味合いがあります。

呼吸の回数・深さは、脳橋や延髄にある呼吸中枢が影響しています。それぞれ吸気・呼気とに分かれ、吸気は、横隔膜の沈下によってなされ、呼気は内肋間筋・腹壁などの収縮によって行われています。

呼吸の回数の異常か、深さの異常か。またその両方か。これを見極めることが重要です。
肺での酸素化が悪いのか?酸素を充分に取り込めてないのか?また喀痰が喀出できていないのか。チアノーゼが出ていないか。きちんとアセスメントしてから必要な場合にのみ吸引は行うようにします。

吸引は、利用者さんにとって大変負担であることを認識する

吸引をされる利用者はとても苦痛です。

例えば吸引を15秒するとします。自分が風邪をひいて呼吸がしんどい時に、息を吐いてから15秒息を止めてみることを想像すると分かると思います。
呼吸困難もしくは、排痰できずにいるために吸引をするのですから、同じ状態だと言えます。

文献には、吸引時の痛みは、最高を10とした場合、3,94とあります。
しかも、痛みだけでなく吸引をすることで様々な呼吸器合併症循環器合併症を引き起こす可能性もあります。

吸引ミスが深刻な合併症を引き起こす可能性もある

呼吸器合併症とは、低酸素血症・無気肺・気胸・気道内感染・喘息用スパズムなどです。
また、循環器系の合併症も引き起こす可能性があり、こちらの方が重症化することが多く、危険です。

不整脈の出現から心筋虚血。胸腔内圧上昇より静脈還流量の低下。さらには心拍出量の低下・血圧低下し最悪の場合心停止することもあります。

呼吸を楽にするため、排痰を促す吸引をしているのに、これらの合併症を招いては意味がありません。そのためにも正しい吸引を学ぶことが必要です。

正しい排痰・吸引法を理解することが必要

昔、タッピングという方法で痰をはがすといった方法が主流にありましたが、現在は行いません。ただ痛いだけで効果がないからです。

排痰を促すには、口腔内・気道内の湿度体位ドレナージです。

聴診器で喀痰の位置を確認し、痰を主気管支まで重力によって移動させてから吸引することが最も重要です。

喀痰の位置が主気管支より上部に来るよう体位を整え、呼気に合わせて、肋間を下へ下げて呼吸の補助を行うことで痰が主気管支に集まります。

吸引は、あくまで気道浄化・気道クリアランスをはかるために行うので、先ほどの体位ドレナージ(肺理学療法)を足すことで吸引の回数は随分減少します。

そして吸引する方法ですが、吸引器と吸引管をつなぎ、吸引管の先端を親指で閉じ吸引圧を設定します。
吸引圧は口腔内吸引で13~26kPaもしくは、100~200mmHg。気管内吸引で20kPa以下もしくは、150mmHg以下で行います。

吸引カテーテルは、気管分岐部に当たらないように2cmほど手前まで挿入し、閉じていた親指を開放し陰圧をかけながら引き戻します。
挿入から引き戻すまでの時間は20秒以内。吸引している時間は10秒以内にします。口腔内の吸引は舌下もしくは、奥歯の奥あたりに留置します。

安全に喀痰排出を促し、利用者の苦痛を減らす。無駄な吸引はしない。

吸引とは、安全に利用者の呼吸のサポートをすることです。しかし、時によって不必要な吸引は利用者の苦痛を生み出すことにもつながる行為です。

正しい排痰を促し、効果的な吸引をすることで、安楽な生活が送れるよう援助することが大切です。

<ライタープロフィール>
Medicalcreat
看護師歴15年(男)
10年間は京都の急性期病院勤務 循環器。手術室。カテーテル室勤務
京都在住中に訪問介護事業所開設 講義・技術演習を行う。

10年間の節目に5年間東京の急性期病院勤務 脳外科。ICU勤務。
母の癌闘病の為、東京の病院を退社し介護を担う。

 

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