【訪問看護師・ヘルパーの必須知識】高齢者の熱中症対策|訪問看護の基礎知識

熱中症を正しく理解してその対処法を知っておくことは大切です。水分もただ摂るのではなく正しく摂取することによってはじめて効果があがります。

経口補水液OS-1との正しい付き合い方も知っておきましょう。

訪問看護利用者から熱中症患者が毎年出ている不思議

訪問看護において、夏場は高齢者の熱中症対策は最重要な問題です。
夏になると毎年、熱中症の危険性と予防法が叫ばれているにもかかわらず、今年も多くの方が熱中症になっています。なぜでしょうか?

それは「自分は熱中症になんてならない」という根拠のない自信と熱中症を正しく理解していないことに尽きると思います。

特に高齢者は、加齢によって温度に対する感覚や口渇の感覚が鈍くなっていることに加えて、今までの経験上、自分の身体を過信する傾向があるようです。
実際、高齢者の幼少時は、現在より涼しかったので、それでも良かったのかもしれません。しかし、現在は昔とは比べ物にならない程、全国的に気温が上がっているのを知るべきでしょう。かつては贅沢品と言われたエアコンは今や必需品なのですから。

熱中症の症状別対処方法

■ 眩暈、失神、手足のしびれ
涼しい場所で身体を冷やし、水分、塩分を摂りましょう。

■ 吐き気、嘔吐、頭痛、強い倦怠感
水分を自力で摂れない状態であれば病院へ移送しましょう。

■ 意識消失、けいれん等
急いで救急車を呼びましょう。

熱中症の予防法としては定期的な水分補給と適切な室温調節を心がけることが原則です。

上手な水分補給の方法

熱中症の予防方法として水分補給が大切なのは言うまでもありませんが、一度に大量に飲んでも意味がないことはご存知でしょうか?

夏の炎天下で長時間、水分も摂らずに農作業をしていて、終わってから一気に麦茶をがぶ飲み。その後、お昼寝していたら 吐き気、眩暈が起こり、意識不明になってしまったという話も聞きます。

また、喉の渇きを感じた頃には既に危ないとさえ言われています。定期的に水分補給するのが理想的です。
目安としては食事を除いて1500ml/日程度が基本となりますが、もちろん気温や発汗等によってはこの限りではありません。

高齢者の飲み物は冷たい物よりは常温の物の方がおススメです。冷たい飲み物は消化器を冷やし、それを温める為に身体中の水分が消化器に集中してしまうので、2次的に脱水を引き起こす可能性があるからです。

水分補給は利用者様はもちろんですが、スタッフにも大切なことです。夏は水筒やペットボトルを訪問先へ携行しましょう。訪問看護では入浴介助などでたっぷり汗をかきます。必ず水分補給を心がけましょう。

経口補水液OS-1の正しい摂取方法

CMでは経口補水液OS-1を脱水や熱中症に積極的に飲むように勧めています。
確かに中程度以上の脱水症では、水分だけでなく相応の塩分も必要になりますから、OS-1は最適です。
しかしその一方で、 OS-1さえ飲んでいれば大丈夫という間違った考えをする方も増えているようです。

そもそも、 OS-1は医師の指示のもと使うべきものです。
OS-1には大量の塩分が含まれているので、高血圧や心臓病、腎臓病など塩分制限が必要な方が、自己判断で大量に飲んでしまうと危険です。
また、高血圧でない方の場合でも、脱水症状があったからと大量に OS-1を飲むと、電解質バランスが崩れて下痢になり、脱水症が悪化して救急外来に運び込まれることもあるそうです。

ちなみに、通常でも500mlのボトルを1本。高血圧等の方は半分程度が適量といわれています。

水中毒という落とし穴

水中毒とは聞き慣れない言葉だと思います。
夏など、熱中症の恐れがある季節には、充分な水分を摂ることは絶対に必要ですし、コップ一杯程度を随時飲むのは理想的なので、この時期には、むやみに怖がる必要はありません。

しかし暑い季節以外の時期に、ダイエットやデトックス目的などで無理をして大量の水を一気に摂ってしまうのは問題があることを理解しておきましょう。
精神科の薬の副作用やストレスなどで異常に水分を欲しがり、際限なく水分を摂取される患者さまがいらっしゃいます。多量の水を一気に飲むとどうなるのでしょうか?

体液が薄くなり酷い時には意識を失い、死亡することさえあるのです。
2009年にアメリカで水飲みコンテストで7500mlの水を一気に飲んだ女性が死亡した事故が起こっています。

熱中症はまだ増加傾向にあるようです

高齢者や生活困窮者も増加しておりこれからも熱中症は増加していくと思われます。
熱中症とその対処方法を正しく理解してこれからのケアと指導に努めていきましょう。

writer
cocoa

看護師になって30数年。大学病院退職後、途中、育児や病気療養で中断した時期もありましたが老人病院、精神科病院、デイサービス勤務を経て8年前から訪問看護を始めました!

夏の訪問看護の注意点〜訪問看護師が夏を恐れる理由とは〜|訪問看護の基礎知識

2016.07.28

夏場はこれが大変!4つの暑さ対策|訪問介護のあるある

2016.08.06

【無料公開中】人気記事を資料にまとめました!

資料ダウンロード「感染予防」