訪問看護師が知っておくべき在宅リハビリの知識|訪問看護の基礎知識

リハビリは廃用症候群や沈下性肺炎の予防として指示されることはよくあります。

訪問看護では特別な指示が無い場合は、看護師が利用者様に合ったメニューを作成して行います。リハビリを行う上で大事なのは利用者様の意欲をうまく引き出すことと継続的に行えるように援助することです。

訪問看護でリハビリを依頼される時

訪問看護では脳梗塞後の片麻痺がある患者さまのリハビリを主治医から指示されることがよくあります。
訪問リハビリは、廃用症候群や嚥下性肺炎の予防目的で依頼され、現状維持を目指すケースがほとんどです。ただ、ご家族の中には積極的な回復を願う方も多くいらっしゃって、訪問看護とは別に訪問リハビリを依頼される場合もあります。
訪問看護と訪問リハビリは、事業所が違うこともあるので、それぞれ記録を残したり、交換日記をつけたりすることで情報の共有を図ります。

それでは、よくある訪問リハビリの具体的なケースをいくつか考えていきましょう。

身体的リハビリ(廃用症候群予防)

筋力アップを目的とした基本的なリハビリです。リハビリ中は安全に留意し、特に立位では転倒に注意します。私の事業所でよく行われていた内容を紹介します。

それぞれ各10回行います。

・仰臥位から、片足を軽く曲げ、伸ばした方の下肢を挙上して10秒保持
・両膝を曲げて揃えて立て、お尻を浮かせる
・両膝を曲げて揃え、左右に傾けて、腰をひねる
・腹部に片手を置き、手が見えるまで頭を持ち上げる
・端座位になる
・端座位のままで足踏みをする
・端座位のまま片膝を伸ばして10秒保持
・端座位のままで踵やつま先を持ちあげる
・両上肢を挙上する(耳につくまで)
・肘の屈伸をする
・グーパー。母指から順番に折っていき、グーになったら小指から広げていく
・肩の挙げおろし
・首の運動。上下、左右の片向けと向く、ぐるりと回す
・手すりに掴まって起立。スクワット
・歩行練習

内容はそれぞれの利用者様の状態によってアレンジして行います。

口腔リハビリ(沈下性肺炎予防)

それぞれ各3回行います。

・口を大きく開け、閉じる
・口を閉じ、頬を膨らませたり閉じたり
・口を閉じ、唇を尖らせたり、横に引き伸ばしたり
(できない時は、「うー」「いー」と言って貰う
・舌を思い切り出してひっこめる
・舌を左右の口唇の端から出す
・舌を上下に動かす
・肩と首の運動をする
・「パ」の発音をしてもらう

最初はゆっくり、徐々に速く。
「タ」「カ」「ラ」も同様に。
内容は利用者様の状態によってアレンジして行います。

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2017.03.28

訪問看護でリハビリをする事の問題点

訪問看護師が訪問すると「さあ、リハビリを始めるぞ」と気持ちの切り替えができる方は良いのですが、普段の生活をしている自宅では緊張感が無く、看護師が来ただけでは気持ちの切り替えができなくて、やる気の出ない方もいらっしゃいます。

リハビリを勧めても面倒がったり、不機嫌になってしまう方をその気にさせるのは看護師の腕の見せ所です。長くお付き合いしていると「やる気になるキーワード」が判るようになります。言葉は悪いですが、うまくおだててその気にさせることが大事です。

声かけも単調ではなく、メリハリをつけて、うまくできた時には、すかさず褒めます。褒めるってホントに大切です。気をつけたいのは見え見えのお世辞ではなく、実際にできていることを具体的に褒めることです。褒める時は心から褒めましょう。

訪問リハビリも当然、継続が大事です

リハビリは継続することが大切です。訪問看護でリハビリのために毎日訪問できるお宅はめったにありません。大抵は週に1~2回程度です。
できれば、訪問の無い日にも自主的に行って頂きたいところなのですが普段の生活の中でリハビリを取り入れることは利用者様自身の意欲がなくてはできません。強制してしまっては訪問看護事態が嫌になってしまう場合もあるので難しいところです。

writer
cocoa

看護師になって30数年。大学病院退職後、途中、育児や病気療養で中断した時期もありましたが老人病院、精神科病院、デイサービス勤務を経て8年前から訪問看護を始めました!

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