在宅医療で訪問看護を受けられる頻度や時間とは|在宅医療・訪問看護の基礎知識

訪問看護をしていると、「訪看(訪問看護)さんって、週に何回くらいまで来てもらえるの?」と訊かれることがよくあります。

原則毎日訪問可能ではあるのですが、実際には利用料も含め、その頻度や時間数はその方が利用できる保険が介護保険か医療保険かによって大きく異なります。

そこで、今回は主に保険の利用で割安に利用できる2種類の訪問看護について、訪問を受けられる頻度や時間の違いを解説していきます。

(2016年10月時点)

介護保険の訪問看護の場合|在宅医療・訪問看護の基礎知識

介護保険で訪問看護を利用される場合、実は制度上、特に回数に制限はありません。ケアマネージャーや家族の方と相談の上、ケアプラン内であれば毎日複数回でも訪問することが可能です。

ただし、介護保険で利用する場合は、要介護区分によって保険適応となる支給限度額が決まっています。
その限度額内のサービス利用であれば1〜2割負担で利用できますが、限度額を超えてしまった分については全額自己負担となります。

介護保険での訪問看護を利用される方は、できる限りこの限度額内でおさまるようケアプランが立てられるため、現実には毎日複数回利用する、という方はよほど経済的にゆとりのある方でない限りはないでしょう。
(基本的に、身体状態の悪化から頻回訪問が必要となればケアマネージャーへ相談し、要介護区分の見直しや医療保険の適応を検討します。)

また、1回あたりの訪問時間については明確な区分があり、1回の訪問につき「20分未満」「30分未満」「30分以上60分未満」「60分以上90分未満」の4種類。
もちろん時間が長くなるほど利用料が高くなります。
(この他、特例として「特別管理加算」という気管カニューレや点滴などの特別な処置や観察が必要な対象者については90分以上の訪問も認められています。)

ちなみに、訪問看護から行う訪問リハビリ(理学療法士や作業療法士による)については20分を1単位として週に6単位までが限度とされており、「40分を週3回」、「60分を週2回」などのように、うまく時間と回数を工夫して利用されています。

医療保険の訪問看護の場合

医療保険で訪問看護を利用できる方の場合、訪問看護の利用回数は基本的に週3回までとなっています。1回の訪問時間については「30〜90分まで」が基本ですが、介護保険同様、一定条件を満たす対象者には90分以上の長時間訪問看護も可能です。
(実例:超重症児の利用者に対し、児の両親がそのきょうだいのお遊戯会を見にいくために、その間3時間訪問看護師が自宅で児とともに留守番して看る…など)

なお、医療保険での訪問看護の大きな特徴として、

①厚生労働大臣が認める状態等
②厚生労働大臣が定める疾患等
③急性増悪時(特別指示書が交付される場合)

のいずれかに該当する場合については毎日かつ1日複数回の訪問が認められています。

「そんなに毎日何回も来てもらったらすごい額になるんじゃ…?」という心配の声もあるかと思いますが、医療保険の訪問看護の場合は、介護保険と異なり利用額には上限がありません。むしろ、自己負担額に上限があるため、一定の額を越えればどれだけ利用しても自己負担額は同額ですみます。(←お得!)

医療保険で訪問看護を利用する方法|在宅医療の基礎知識

2016年10月5日

保険適応外の場合(自費での訪問看護)

ちなみに、あまり巷で知られていない利用の仕方ではありますが、介護・医療どちらの保険にも適応しない訪問看護というものもあります。

保険を利用しての訪問となると、どうしても何かしらの制約が生じることが多くあります。特に長時間の訪問や、居宅以外への訪問は、ステーションとしては人の手配や収支の面を考えても難しいところがあります。

しかし、自費での訪問看護の場合はそんな制約にしばられず、どこでも、利用者の希望に応じて訪問看護を利用いただけます。
例えば、医療的ケアが必要な児童に対し修学旅行の付き添い(宿泊)をしたり、末期がんの利用者の家族旅行や外出(買い物・冠婚葬祭などなんでも)の付き添いをしたりと、年齢や疾患問わず看護の手が必要な場合ならばどんなケースでも対応可能です。

ただし、もちろん「自費」での利用とはいえ、利用料は単純に前述までの介護保険・医療保険での利用料(1〜3割負担)が10割負担になったのではありません。
自費での訪問看護(”プライベート看護”や”オプション”などとされているもの)の利用料は各事業所独自で設定されるため、利用を検討される際はまず各ステーションに詳細確認を。

<まとめ> 訪問看護は実は敷居が低くて使い勝手の良いサービス

こうしてみてみると、「訪問看護ってこんなに利用できるんだ!」と思われる方も多いのではないでしょうか?
保険制度によっては条件がついているケースもありますが、比較的融通のきくところが訪問看護の長所でもあります。

一般の方が思われている以上に、実は敷居のひくい訪問看護。利用しようか迷っている方がいたら、ぜひ背中を押してあげましょう。

writer
chocola

現在看護師8年目。大学病院の内科病棟に配属され、うち2年間は夜勤専従看護師として勤務。結婚と同時に退職し、現在は訪問看護師として勤務。

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