訪問看護ステーションのオンコール対応の実際|在宅医療の基礎知識

「オンコール」とは、訪問看護における『ナースコール』。24時間365日、呼ばれたときには必要に応じていつでも対応する必要があります。

では、訪問看護ステーションでは実際にどのようにオンコールに対応しているのでしょうか?

今回は各ステーションが取っているオンコール対応の実際をのぞいてみましょう!

訪問看護ステーションでのオンコール(ケータイ)当番って?|在宅医療の基礎知識

『オンコール』とは、医師や手術室担当看護師ならわりと馴染みの勤務体系のひとつです。
携帯電話やPHSを決まった時間持って(主に業務時間外)、利用者や家族からの要請があれば対応します。

オンコールとは?|訪問看護の基礎知識

2016.10.18

またこの間、夜勤や宿直とは異なり、特定の場所に待機している必要はありません。もちろん、当番であっても携帯電話(またはPHS)が鳴らなければ特に何をしていてもOKです。

ただし、当然のことながら、何かあれば時間に関係なく訪問しなければならないため、すぐに訪問できる程度の距離にはいないといけません。(大抵、皆さん自宅かその付近で待機されていることが多いようです)

一見、『夜勤や宿直よりも楽そう』と思われるかもしれませんが、それは誤解です!病院での夜勤や宿直というと確かに拘束時間も長く、やることも多いので体力的にも辛いものがありますが、訪問看護のオンコールにはそれ以上の大変さがあります。

オンコールは1人で対応することが基本

そう、何と言ってもオンコールは一人で対応することが大変です。当然たった1人の看護師が何十人というすべての利用者の方のことを100%把握しておくことは不可能です。

そのため、いざという時の対応にも電話のみでの対処で問題ないか、もしくは訪問したほうがよいか、など、どう対応するか慎重にかつ適切にアセスメントすることが求められます。

しかも、もちろんかかってくる電話は1件だけとは限りません。次々と呼ばれることもあれば、対照的に全く呼ばれない日もあります。
しかし、どちらにしてもいつ呼ばれてもよいように心の状態をキープするのは、やはり特別な緊張感を伴うものであり、決して楽なものではないのです。

頻度や担当はステーションの○○による!

さて、そんな大変なオンコールですから、一応手当は出るとはいえ、誰もが好き好んで引き受けたいとは思いがたいもの…。

ですが、その当番があたる頻度や、誰にあたるかはステーションによってルールはさまざまです。

たとえば、日本の訪問看護ステーションは、常勤換算5人未満の小規模ステーションが約半数を占めているのですが、そんな小規模事業所では実際の常勤は2〜3名で、その他はパートのスタッフ…。
オンコールは常勤だけでまわしている、もしくは所長がすべてオンコールは対応するというところが多いようです。

ちなみに、もしコールが重なった場合、急を要するときには他の常勤スタッフ(事前にもし何か呼ばれたら対応可能か確認した上で)に振るところもあります。

一方、常勤換算10人以上の大規模事業所になると、当然スタッフの数が多いため、常勤だけで順番にオンコール当番を引き受けても大体月に3〜4回ほどと(※ステーションによります)、負担感も前者ほどではないと聞きます。

もちろん、大規模事業所になるほど利用者数も多いため、コール数自体も多いかもしれませんが、それでも毎晩いつ呼ばれるか分からない生活よりは、随分気も体力的にも楽なのではないでしょうか。

ちなみに、こうした現状から24時間対応体制を取っていない(取れない)小規模事業所も多くあります。その場合、依頼件数にも影響しますので、もちろん経営にも影響が…。
そして、経営状態が悪化すればスタッフへの福利厚生にもダメージが及び、さらにスタッフが減っていく…という負の連鎖に悩まされることも。

オンコール当番の後は…?

これも事業所によってさまざまです。たとえば私が知る小規模事業所の場合は所長がすべてのコールを取りますが、夜間に看取りがあった場合など、長時間動きっぱなしだったときは、翌日申し送りが済んだら半日〜1日休みをとるなど、柔軟に勤務を調整しています。

休みを取るまではできなくても、交代できる訪問があれば他のスタッフで対応するなど、お互いにカバーしあう、それは小規模―大規模問わず行われている配慮であり、病院とはちがったフレックス体制といえるでしょう。

24時間365日対応は、大変だけど重要なこと

なんだか大変さばかりが前面に出てしまいましたが…24時間365日対応する、というのは本当に大変なんです!

ですが、オンコール体制はそれ自体が利用者・家族の安心材料のひとつ。
こんな風に各事業所でさまざまな大変さはありますが、それでもそれぞれ工夫して無理のないようにオンコール体制を組み、利用者・家族の生活を支えています。

とはいえ、コールが鳴らない日が1日でも多くあるよう、日ごろからより質の高い看護を提供していけるように頑張りましょう!(オンコール当番さんのためにも!)

writer
chocola

現在看護師8年目。大学病院の内科病棟に配属され、うち2年間は夜勤専従看護師として勤務。結婚と同時に退職し、現在は訪問看護師として勤務。

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