訪問看護の対象になる患者さんはどんな人たち?|訪問看護の基礎知識

訪問看護の対象となる患者さんは、多くが介護保険や医療保険を利用されることから、高齢者が多くいらっしゃいます。

疾患別では、脳梗塞後の片マヒの方や、特定疾患の方、ターミナルの方が多いようです。

訪問看護の利用者様の例~私の事業所の場合~

訪問看護は、介護保険や医療保険を使っての依頼が大半です。
介護保険は40歳~65歳なら特定疾患があって介護認定で要介護か要支援。
65歳以上なら介護認定で要支援か要介護の方。
以上の事情から、私の事業所では、利用者様は「高齢者」が大半です。疾患別では1番多いのは脳梗塞後の方、次に多いのはALS、パーキンソン、多発性硬化症等の特定疾患の方、老衰、悪性腫瘍のターミナルという順になります。
他に、精神疾患を持った方や、医療的な援助を必要とする小児に対応している事業所もありますが、一般的な事業所では対応していないところが多いようです。

脳梗塞後の後遺症のある方からのご依頼が多い

訪問看護の依頼で最も多いのが、脳梗塞後の後遺症で片マヒがある方です。
目的としては、再梗塞のチェックなど一般状態の観察と、全身管理、廃用症候群の予防のためのリハビリが主になります。訪問時、快くケアに応じたり、リハビリに励んでくださる方が大半なのですが、自分の身体が思うように動かせないイライラが募っていたり、二次的に認知症を併発したために、理解力が低下したりして働きかけに応じて頂けない方もいらっしゃいます。患者様の自尊心を傷つけないように配慮してケアに臨むのですが、時には不機嫌になって、暴力を振るって遠ざけようとされる方もいらっしゃいます。
マヒのある方は毎日のリハビリが大事なのですが、訪問の無い日にはそれも難しいようです。そのために、徐々に運動機能が低下したり、再梗塞を起こして寝たきりになってしまう方もいらっしゃいます。

特定疾患の方からのご依頼にも備える必要がある

ALSやパーキンソンなどの特定疾患の方もまた多くいらっしゃいます。
ALSでは徐々に筋力低下がみられながらも自力で生活されている方もいらっしゃいますし、レスピレーターを装着して寝たきりの方もいらっしゃいます。ALSはマヒが始まる部位が個々に違うので、ケアや、対応の仕方も様々です。ほとんどの方は意識はしっかりしていらっしゃるので、手足の位置や角度、布団のかかり具合等、細かい要求にも極力答えるように配慮しています。
パーキンソンでは日によって身体の動きに差があったり、内服する時刻がずれたり、薬が合わなくなったりで動けなくなるようなこともあります。
訪問時はその時の調子を見ながらケアをすすめていく必要があります。

悪性腫瘍のターミナル(終末期看護)

悪性腫瘍などで、「もう治療効果が期待できない」と医師から宣告を受けた場合、
「最期はホスピスではなく、自宅で過ごしたい」という患者様の意志を尊重して、病院から自宅療養へ移行されるご家族も増えています。状態によって訪問回数を増やしていき、最期の時を迎える際には、病院に戻るのか否かを確認しておきます。
また、鎮痛目的で、麻薬を使ったパッチ等を使用することもありますのでご家族に充分説明するなど、取り扱いには注意が必要です。
極力苦痛緩和に留意して最期を迎える時まで穏やかに過ごして頂けるよう配慮します。

訪問看護のその他(精神病、小児)のケース

精神疾患のある方への訪問は、近所の方に知られないようにとの気遣いも大事です。
事業所の名前の入った車両を使わない、近所の方に訪問の目的を聞かれても答えないなど。
訪問時は症状に変化は無いか、通常の生活がちゃんと送れているかを中心に観察します。
表情や、会話の内容、清潔や栄養状態、服薬が確実になされているかなどチェックしたり、服薬カレンダーに内服薬をセットしたりなどします。小児の場合は、本人の状態に変化が無いかを見るのはもちろんですが、保護者の方の状態も大切です。悩み事など些細なことでも相談に乗って解決していくようにします。

訪問看護では様々なご家庭を訪問します

訪問看護の対象となる患者様は様々で、求められるものはそれぞれ違いますが、在宅で快適な療養生活を送るという目的は同じです。
訪問看護師は全ての患者様とご家族が安心できるようにケアやアドバイスをさしあげられるようにしたいものです。
writer
cocoa

看護師になって30数年。大学病院退職後、途中、育児や病気療養で中断した時期もありましたが老人病院、精神科病院、デイサービス勤務を経て8年前から訪問看護を始めました!

訪問看護のサービス内容と制度|訪問介護の基礎知識

2016.06.07

訪問看護におけるターミナルケア(終末期看護)の概要|訪問看護の基礎知識

2016.10.04

【無料公開中】人気記事を資料にまとめました!

資料ダウンロード「感染予防」