【最新厚労省情報 5月23日号】中医協において「療養病棟入院基本料」について議論される

チーム医療推進協議会前代表・中央社会保険医療協議会元専門委員の北村善明氏による、これだけは押さえておきたい厚労省発信情報の解説コラムです。

今回のテーマは、療養病棟入院基本料についてのニュースです。

 

中医協において「療養病棟入院基本料」について議論される

平成29年4月26日に開催された中央社会保険医療協議会(中医協)総会において、平成30年度診療報酬改定に向けた議題の一つの、「入院医療」のうち療養病棟入院基本料が議論されました。

厚生労働省事務局は、入院医療の「療養病棟入院基本料」の課題として以下の点を挙げ、論点についての提案が行われました。

その中で議論としては、平成30年度の診療報酬改定に向けた医療療養病棟の評価の在り方について、在宅医療を担う診療所と連携した看取りの支援機能確保、高齢者の機能維持に関するリハビリテーションや退院支援の推進についてが評価されました。

現状の課題

1 .医療の提供体制

・病床数は微増、平均在院日数及び病床利用率は微減傾向。

・療養病棟入院基本料の届出病床数は横ばいから微増傾向、療養1は増加、療養2は減少。平均在院日数は療養1の方が長い。

・療養病棟の看護職員配置については、基準より多く配置されている病棟が多い。約2割の病棟で、看護要員以外の職員を配置している。

2 .患者の状態と医療内容

・年齢階級別の患者割合をみると、80歳以上の割合が増加傾向で、平成26年では6割を超える。疾患別の構成割合の推移をみると、認知症は横ばい、悪性新生物、骨折、呼吸器系の疾患が微増傾向。療養1については、療養2に比べ、ADL区分の高い患者や、認知症がある患者、死亡退院した患者の割合が多い。

・医療区分別の患者割合をみると、療養1では医療区分2・3の該当患者割合が増加傾向、療養2では、減少傾向。

・入院料区分別にみると、疾患、医療処置は大きな差はないが、転帰をみると、療養1の方が死亡退院の割合が高く、40%を超えている。

・退院支援スタッフ等を配置している病棟では、配置していない病棟と比べ、在宅復帰率が高い傾向。

・看取りの状況をみると、療養病棟においても、看取りやターミナルケアを行っているが、個別に看取り計画を立てている医療療養病床は約35%。

3 .医療費の分析

・療養病棟入院基本料の全体の算定回数は横ばいで推移。一般病床が過半数の病院より、療養病床が過半数の病院の方が、医業収入は低いが経常利益は高い。

4 .主な改定の経緯と検討状況

・療養病棟入院基本料は、平成12年に包括評価された入院料として創設され、平成18年に患者分類(医療区分)による報酬設定が導入された。

・「療養病床の在り方等に関する特別部会」にて、療養病棟入院基本料2については、より医療の必要性が高い慢性期患者に対して適切な入院医療を提供する観点等から、中医協において検討することが適当とされている。

今後の論点

療養病棟については、今後の患者の増加や医療ニーズの高度化が見込まれる中で、必要な医療が提供できる体制を確保できるように次の点でどのように考えるか

① 療養病棟における高齢者の機能維持に係るリハビリテーションや退院支援の推進

② 在宅医療を担う診療所と連携し、患者や家族の意思を尊重した看取りを支援する機能の確保に資する評価のあり方について

療養病棟入院基本料2を含め、療養病棟の入院患者の状態に応じた適切な入院医療の評価のあり方等については、今後まとまる調査結果やその分析を踏まえて、引き続き、議論することとしてはどうか。

writer

北村 善明

チーム医療推進協議会前代表・中央社会保険医療協議会元専門委員

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