【最新厚労省情報 11月28日号ー3】中医協にて一般病棟入院基本料~重症度、医療・看護必要度の項目の見直し~が議論される

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チーム医療推進協議会元代表・中央社会保険医療協議会元専門委員の北村善明氏による、これだけは押さえておきたい厚労省発信情報の解説コラムです。

今回のテーマは、「中医協にて議論された一般病棟入院基本料~重症度、医療・看護必要度の項目の見直し~」についてのニュースです。

平成29年11月24日開催の中央社会保険医療協議会において、30年度診療報酬改定の大きな焦点の一つである一般病棟入院基本料(7対1、10対1)の評価の「重症度、医療・看護必要度」の項目並びに該当患者割合の基準値について議論されました。

一般病棟入院基本料については、

  1. 重症度、医療・看護必要度の項目の見直し
  2. DPCデータの活用
  3. 一般病棟入院基本料(7対1、10対1)の評価手法の見直し

について、それぞれのデータを示したうえ、課題と論点が示されました。

一般病棟入院基本料(7対1、10対1)

【課題】

《重症度、医療・看護必要度の項目の見直し》

  • 7対1一般病棟に認知症の患者は13%、せん妄(術後以外)症状を有する患者は2.7%であった。
  • B項目の「診療・療養上の指示が通じる」もしくは「危険行動」に該当する患者について、身体抑制ありの患者のうち、全評価日でA項目が1点以上に該当する患者が多く、医師の診察や指示の見直しの頻度、直接看護の提供頻度も上昇していた。
  • 入院経路別の入棟中の患者の医療的な状態をみると、状態が不安定である患者の割合は「緊急入院(緊急用の自動車又は救 急医療用ヘリコプター)」の患者が最も多いが、それ以外の緊急入院患者でも一定の割合を占めていた。
  • DPCデータによる分析に用いたマスタを用いてC項目の対象日数と退院日との関係をみると、該当患者のうち所定日数未満に 退院した患者は、「18 開腹手術(5日間)」では該当患者の17.0%、「17 開胸手術(7日間)」では10.4%を占めた。

 

《DPCデータの活用》

重症度、医療・看護必要度の判定(Hファイル)とDPCデータのマスタに基づく判定(EFファイル判定)の該当患者割合の差を項目別にみると、主にA項目での差が大きく、その理由として、

  • 「創傷処置」等に対応する請求項目は、医療機関においてEFファイルに入力していない可能性
  • 「点滴ライン同時3本以上の管理」等については、重症度、医療・看護必要度の定義と請求における規定とがずれているため
  • 薬剤については、処方日と実際に投与した日とがずれている可能性
  • 「全身麻酔・脊椎麻酔の手術」については、現場の入力の際、他の手術項目とあわせて入力されている可能性 等が考えられた。
  •  医療機関ごとの該当患者割合をみると、現行の該当患者割合の平均は28.8%、DPCデータでの該当患者割合は33.5%であっ た。
  • 上記の定義について見直し、追加分析を行った結果、DPCデータでの該当患者割合は23.3%であった。

 

《一般病棟入院基本料(7対1、10対1)の評価手法の見直し》

  • 入院医療ニーズは、より高い医療資源の投入が必要な医療ニーズは減少し、中程度の医療資源の投入が必要な医療ニーズが増加すると考えられる。
  • 入院医療の提供は、病室、病棟、病院に大別される。さらに、診療報酬の管理単位として、同じ種類の病棟、例えば、一般病棟入院基本料といった分類がある。診療報酬は、管理単位で見たときの平均の医療資源投入量に応じた評価となっているが、実際の医療提供では、管理単位内の病棟で均一に配置されるのではなく、患者の状態に応じて、病棟の職員は傾斜して、配置されている。
  • 入院医療の評価の基本的な考え方としては、医療ニーズに応じて適切に医療資源を投入することが、効果的・効率的な入院医療の提供とって重要と考えられる。
  • 7対1と10対1の一般病棟入院基本料について、重症度、医療・看護必要度の該当患者割合の評価方法を比較すると、7対1一般病棟では、施設基準の基準値で評価されているが、10対1一般病棟では、看護必要度加算での段階的な評価となっている。
  • 入院基本料の施設基準と、看護必要度に応じた加算とでは、評価項目(指標)の活用方法が異なっている。評価項目(指標)の特性に応じた評価手法を選択することが望ましいと考えられる。
  • 地域の医療ニーズ(変動要素)に応じてより適切な医療提供を進める上では、入院基本料(基本的要素)の報酬設定は、傾斜配 置も加味した上で必要となる平均的な資源投入となる水準とし、診療実績に応じた段階的な評価との組み合わせで評価とすることが、医療ニーズと資源投入とのバランスをとる上で望ましいと考えられる。

 

一般病棟入院基本料(7対1、10対1)

【論点(案)】

《重症度、医療・看護必要度の項目の見直し》

平成28年度改定で導入された項目について、以下の3点について、より適切な評価となるよう見直しを検討してはどうか。

  1. B項目の認知症及びせん妄に関する項目について、A項目1点以上を併存する場合は該当患者に追加する
  2. A項目の救急搬送後入院(2日間)について、救急医療管理加算の算定患者(2日間)へ見直す
  3. C項目の開腹手術について、所定日数を短縮する

また、評価項目の定義の見直しの伴い、該当患者の判定基準及び該当患者割合の基準値について、どのように考えるか。

 

《DPCデータの活用》

  • 重症度、医療・看護必要度の該当患者割合のDPCデータ(EF統合ファイル)を活用した判定について、追加分析の結果を踏まえ、これまでの実績から一定の基準を満たす医療機関が希望する場合については、EF統合ファイルによる判定を用いてもよいこととしてはどうか。また、DPCデータを活用する場合、定義の違い等に考慮した基準値を設定してはどうか。
  • 7対1一般病棟と200床以上の10対1一般病棟は、DPCデータ(Hファイルを含む)の提出が要件となっていることから、Hファイルを該当患者割合の判定・確認等に活用することとしてはどうか。また、年1回の定例報告におけ る該当患者割合の提出等を、合理化の観点から省略可能としてはどうか。

 

《一般病棟入院基本料(7対1、10対1)の評価手法の見直し》

  • 将来の入院医療ニーズの変化に対応する病棟への弾力的で円滑な選択・変更を推進するため、7対1一般病棟と10対1一般病棟の現行の評価を参考にしつつ、急性期の入院医療の評価体系について、基本部分と実績に 応じた段階的な評価部分との組み合わせによる評価体系を導入してはどうか。なお、実績に応じた評価の最も高い部分には、現行の7対1一般病棟との整合性に配慮し、7対1看護職員の配置基準をそのまま適用してはどうか。
  • また、現行の7対1一般病棟と10対1一般病棟との間に中間的な水準の評価を設けてはどうか。

 

一般病棟入院基本料(7対1、10対1)についての議論について資料は、以下のURLからダウンロードできます。
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000185955.pdf

writer
北村 善明

チーム医療推進協議会前代表・中央社会保険医療協議会元専門委員

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