診療報酬・介護報酬改定。ガイドライン発表も!2018年のニュースを振り返ります!

あっという間に12月も後半に突入し、年末の忙しい時期に差し掛かってきました。というわけで、今回のテーマは「2018年のニュース振り返り」。2018年は、診療報酬と介護報酬の同時改定が実施されたほか、高齢者の医薬品適正使用やオンライン診療など、新しいガイドラインが多く発表されました。1年間の医療・介護に関するニュースと、これらのニュースにまつわる最新動向を見ていきましょう!

2018年度診療報酬改定(4月)

2018年度診療報酬改定が4月から実施されました。今回改定では、在宅医療についての評価が手厚くなったことがポイントといえます。一部をご紹介いたします。

  • 在宅患者訪問診療料(Ⅰ)

複数の医療機関による訪問診療を行った場合についての評価が見直され、依頼を受けて診察した複数の診療所も算定することが可能に。

  • 継続診療加算(在宅時医学総合管理料、施設入居時等医学総合管理料)

外来診察を行っている在宅療養支援診療所(在支診)以外の診療所が、他の医療機関との連携によってかかりつけの患者に対して、24 時間の往診体制と連絡体制を構築した場合の評価が新設。

  • 包括的支援加算

通院が特に困難と考えられる患者や、支援を必要とする患者等に訪問診療を行ったときの評価を新設。

  • 在宅ターミナルケア加算、看取り加算(在宅患者訪問診療料)

訪問診療を行っていた患者が、在宅で最期を迎えた場合に加算される。居住先が老人ホームの場合と、自宅など、老人ホーム以外の場合の2区分を新設。

→在宅ターミナルケア加算、看取り加算、死亡診断加算の算定方法については、「疑義解釈(その7)」で解説されています。

そのほかに、地域包括ケアシステムの実現に向けて、かかりつけ医の評価が充実したほか、また、オンライン診療についての加算が今回の改定で新設されました。

厚生労働省:平成30年度診療報酬改定について

【ニュース解説】診療報酬改定、ついに点数が決定!在宅医療、遠隔診療に注目して解説します

【2018年度診療報酬改定】「在宅医療」に関わる診療報酬改定の要点まとめ

2018.03.26

<今後の動向>

次回の診療報酬改定は2020年度ですが、2019年10月の消費税増税に合わせて、薬価と材料価格についての改定が行われる予定です。

厚生労働省:中央社会保険医療協議会 総会(第403回) 議事次第

2018年度介護報酬改定(4月)

2018年は、診療報酬と同時に介護報酬も改定されました。今回の改定は、以下の4点がポイントとなっています。

  • 地域包括ケアシステムの推進
  • 自立支援・重度化防止に資する質の高い介護サービスの実現
  • 多様な人材の確保と生産性の向上
  • 介護サービスの適正化・重点化を通じた制度の安定性・持続可能性の確保

「地域包括ケアシステムの推進」に関しては、看取りについての評価が手厚くなっています。

「自立支援・重度化防止に資する質の高い介護サービスの実現」に関しては、リハビリなど自立支援についての評価が見直され、要介護度の改善についてのアウトカム評価が導入されるなど、大幅な見直しが行われました。

また、訪問介護のうち、身体介護を評価する一方で、生活援助については点数が減っており、メリハリのある内容へと変化しました。

厚生労働省:平成30年度介護報酬改定について

【2018年度介護報酬改定】4月から何が変わる?改定の要点を解説します

<今後の動向>

2019年10月の消費税増に合わせ、介護報酬についても改定が行われますが、増税分の対応のほか、介護職員の処遇改善についても行われることとなりました。経験や技能のある職員を重点的に評価する仕組みとなっており、勤続10年以上の介護福祉士が多くいる職場については加算率が大きくなる方式となっています。

厚生労働省:第166回社会保障審議会介護給付費分科会(ペーパーレス)資料

【ガイドライン編①】人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン(3月改定)

2007年に制定された「終末期医療の決定プロセスに関するガイドライン」の改定版が3月に公表されました。患者本人の意思を尊重する、という方針を名称にも反映させるため、「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」に名称が変更となっています。

今回のポイントは、病院での延命治療だけでなく、在宅医療や介護の現場で活用できるような内容に改定されたこと。また、医療チームに介護職員が含まれることが明確化されました。そして、人生の最終段階の医療・ケアについて、本人が家族等や医療・ケアチームと事前に繰り返し話し合うプロセスである「アドバンス・ケア・プランニング」についての記述が盛り込まれたのも特徴です。

なお、今回の診療報酬改定で、在宅ターミナルケア加算(在宅患者訪問診療料)の算定要件に、本ガイドラインの内容を踏まえた対応を行うことが明記されました。

厚生労働省:「人生の最終段階における医療の決定プロセスに関するガイドライン」の改訂について

【ガイドライン編②】高齢者の医薬品適正使用の指針(5月)

高齢者のポリファーマシー(副作用などの害をもたらす多剤服用)を防ぎ、医薬品の適正使用を目指して、「高齢者の医薬品適正使用の指針(総論編)」が5月に発出されました。

ふらつきや転倒など、副作用と疑われる症状がみられた際には、処方の見直しを行うことが求められています。

厚生労働省:「高齢者の医薬品適正使用の指針(総論編)について」の通知発出について

<今後の動向>

5月に発出された総論編を補完する指針として、追補版(名称は未確定)の検討が現在進められています。追補版案については9月に内容が公表されていますが、ポリファーマシーにおける診療や処方の際の参考情報として、患者の療養環境ごとの留意点などがまとめられ、「外来・在宅医療」、「急性期後の回復期・慢性期の入院医療」、「その他の療養環境(介護、介護老人保健施設 等)」の3部構成となる見込みです。また、地域内での多職種連携など、地域包括ケアに関連する内容についても盛り込まれる予定となっています。

厚生労働省:第5回高齢者医薬品適正使用ガイドライン作成ワーキンググループ

【ガイドライン編③】オンライン診療の適切な実施に関する指針(3月)

2015年8月に解禁された遠隔診療についてまとめられた指針が、3月に発出されました。

これまでに明確な定義がなかった遠隔診療の呼称について、「医師-患者間において、情報通信機器を通して、患者の診察及び診断を行い、診断結果の伝達や処方等の診療行為を、リアルタイムにより行う行為」を「オンライン診療」と明言したほか、オンライン診療実施にあたっての原則や、具体的な運用についての事項がまとめられています。

そして、オンライン診療については、診療報酬に関する疑義解釈資料に算定要件の詳細がまとめられています。ガイドラインと併せて確認しましょう。

厚生労働省:「情報通信機器を用いた診療に関するガイドライン作成検討会 オンライン診療の適切な実施に関する指針」を取りまとめました

厚生労働省:疑義解釈資料の送付について(その1)

【ニュース解説】遠隔診療の新指針「オンライン診療の適切な実施に関する指針」のポイントを解説します!

<今後の動向>

オンライン診療に関連する事項として、オンライン服薬指導についても現在導入に向けて検討が進められています。服薬指導については、対面で行うことが法的に義務付けられていますが、特例として、愛知県、兵庫県養父市、福岡市でオンラインでの実施(実証実験として実施)が認められています。オンライン服薬指導が実現することとなれば、診療から薬の処方までの全てがオンラインで完結できるようになります。実証実験の結果を踏まえて、引き続き検討を進めるとのことです。

厚生労働省:厚生科学審議会 平成30年度第9回医薬品医療機器制度部会(ペーパーレス) 資料

まとめ

今回は年末ということで、1年間のニュースを振り返りました。消費税増税に伴う診療報酬・介護報酬の見直しや、ポリファーマシー防止に関するガイドラインの追補版など、今回ご紹介したニュースの今後も気になるところですね。これらのニュースの新たな動向だけでなく、医療・介護に関する気になるニュースを来年もたくさんご紹介していきますので、みなさま今後ともどうぞよろしくお願いいたします!

【無料公開中】人気記事を資料にまとめました!

資料ダウンロード「感染予防」