【ニュース振り返り】2040年の社会保障費&若年層のがん罹患率、調査結果が初公表されました!2018年5月のニュース5選

20185月に起きた医療介護のニュースをココメディカマガジン編集部が振り返ります。その中から特に気になったニュース5選をご紹介します。5月は、2040年の社会保障費についてのデータや、1539歳の若年層のがん罹患率など、今回「初公表」となる調査結果が公開されました。そんな5月のニュースを振り返ってみましょう。

 

2040年度の社会保障費、最大190兆円。社会保障給付費の推計が明らかに(5/21

内閣府は、21日に行われた経済財政諮問会議で、2040年度に社会保障給付費が最大190兆円になるという見通しを明らかにしました。2018年度の121.3兆円から6割程増加する予測です。内訳をみてみると、医療に関する社会保障給付費については、2018年度比1.7倍増の68.5兆円、介護については最も伸び率が大きく、2018年度比2.4倍の25.8兆円と試算されています。

今回取り上げられた「2040」は、団塊ジュニア世代が65歳以上となり、高齢者人口がピークを迎える年になります。65歳以上の人口が4000万人と、全人口のほぼ3人に1人を占める時期で、社会保障面での国民の負担も大きくなると考えられます。

給付額がどんどん大きくなる一方で、国民の負担は増え続けている日本。今回の試算結果を踏まえて、今後の社会保障制度の在り方について、持続性の観点での見直しが加速すると予想されます。

 

内閣府:平成30年第6回経済財政諮問会議

http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2018/0521/agenda.html

 

7次医療計画、項目策定にばらつきが。在宅医療についての取り組みが報告される(5/23

厚生労働省は、23日の「在宅医療及び医療・介護連携に関するワーキンググループ」で、4月から運用がはじまった「第7次医療計画」のうち、在宅医療に関する取組の策定状況についての報告を行いました。

今回の報告で、計画内で原則記載することとされている「訪問診療を実施している診療所・病院数」の目標について、8府県が設定していないことが明らかになりました。また、可能な限り記載することが求められている「在宅医療の4機能(退院支援、日常の療養支援、急変時の対応、看取りの4項目)」については、「日常の療養支援」を全都道府県が設定しているものの、他の項目については未設定の都道府県も多く、最も少ない「退院支援」については26道府県にとどまっています。

このように都道府県によって、策定状況にばらつきがあるのが現状で、今後厚労省は、1)「訪問診療を実施している診療所、病院に関する具体的な数値目標と、その達成に向けた施策」について、目標未設定の府県に設定を促す、(2)在宅医療・介護サービス双方のデータを把握することができる国保データベース(KDB)について、自治体が利活用できるよう支援を充実させる、(3)地域で議論していくために必要な、患者に関する情報や、今後の訪問診療の実施予定等について、都道府県が把握していくことが必要な内容等を整理する、の3点の支援を行うとの方針を示しています。

 

厚生労働省:第4回 在宅医療及び医療・介護連携に関するワーキンググループ

http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000205805.html

 

高齢者の副作用を防ぐ。「高齢者の医薬品適正使用の指針(総論編)」発出される(5/29

厚生労働省は、29日、高齢者の薬物療法を適正化するためのガイドライン「高齢者の医薬品適正使用の指針(総論編)」を公表しました。

今回発出されたこのガイドラインは、3月に実施されたパブリックコメントの結果を踏まえてまとめられた最終版で、以前公表された最終案からの大幅な変更はありません。高齢者が複数の薬を摂取することで副作用が起こる「ポリファーマシー」を防ぐため、ふらつきや転倒など、副作用と疑われる症状が見られた場合には、処方の見直しを行うよう、求められています。

また、今回発出された総論編の追補版として、詳細編が2019年以降に発表される予定です。詳細編の内容についてはこれから検討される段階ですが、外来・在宅医療編、入院医療編など、患者の療養環境によってより具体的な留意点が盛り込まれる見込みです。

 

厚生労働省:「高齢者の医薬品適正使用の指針(総論編)について」の通知発出について

http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000208848.html

厚生労働省:第7回 高齢者医薬品適正使用検討会 資料

http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000205302.html

 

「人生の最期は自宅で」、「延命より痛み緩和」の声が多数!「ホスピス・緩和ケアに関する意識調査2018」結果が公表される(5/24

日本ホスピス・緩和ケア研究振興財団は、2017年に実施した「ホスピス・緩和ケアに関する意識調査2018」の結果を発表しました。

全国の20歳から79歳までの男女1000人に対して行われたこの調査では、人生の最終段階での治療方法や過ごす場所、意思決定について話し合いを行っているかなど、終末期医療についての様々な項目が調査されました。いくつか内容をご紹介しましょう。

まず、「余命が限られている場合、自宅で過ごしたいか」という質問。全体の72.8%が自宅で過ごすことを望んでおり、そのうちの3割程度は、「自宅で過ごしたいし、実現可能だと思う」と回答しています。それに対して、「自宅で過ごしたいが、実現は難しいと思う」と回答する人の割合は前回調査と比較し大きく減少しており(2012年調査(前回):63.1%、2018年調査:41.6%)、自宅で最期を迎えることができる環境が整いつつあることが、認知されてはじめていることがうかがえます。

つづいて、人生の最終段階で受けたい治療については、治療に苦痛が伴うとしても、延命治療を希望すると回答した人が全体の10.9%であるのに対し、痛みや苦痛を取り除く緩和ケアを希望する人が58.1%を占めています。特に70代の方については、延命治療希望が5.4%に対し、緩和ケア希望が68.9%と、多くが緩和ケアを希望していることがわかります。
また、現在厚労省は終末期医療の治療方針を患者本人と家族、医療チームが都度話し合って決定することを推進しています。しかし、自分で意思決定ができなくなった際に、本人の代わりに治療方針を決定する「代理人」との話し合い状況については、57.4%が話し合ったことはないと回答しています。家族や医療従事者との話し合いを進めるためには、今後環境の整備を行う必要あると考えられます。

 

日本ホスピス・緩和ケア研究振興財団:「ホスピス・緩和ケアに関する意識調査2018年」が発行されました。

https://www.hospat.org/m_news_21.html

国立がんセンター、小児がん・若年層(AYA世代)のがん罹患率公表(5/30

国立がんセンターは、014歳の小児と、1539歳の若年層(AYA世代)のがんの罹患率を公表しました。AYA世代についてのデータは、今回が初公表となります。

今回公表されたのは、2009年から2011年の間に新たにがんと診断された小児とAYAAdolescent and Young Adult、思春期・若年成人)世代のがん罹患率で、「地域がん登録」データを活用して調査されました。

その結果、小児がん(014歳)の罹患率は、12.3で、AYA世代のがん罹患率は、15歳から19歳で14.220歳代で31.130歳代で91.1(全て人口10万人当たり)となっています。また、罹患率が高いがんの種類については、019歳で最も多いのは白血病で、2029歳で胚細胞腫瘍・性腺腫瘍(卵巣がん、精巣癌などが該当)、3039歳については乳がん、子宮頸がんが多くなっています。なお、小児がんについては、2007年に罹患率について調査が行われていますが、全体的に今回の方が罹患率が高くなっているようです。

これまで、若年層のがんについてはデータがなく、医療体制の整備も不十分である点が問題視されていました。今回の調査によって、若年層のがんの医療体制構築に役立つと考えられます。

国立がん研究センター:プレスリリース「がん情報サービス」に「小児・AYA世代のがん罹患」統計解説ページを新規掲載 小児・AYAの最新の罹患率とがん種順位も公表

https://www.ncc.go.jp/jp/information/pr_release/2018/0530/index.html

 

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