【ニュース振り返り】「予防」がポイント!政府が「全世代型社会保障への改革」とは。2018年10月前半のニュース3選

医療・介護業界で起きた最新ニュースを、ココメディカマガジン編集部がご紹介する「ニュース振り返り」。これまで月1回の更新でしたが、ご好評の声を受けて、10月からは前半・後半の2回、気になるニュース3選としてご紹介いたします!

10月前半は、政府が社会保障制度改革に重点的に取り組むことを表明したほか、スマホなどが在宅医療機器に与える影響をまとめた調査結果が公表されるなど、幅広く、濃い内容のニュースが多くみられました。早速ニュースを振り返ってみましょう!

 

キーワードは「予防」。「全世代型社会保障への改革」を目指す!未来投資会議・経済財政諮問会議が開催される(10/5)

政府は、未来投資会議と経済財政諮問会議を10月5日に開催し、成長戦略の方向性についての議論を行いました。

政権の最大のチャレンジとして「全世代型社会保障への改革」を挙げており、重点的に取り組む姿勢を示しています。

 

では、両会議でのポイントを簡単にご紹介しましょう。どちらの会議でもキーワードとなったのは「予防」です。

 

まず、未来投資会議では、平均寿命と健康寿命の差を縮めるために、糖尿病・高齢者虚弱・認知症の予防に取り組むことが、安倍首相によって明言されました。

また、次世代ヘルスケアとして、高齢者が安心して在宅で過ごせるよう、オンライン医療やIoTによる見守りサービスを組み合わせ、個人にあった医療サービスが提供する「いつでもどこでもケア」がゴールのひとつとして示されています。

 

今後のスケジュールについては、年末までに中間報告をまとめ、来年夏に今後3年間の実行計画を閣議決定するとのことです。

 

そして同日開催の経済財政諮問会議では、全世代が安心できる社会保障制度の構築に向けて、「予防・健康づくりの推進」が重点課題として挙げられています。

生活習慣病・認知症予防に向けて取り組むとしており、糖尿病腎症重症化予防にかかる埼玉県方式や、特定健診・特定保健指導事業の医師会モデルなどの生活習慣病・認知症対策を先進例として、全国に広めていくことが検討されています。

また、医療介護制度の効率化についても触れられており、後発医薬品の利用推進を積極的に行うべきと明言されました。

 

首相官邸:平成30年10月5日 未来投資会議

https://www.kantei.go.jp/jp/98_abe/actions/201810/04mirai.html

首相官邸:未来投資会議(第19回) 配布資料

http://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/miraitoshikaigi/dai19/index.html

内閣府:経済財政諮問会議 平成30年第12回会議資料

http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2018/1005/agenda.html

 

介護保険サービスと保険外サービス。混合介護の提供ルールが明確化される(9/28)

厚生労働省は、介護保険サービスと保険外サービスを組み合わせて提供する「混合介護」について、ルールを整理した通知を発出しました。

 

混合介護については、平成11年に厚労省が発出した通知で、介護保険給付の対象となる指定訪問介護のサービスと明確に区分して提供することが必要であることが明示されています。今回の通知についても同様の事項が示されていますが、より詳細に説明されています。

 

例えば、これまでの通知では、契約締結時の利用者に対する保険外サービスの説明方法について、特段の指定はありませんでしたが、文書で丁寧に説明することが明記されました。

そのほかに、契約前後に利用者のケアマネージャーに、保険外サービスの内容などを報告することや、保険内・外サービスの切り替えのタイミングで利用者に丁寧に説明すること、訪問介護と保険外サービスの会計を区別することが求められています。また、保険外サービスを受ける利用者からの苦情を受け付ける窓口を設置するよう、通達されています。

 

それでは、混合介護として提供可能な例として、今回示された具体例をみてみましょう。

まず、訪問介護については、草むしりや、ペットの世話、 訪問介護として外出支援をした後、利用者の趣味や娯楽のために立ち寄る場所に同行することが一例として挙げられています。また、通所介護については、事業所内において、理美容サービスや健康診断、予防接種・採血を行うことなどが該当します。

訪問介護での同居人へのサービスについては、訪問介護の前後や提供時間の合間に、部屋の掃除、買い物のサービスを提供することが認められていますが、同時提供は認められていません。例えば、料理の場合、利用者と同居人の分をまとめて作ることはできません。

 

このような保険内・外サービスの同時提供のほか、特定の介護職員を指名する指名料、繁忙期・繁忙時間帯の時間指定料として上乗せ料金を徴収することについては、これまで通り認められないことが明記されています。

 

厚生労働省:介護保険サービスと保険外サービスを組み合わせて提供する場合の取扱いについて

https://www.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T181003R0020.pdf

 

在宅医療機器がスマートフォンから受ける影響とは。総務省、「電波の植込み型医療機器及び在宅医療機器等への影響に関する調査等」報告書を公表(9/28)

総務省は、平成29年度「電波の植込み型医療機器及び在宅医療機器等への影響に関する調査等」報告書を公表しました。

今回の調査では、携帯電話などの電波を発する機器が在宅医療機器に与える影響についてまとめられており、調査に用いられた在宅医療機器25台のうち、9台が何かしらの影響を受けたとされています。

厚生労働省は、各都道府県に周知を呼び掛けています。

 

医療機器は、不具合が生じたときのリスクの高さによって、クラスⅠ(リスクが極めて低い)からⅣ(リスクが生じたときに、生命の危険に直結する可能性がある)までの4段階に分かれています。

今回の調査では日本で利用台数が多い、汎用輸液ポンプ、成人用人工呼吸器などの、クラスⅡ、Ⅲに該当する機器25台が使用されました。

 

調査では、携帯電話やスマートフォン、タブレット端末が出す電波と同じ周波数帯(700MHz 帯、800MH 帯、900MHz 帯、1.5GHz 帯、1.7GHz 帯、2GHz 帯)の電波の下で、在宅医療機器を使用して、影響の有無について確認しています。

 

その結果、携帯電話・スマートフォンの実機を用いた実験時に影響があったのは9台で、異音が発生するなどの小さな不具合のほか、患者の病態に悪影響を与える可能性のある不具合も見られました。

一例をあげると、成人用人工呼吸器については、「自発呼吸の誤検知。呼吸回数が増加し続けアラームが鳴り、その後も呼吸回数は増加し続ける」といった、重大な不具合が発生しています。

 

ただし、今回、リスクが高い不具合が見られた成人用人工呼吸器と二相式気道陽圧ユニットについては、添付文書や取扱説明書で電波についての注意喚起が既になされています。

 

今後、利用の際に具体的にどれぐらいの距離を離すべきか、医療従事者、患者への周知を行う必要があるほか、医療従事者が設置環境を考慮する、患者と家族へ適切な使用を呼び掛ける、などの取り組みが大切であるとまとめられています。

 

厚生労働省:総務省による平成 29 年度「電波の植込み型医療機器及び在宅医療機器等への影響に関する調査等」報告書について

https://www.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T181001I0060.pdf

総務省:電波の植込み型医療機器等への影響の調査研究

http://www.tele.soumu.go.jp/j/sys/ele/seitai/chis/

 

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