【ニュース振り返り】団塊ジュニア世代が高齢者になる時の社会保障制度とは!? 2018年10月後半のニュース3選

医療・介護業界で起きた最新ニュースを、ココメディカマガジン編集部がご紹介する「ニュース振り返り」。
10月後半は、政府が団塊ジュニア世代の高齢化に向けたプロジェクトチームを設置したほか、医師の時間外労働についての調査結果が明らかになりました。早速ニュースを振り返ってみましょう!

次は2040年がターゲット。「2040年を展望した社会保障・働き方改革本部」が設置される(10/22)

厚生労働省は、1022日に「2040年を展望した社会保障・働き方改革本部」を設置し、高齢者の就労や健康寿命延伸に向けた政策の検討を始めましました。2040年は、団塊ジュニア世代が高齢者となるタイミングで、高齢者の増加と同時に現役世代の人口減少が問題視されています。

今回設置された改革本部にはプロジェクトチームが設けられておりますが、「健康寿命延伸」、「医療・福祉サービス改革」、「高齢者雇用」、「地域共生」の4つのタスクフォースで編成されており、今後はこれらの課題について検討が進められます。

今回、今後の取り組みとしてまとめられた事項について少しご紹介しましょう。

一つ目は「多様な就労・社会参加の環境整備」で、高齢者の雇用と年金制度についてまとめられています。70歳までの雇用機会確保を図るほか、個人の働き方に合わせた年金制度の見直しや、個人型確定拠出年金(イデコ、iDeCo)といった私的年金の拡充について検討を進めます。

二つ目は、「健康寿命の延伸」で、生活習慣病の発症・重症化予防のため、医学的管理と運動・栄養等のプログラムを医療機関や民間の事業者が一体的に提供することを目指しています。民間の事業者として、スポーツジムやインストラクターとの提携を新たに模索していくとのことです。そのほかにフレイルや認知症対策など、介護面での対策も、取り組みの一つとして挙げられています。

三つ目は、「医療・福祉サービスの改革による生産性の向上」で、ロボット、AIICTなどを現場で実用化を目指すことが明記されています。また、シニア世代を介護、看護、保育の現場で雇用するなど、シニア層の人材活用についても検討される予定です。

また、引き続き議論を行う課題として、「給付と負担の見直し等による社会保障の持続可能性の確保」も挙げられています。そして、これらの課題のうち、「健康寿命の延伸」と「医療・福祉サービスの改革による生産性の向上」については、来年夏に目標と、2025年までの工程表がまとめられる予定です。

 

厚生労働省:第12040年を展望した社会保障・働き方改革本部 資料

https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000101520_00001.html

 

過労死ライン以上の時間外労働は医師の2割超に。「平成30年版の過労死等防止対策白書」が公表される(10/30

厚生労働省は、30日に平成30年版の過労死等防止対策白書を公表しました。1か月間の時間外労働が100時間以上となった医師は全体の12.4%、80時間以上は20.4%を占めており、長時間労働の実態が明らかになりました。

今回の報告では、重点業種・職種として、医師、看護師、介護職員、保育士など医療・介護現場での報告がまとめられています。医師については、全国の4000の病院(有効回答 1078 件)で勤務する医師20255人が回答しました。

まず、時間外労働時間(時間外労働・休日労働)については、過労死ラインを超える1か月80時間超の医師について、該当者がいない(37.2%)との回答が最も多く、「1人以上5人未満」(11.4%)、「5人以上10人未満」(3.6%)と続きます。また、100時間超についても、該当者がいない(44.6%)との回答が最も多く、次いで「1人以上5人未満」(7.7%)、「5人以上10人未満」(2.1%)となっています。いずれも4割程度は該当者なしと結果ですが、一方で時間外労働が100時間以上となったのは12.4%、80時間以上は20.4%と、相当数の医師が長時間労働を強いられていることがわかります。

また、勤務時間が終了しても病院から早く退出できない、または勤務開始時間よりも早く出勤する理由は、「診断書やカルテ等の書類作成のため」と、「救急や入院患者の緊急対応のため」が6割程度となっています。「患者(家族)への説明対応のため」との回答も半数以上となっています。

そして、今回の調査では、過重労働防止のために必要だと感じる取組みについても回答がまとめられています。「医師を増員する」(57.6%)が最も多かったほか、医師の事務作業を補助する「医療クラークを増員する」(49.0%)も上位に挙がっています。医療現場、事務の両面で人手不足が深刻であることが伺えます。

医師の働き方については、厚生労働省が「医師の働き方改革に関する検討会」を開催し、現在検討を進めています。今後、どのような施策がまとめられるか、注目する必要があるでしょう。

 

厚生労働省:過労死等防止対策白書

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000138529.html

 

風疹患者、1486人に。首都圏での流行続く(10/24

国立感染症研究所は、1024日時点で、2018年の風疹患者数が1486人になったことを公表しました。2017年(93人)と比較すると、既に16倍程の患者数となっており、引き続き注意が必要な状況が続いています。

都道府県別では、東京都が最多で、千葉県、神奈川県、埼玉県など首都圏で特に患者数が多くなっていますが、最新の状況(42週のみ)では、愛知県、大阪府、福岡県の伸びが大きくなっており、全国的な流行が懸念されています。また、年齢、性別別では、30代、40代の男性の患者数が圧倒的に多くなっています。

風疹は、風疹ウイルスによって引き起こされるウイルス性の感染症で、感染後2~3週間の潜伏期間を経て、発熱、発疹、リンパ節の腫れといった症状が現れます。感染力が非常に強いのが特徴で、予防にはワクチンによる予防接種が最も有効であるといわれています。

特に注意が必要なのは、妊娠初期(妊娠20週頃まで)の妊婦。妊婦が風疹ウイルスに感染すると、胎児が先天性風疹症候群にかかり、難聴・白内障・先天性心疾患といった障がいが残ってしまう可能性があります。男女ともにきちんと予防接種を受けて抗体を取得することが、感染予防において何よりも大切です。

今回の流行を受けて、東京都では、これまで妊娠を希望する女性のみが対象だった抗体検査について、同居者まで検査対象を広げたほか、徳島県などが補助を拡大することを決定しました。厚労省も来年度から、30歳以上60歳未満の男性を対象に、通常5000円程度かかる検査費用を全額公費で負担することを発表しています。

 

国立感染症研究所:風疹 発生動向調査

http://www.niid.go.jp/niid/ja/rubella-m-111/rubella-top/700-idsc/2131-rubella-doko.html

厚生労働省:風しんについて

https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/rubella/

 

【無料公開中】人気記事を資料にまとめました!

資料ダウンロード「感染予防」