【ニュース振り返り】介護職員の処遇改善、2019年10月に実施。2018年11月後半のニュース3選

医療・介護業界で起きた最新ニュースを、ココメディカマガジン編集部がご紹介する「ニュース振り返り」。

11月後半は、2019年10月に消費税増税と同時に行われる介護職員の処遇改善について、より具体的な案が提示されたほか、オンライン服薬指導の実現に向けた議論が行われました。早速ニュースを振り返ってみましょう!

 

介護職員の処遇改善、2019年10月に実施(11/22)

厚生労働省は、11月22日に開催された社会保障審議会介護給付費分科会で、介護職員の処遇改善についての議論を行いました。

介護サービス事業所で、勤続年数10年以上の介護福祉士に対して、月額平均8万円相当の処遇改善を行うことを算定根拠とし、公費1000億円程度を投じるとのことです。

消費税率引き上げに合わせて、2019年10月から加算を実施する予定となっています。

 

政府は、2009年度の介護報酬改定から介護職員の処遇改善を開始し、2017年度には処遇改善を主目的とした臨時の介護報酬改定を行っています。

そして、2017年12閣議決定した「新しい経済政策パッケージ」では、介護人材の確保を「最大の課題」とし、「介護材確保のための取組をより層進めるため、経験・技能のある職員に重点化を図りながら、介護職員の更なる処遇改善を進める」ことを明言しています。

 

政府が処遇改善に注力するのには、介護にあたる人材の確保が非常に困難であることが背景にあります。

「新しい経済政策パッケージ」では、2020年代初頭までに、施設などで50万分の介護の受け⽫を整える必要があるとし、2020年度末には約216万2025年度末には約245万⼈の介護職員が必要となると概算しています。しかし、厚労省によると、2016年度時点での介護職員の数は約190万人。まだまだ人材が足りないことがわかります。

介護職が他の産業と比べて賃金が低いなどの理由で、職員があまり定着しないことや、採用が困難であることが人手不足の原因と考えられており、政府は介護現場で長く働くことができる環境づくりや処遇改善に取り組んでいるのです。

 

今回の処遇改善では、経験や技能のある職員を重点的に評価し、これらの介護職員が多いサービスが高く評価される形式を導入するほか、経験や技能のある介護職員だけでなく、介護助手やリハビリに関する職種、看護職など、他職種への加算についても、施設の裁量で柔軟に決めることができるようにすることが提案されています。

また、より具体的な運用方法として、介護職員を最優先とし、他職種への適用については一定の傾斜を設定することや、処遇加算は賃金改善にのみ充てることについても検討されています。

 

厚生労働省:第165回社会保障審議会介護給付費分科会(ペーパーレス)資料

https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000202420_00010.html

内閣府:新しい経済政策パッケージ

https://www5.cao.go.jp/keizai1/package/20171208_package.pdf

風疹患者数2160人に。りんご病の流行も拡大(11/21)

風疹の流行が続いています。11月18日までに報告された風疹患者累積報告数は2,186 人で、2013 年、2012 年に次いで 3 番目に多い水準となっていることが国立感染症研究所の報告で明らかになりました。

 

都道府県別の患者数は、東京都(763人)、千葉県(310人)、神奈川県(295人)、埼玉県(147人)、愛知県(100人)が特に多くなっており、大阪府、福岡県でも急増しています。

流行は全国に拡大しており、現在、青森県、高知県、大分県以外の全ての都道府県で感染が報告されています。

 

流行の中心となっているのは、30~40代の男性

この世代は、風疹ワクチンの定期接種対象となっていなかった世代(1979年4月1日以前に生まれた男性)と、1回のみ定期接種対象となった世代(1962年度〜1989年年度生まれの女性、1979年度〜1989年度生まれの男性)であり、抗体保有率が特に低く、流行が拡大したと考えられます。

 

厚労省は、30~50代男性の抗体検査の無料化について、今年度中に対応する方針を既に示していますが、同世代に対するワクチン接種についても、今年度中の無料化を検討しています。

 

また、伝染性紅斑(りんご病)も流行しています。11月18日時点での患者数は1921人で、昨年の同時期と比較して非常に多くなっていることがわかりました。

伝染性紅斑は、小児に多く見られるウイルス性の感染症で、10〜20日の潜伏期間の後、頬や腕、足にレース状の紅い発疹が現れることが特徴です。それ以外に発熱、倦怠感などの症状がみられます。

 

成人が感染した場合、関節痛や頭痛などの症状がみられることがありますが、症状が現れないケースも多くみられます。また、風疹と同様に、妊婦が伝染性紅斑に感染すると、流産や胎児水腫などの合併症を引き起こすこともあることから、特に注意が必要です。

 

国立感染症研究所:風疹急増に関する緊急情報(2018年)

https://www.niid.go.jp/niid/ja/rubella-m-111/rubella-top/2145-rubella-related/8278-rubella1808.html

国立感染症研究所:伝染性紅斑とは

https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/443-5th-disease.html

オンライン服薬指導が実現可能になる?対面指導の見直しが検討される(11/22)

22日に開催された医薬品医療機器制度部会で、対面が義務化されている服薬指導について、オンラインでの対応可否についての議論が行われました。

オンライン服薬指導が実現すれば、診察から服薬指導、薬の処方までオンラインで完結できるようになり、患者の利便性が向上することとなります。

 

服薬指導は、薬剤師法で対面で行うことが義務付けられており、オンラインでの服薬指導は基本的に認められていません。

現在、特例として、愛知県、兵庫県養父市、福岡市の一部で実証実験としてオンライン服薬指導を実施しています(登録薬局数:21件、患者数:6名(2018年11月時点))。

 

一方、オンライン診療については、初診は対面が原則、糖尿病などの生活習慣病や慢性疾患にのみ保険適用されるといった条件はあるものの、既に利用が解禁されています。

2018年度の診療報酬改定ではオンライン診療を評価する加算要件が設定され、政府が普及を後押ししています。

また、薬の処方については、処方せんの電子化が既に認められており、オンライン診療に対応しています。

 

このように、現状では服薬指導以外の診療行為はオンラインで対応可、服薬指導はオンライン不可と、両者で整合性が取られていません。

これにより、オンライン診療を受けた場合でも、オンラインのみでは診察を完結できない、という課題が指摘されていました。

 

今回提案されたのは、テレビ電話などで適切な服薬指導が行われる場合については、例外としてオンラインの服薬指導を認める、という考え方。

服薬指導を行う場所については、これまでの薬局や自宅以外に職場を追加する方針も示されています。

具体的な内容については、実証実験の結果を踏まえて検討を進めていくとのことです。

 

厚生労働省:厚生科学審議会 平成30年度第9回医薬品医療機器制度部会(ペーパーレス) 資料

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_02430.html

 

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