【ニュース振り返り】介護予防・フレイル対策の新たな取り組み。ポイントは「地域」! 2018年12月前半のニュース3選

医療・介護業界で起きた最新ニュースを、ココメディカマガジン編集部がご紹介する「ニュース振り返り」。

12月前半は、介護予防・フレイル対策の新たな取り組みとして、「地域の場」を活用する新事業が提案されたほか、かかりつけ薬局の認知度についての調査結果が公表されました。早速ニュースを振り返ってみましょう!

地域の通いの場で介護予防・フレイル対策をー「高齢者の保健事業と介護予防の一体的な実施」について報告書が公表される(12/6)

厚生労働省は、12月6日に開催された社会保障審議会医療保険部会で、高齢者の保健事業と介護予防の一体的な実施についての検討状況を報告しました。これまで有識者会議で検討が進められてきた、介護予防・フレイル対策を実施する新たな取り組みについて、地域の通いの場を活用した事業が提案されました。

フレイルは加齢とともに、心身の活力(例えば筋力や認知機能等)が低下し、生活機能障害、要介護状態、そして死亡などの危険性が高くなった状態のことで、要介護状態に至る前段階として位置付けられています。フレイルと、生活習慣病の重症化などによる、健康状態の悪化には相関があることが明らかになっており、生活習慣病の重症化予防と、フレイル対策に注力する方針を厚労省は示しています。

しかし、高齢者の保健事業については、生活習慣病の早期発見に向けた検診が中心となっており、重症化予防やフレイル対策については、一部の自治体のみが実施しているというのが現状です。そこで、高齢者の介護予防、フレイル対策の新たな枠組みの構築を目指し、有識者会議で9月から検討が進められてきました。

今回報告書でまとめられたのは、保健事業・介護予防事業を一体化させた新事業を、地域の通いの場を活用し、運営すること。利用者にとって身近な存在である市町村が運営主体となることが提案されています。地域の通いの場で健康相談や栄養指導を行うことで、高齢者に積極的かつ気軽に健康づくりに取り組んでもらうことや、必要に応じてかかりつけ医などの医療機関を紹介し、適切な医療サービスにつなげることを目指しています。

またフレイル対策において、もう一つ大切なポイントは「社会への参加」。身体機能が低下すると外出が難しくなることから、社会からも孤立しやすくなり、フレイルに陥るきっかけになるといわれています。日常生活の拠点となる場を活用することで、フレイル予防の一環として高齢者に積極的に社会参加してもらうことも可能になるわけですね。


厚生労働省:第116回社会保障審議会医療保険部会

https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000208525_00007.html

「健康サポート薬局」、9割超が「知らない」と回答―日本薬剤師会の調査結果公表される(11/29)

日本薬剤師会は、2018年9月に実施した「健康サポートと薬剤師に関する意識調査」の結果を公表しました。「健康サポート薬局」について、「知らない」と回答した人が92%と大部分を占めており、特に北海道・東北地方で認知度の低さが目立ちました。今後の普及が課題となります。

「健康サポート薬局」は、2016年に導入され、かかりつけ薬剤師・薬局の基本的な機能を備えた上で、地域住民の健康維持・増進を積極的に支援する薬局のこと。薬剤師の実務経験についての規定や、プライバシーに配慮した相談スペースの設置といった施設面での要件など、厚生労働省の基準を満たしたうえで、都道府県知事に届出を行う必要があります。

具体的には、処方せんよって処方される医薬品だけでなく、一般用医薬品や健康食品の使用についての相談や、介護や食事・栄養摂取など健康の維持・増進に関する相談を受け付けたり、必要に応じてかかりつけ医や、地域包括支援センターなど、適切な専門職種に紹介したりと、地域住民の健康を幅広く支援しています。

今回の日本薬剤師会の調査では、全国の20歳~79歳の男女1,000名が回答しており、「健康サポート薬局」について「知らない」と回答した人が92%と大部分を占めていることがわかりました。地域別では、北海道・東北地方が特に低く、「知っている」と回答したのはわずか5.4%となっています。

一方、「健康サポート薬局を使いたいと思いますか」という質問に対しては、「そう思う」と回答した人の割合は51.3%と半数以上を占める結果となりました。今後の認知度が高まれば、健康サポート薬局の利用が広がるのではないかと考えられます。

医療だけでなく、介護や健康に関する多職種連携の拠点でもある健康サポート薬局。地域の健康を守る存在として、今後の活用が期待されます。


日本薬剤師会:ニュースリリース「健康サポートと薬剤師に関する意識調査」

https://www.nichiyaku.or.jp/assets/uploads/pr-activity/PressRelease_20181129.pdf

インフルエンザ、全国的な流行始まる(12/14)

国立感染症研究所は、2018年第49週(12月3日~12月9日)のインフルエンザの定点当たり報告数を公表しました。報告数は1.70(患者報告数8,438)で、流行開始の指標となる1.00を今シーズンで初めて上回ったことがわかりました。インフルエンザの全国的な流行は、例年11月末から12月にかけて開始することが多く、今シーズンについても例年とほぼ同じ時期に流行が始まったといえます。

都道府県別にみてみると、香川県(4.00)が最多となっており、北海道(3.96)、愛知県(3.43)、和歌山県(2.90)と続きます。43都道府県で、前週より報告数が増加していますが、特に北海道については一部の地域で警報レベルを超える流行が始まっており、注意が必要です。また、休校、学級閉鎖、学年閉鎖の報告数も291と、前週と比較して3倍近く増加したことが明らかになっています。

インフルエンザの流行のピークは、例年通りであれば1月末から2月上旬に迎えることとなります。感染予防には咳エチケット(患者自身がマスクを着用し、咳をする際にはティッシュやハンカチで口を覆うなどの対応を行うこと)、手洗いが有効です。シーズンが終わるまでこれらの予防策を徹底することが大切です。


厚生労働省:インフルエンザの発生状況について(12/14)

https://www.mhlw.go.jp/content/000454254.pdf

国立感染症研究所:IDWR 2018年第45号<注目すべき感染症> インフルエンザ

https://www.niid.go.jp/niid/ja/flu-m/flutoppage/591-idsc/idwr-topic/8445-idwrc-1845.html

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