【ニュース振り返り】終末期がん患者の苦痛について初の調査結果が公表されるー2018年12月後半のニュース3選

新年あけましておめでとうございます。ココメディカマガジンは、本年も皆様に役立つ情報や、医療・介護業界の動向を発信してまいります。どうぞよろしくお願いいたします!

新年早々ではありますが…まずは2018年12月の医療・介護業界で起きたニュースを振り返りましょう。12月後半は、終末期のがん患者の身体的・精神的な苦痛についての、初の全国調査結果が報告されたほか、外来診療所の偏在解消に向けた新たな指標の作成が提案されるなど、新たな動向が見られました。それでは早速ニュースを振り返ってみましょう!

終末期のがん患者の身体的・精神的苦痛について、初の全国調査結果が公表(12/26)

国立がん研究センターは、終末期のがん患者の苦痛や療養状況に関する実態調査の結果を公表しました。

終末期のがん患者の療養状況について、全国的な調査が行われたのは、今回が初めてとなります。

今回実施された調査は、厚生労働省の委託事業として、国立がん研究センターが実施したもので、2016年の人口動態調査の中で、「がん」「心疾患」「脳血管疾患」「肺炎」「腎不全」のいずれかの病気によって亡くなった患者4812名の遺族(有効回答2295名)に対して行われました。

その結果、全ての疾患で3割程度の患者が、死亡前の1カ月間、痛みや身体的・精神的な苦痛を感じて過ごしていたことがわかりました。特にがん患者については、亡くなる1週間前の症状として、痛みがひどい/とてもひどいとの回答が約3割を占めたほか、多くの患者が食欲不振や体重減少といった様々な症状に苦しんでいる実態が明らかになりました。

一方で、患者の苦痛に対して、医療者が速やかに対応していたかについては、全ての疾患において7~8割程度が対応していたと回答しており、亡くなられた場所での医療に対する満足度についても、6~7割程度が満足と回答しています。

また、病院と比較して、施設や自宅で過ごす場合の方が、痛みが少なく、穏やかに過ごすことができる割合が高い傾向にあることも、この調査で明らかになりました。自宅で介護者と過ごせることや、住み慣れた環境であること、家族や友人と自由に過ごすことができるなどの要因が背景にあると考えられます。

今回の調査は予備調査という位置づけで、約5万人を対象とした、より規模の大きな調査を2019年に改めて実施される予定です。緩和ケアの見直しや、ケアの質の向上につながる重要な報告であるといえるでしょう。

国立研究開発法人 国立がん研究センター:プレスリリース「がん患者の人生の最終段階における苦痛や療養状況に関する初めての全国的な実態調査の結果を公表」

https://www.ncc.go.jp/jp/information/pr_release/2018/1226/index.html

外来医師が多い地域で新規開業する診療所、「在宅医療」、「初期救急医療」などの機能が必要に(12/26)

厚生労働省は、12月26日の医療従事者の需給に関する検討会で、外来医師が多い地区で診療所を新規開業する場合、「在宅医療」、「初期救急医療」など地域医療の機能を求める方針を明らかにしました。

現在、外来を担当する診療所は、場所の制限なく自由に開業することができます。その結果、新規開業する診療所が都市部に集中しており、診療所が不足する地域との間で格差が生じているのが現状です。

そこで今回の検討会では、外来医療機能の偏在・不足などについての、客観的な指標を作成し、新規開業を希望する医師に向けて発信することが提案されました。

2018年9月にまとめられた「新たな医師偏在指標」を参考とした内容で、既に指標として利用されている人口10万人当たりの医師数に、地域ごとの性・年齢階級による外来受療率の違いを反映させた指標となる見込みです。

この指標を活用することで、診療所が集中して開設されている地域を避けることができ、新規開設すべき場所の判断がしやすくなると考えられます。

そして、外来医師が多い地域とみなされた地域で、診療所を新規開業する場合には、「在宅医療」、「救急医療」、「公衆衛生(学校医、産業医、予防接種など)」などの地域医療を担う役割が求められることとなります。特に、高齢者の救急搬送に対応する「救急医療」、診療所数が増加している「在宅医療」については必要性が高いとのことです。

これらの機能については、新規開業時に提出する届出書に、「地域で定める不足医療機能を担うことを合意する」と記載する欄が設けられる予定です。また、合意しない場合には、外来医療の偏在対策について具体的に協議する協議会への出席が必要となります。

医療従事者の需給に関する検討会 医師需給分科会(第26回)

https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000208863_00008.html

認知症、「予防」の観点から対策をー認知症施策推進関係閣僚会議、初開催される(12/25)

政府は12月25日に、認知症施策推進関係閣僚会議の第一回会議を開催しました。4人に1人が認知症といわれる中、政府と関係省庁が連携して対策に取り組む必要があるとして、今回の会議が設けられました。5~6月ごろに大綱がまとめられる予定です。

2015年に策定された新オレンジプランは、認知症の高齢者との「共生」がキーワード。

認知症の人の意思が尊重され、できる限り住み慣れた地域で自分らしく暮らし続けることができるよう、認知症への理解を深めるための普及・啓発の推進や、容態に応じた適切な医療・介護等の提供を行うことが求められています。

具体的には、認知症に関する正しい知識と理解を持ち、地域や職域で認知症の人や家族に対してできる範囲での手助けをする「認知症サポーター」の養成や、認知症の人やその家族が地域の方や専門家と適切な情報共有を行う「認知症カフェ」の設置が推進されています。

しかし、新オレンジプランでは、認知症予防に向けた対策は行われておらず、経済財政諮問会議などで、対策が必要であることが指摘されていました。

そこで今回の会議で、これまでに実施してきた「共生」に加えて、「予防」の観点での対策を実施する方針が示されました。

予防面の対策について、具体的なものはまだ提示されていませんが、今回の会議では、日本医療研究開発機構(AMED)が支援する認知症に関する研究開発の推進や実用化などが言及されました。

首相官邸:認知症施策推進関係閣僚会議

https://www.kantei.go.jp/jp/singi/ninchisho_kaigi/

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