【ニュース振り返り】がん患者の罹患状況について、初の全国統計が公表されるー2019年1月前半のニュース3選

ココメディカマガジン編集部が、気になる医療・介護業界のニュースをピックアップする「ニュース振り返り」。2019年1月前半は、全国がん登録を活用した新規がん患者の罹患状況について、初の全国的な統計結果が報告されたほか、消防庁による救急搬送の現況についての最新動向が明らかに。興味深い統計データが多く公表された1月前半のニュースを早速振り返りましょう!

2016年の新規がん患者、99.5万人に。初の全国調査結果が公表される(1/16)

厚生労働省は、2016年の「全国がん登録」のデータを集計した統計結果を発表しました。2016年に新たにがんと診断された患者数は約99.5万人で、男性が約56.6万人、女性が約42.8万人となりました。

部位別では、大腸がん(158,127人、15.9%)が最も多く、胃(134,650人、13.5%)、肺(125,454人、12.6)と続きます。また、男性のトップは胃(92,691人、16.4%)で、次いで前立腺(89,717人、15.8%)となりますが、女性の最多は乳房(94,848人,22.1%)で、大腸(68,476人、16.0%)続く形となります。

次に、年齢ごとの罹患率についてご紹介します。男女とも50歳代くらいから増加しており、高齢になるにつれて罹患率が高くなることがわかっています。また、50歳代以降比較的なだらかに増加するのに対し、男性は60歳代以降急激に増加していることが明らかになりました。

年齢と部位の関係については、男性は40歳代から60歳代前半ごろまでは胃、大腸などの消化器系のがんが多い一方で、65歳以上になると前立腺がん、肺がんの罹患者数が増加する傾向が見られました。女性については、40歳代から60歳代については乳房、子宮がんが多くなっていますが、高齢になるとともに消化器系、肺がんが増加していきます。年齢によって罹患部位が変化していくだけでなく、性別による違いもみられるようです。

「全国がん登録」は、がん患者の罹患、診療、転帰などについての情報を国(国立がん研究センター)のデータベースに記録、保存する制度のことで、2016年1月に導入されました。導入以前は、協力可能な医療機関が任意で都道府県に報告するのみであったのに対し、「全国がん登録」では医療機関の国への報告が義務付けられたため、より正確な情報が把握できるようになりました。

今回の統計は、全国がん登録のデータを利用した初めての報告となっており、今後のがん対策に役立てられる予定です。

厚生労働省:がん登録

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/gan/gan_toroku.html

国立がん研究センター がん情報サービス:最新がん統計

https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/summary.html

医師の労働時間上限、2024年から「年960時間以内・月100時間未満」に(1/11)

厚生労働省は、11日に開催された「医師の働き方改革に関する検討会」で、2024年に適用される医師の労働時間の上限規定について、休日労働込みの時間外労働の上限を年960時間以内・月100時間未満にとすることで検討を進めていることを明らかにしました。

また、地域医療に従事する医療機関については、特例として1,900~2,000時間程度を上限とする方向性を示しています。

現在、医師の長時間労働を解消するために、労働時間の上限の設定について検討が進められています。その結果、2019年4月から施行される改正労働基準法の36条(いわゆる36協定)で定められた水準(月45時間、年間360時間以内、臨時の場合2~6カ月の平均80時間以内(休日労働を含む)年間720時間以内(休日労働は含まない))まで引き下げることを目標としながらも、24時間365日対応が必要である医師の特殊性を踏まえて、まずは2024年に医師独自のルールを設ける方針で検討が進められています。

その結果、冒頭でご紹介した休日労働込みの時間外労働を年960時間以内・月100時間未満とすること(A水準)が、今回の会議で提示されました。また、A水準を適用する場合、「追加的健康確保措置」として以下の2つの措置を行う必要があります。

<追加的健康確保措置>

(1)月当たり上限を超える場合には、医師による面接指導を行い、労働時間の短縮や当直回数を減らすといった対応を行う(義務)

(2)睡眠時間の確保のため、通常の日勤後・当直後から次回勤務開始まで、インターバルを設定する(努力義務)

ただし、労働時間を削減することによって、地域医療の提供に影響が及ぶ場合については、A水準を超えざるを得ない場合が想定されます。その場合、休日労働込みの時間外労働について年1,900~2,000時間程度以内とすること(B水準)で検討も進められています。B水準を適用する場合には、追加的健康確保措置として、面接指導だけでなく、勤務間インターバルの設定も義務付けられることとなります。

今後は、今回提案されたこれらの上限値について、引き続き検討が進められるほか、追加健康確保措置の詳細についても議論が行われる予定です。

厚生労働省:第16回医師の働き方改革に関する検討会 資料

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_03209.html

救急車による救急出動件数が過去最多の634万件にー「平成30年版 救急・救助の現況」を公表(1/11)

消防庁は、2016年の救急・救助業務状況についてまとめた「平成30年版 救急・救助の現況」を公表しました。救急車による救急出動件数は634万2,147件(前年比13万2,183件増、2.1%増)、搬送人員は573万6,086人(前年比11万4,868人増、2.0%増)で、どちらも過去最多となりました。救急車については5秒に1回の割合で出動し、国民の22 人に1人が搬送された計算となります。

年齢区分別の搬送人数をみると、65歳以上の高齢者が337万1,161人(58.8%)と過半数を占めており、年々増加傾向にあることが明らかになっています。また、傷病程度別では、軽症(外来診療に相当。入院の必要なし)が278万5,158人(48.6%)と半数近くと最多となっており、次いで中等症(入院診療)が238万7,407人(41.6%)となります。搬送人数全体のうち、軽傷者が占める割合は約5割のまま横ばいで推移しています。

そして、救急車の現場到着所要時間(119番通報を消防が受けてから、現場到着にかかる時間)は全国平均で8.6分と、前年と比較し0.1分遅くなっています。こちらについても年々時間が延伸する傾向がみられています。

救急に対する需要は、高齢化が進むことに伴い、今後より高まると予想されています。救急活動にかかる時間の延伸は、救命率の低下につながります。少しでも多くの命を救うために、救急車の適切な利用が求められています。

消防庁:「平成 30 年版 救急・救助の現況」の公表

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