【ニュース振り返り】2019年介護報酬改定、「特定処遇改善加算」の詳細が明らかに―2019年2月前半のニュース3選

ココメディカマガジン編集部が、気になる医療・介護業界のニュースをピックアップする「ニュース振り返り」。2019年2月前半は、介護職員の処遇改善に向けて10月から実施される「特定処遇改善加算」の詳細が決定したほか、外国人技能実習生在留にあたっての語学力についての要件を緩和する方針が示されました。早速振り返りましょう!

2019年度介護報酬改定、職員の処遇改善に向けた「特定処遇改善加算」の詳細が明らかに(2/13)

厚生労働省は、2019年10月からの介護報酬改定の加算率の詳細の公表し、介護職員の処遇改善のための新加算の名称を「介護職員等特定処遇改善加算」とすることを決定しました。

今回新設された「介護職員等特定処遇改善加算」は、その名の通り介護職員の処遇改善を目指して作られ、現行の処遇改善加算とは別の加算として、更に上乗せされる形となります。

加算(Ⅰ)、(Ⅱ)の2段階で設定されており、サービス提供体制強化加算、特定事業所加算、日常生活継続支援加算、入居継続支援加算の取得状況から、2段階のいずれかに設定されます。

具体的には、加算(Ⅰ)は、訪問介護が6.3%、通所介護が1.2%で設定されています。

加算要件は、

  1. 現行の介護職員処遇改善加算(Ⅰ)から(Ⅲ)までを取得していること
  2. 介護職員処遇改善加算の職場環境等要件に関し、複数の取組を行っていること
  3. 介護職員処遇改善加算に基づく取組について、ホームページへの掲載等を通じた見える化を行っていること

の3点が挙げられています。

今回の改定は、2017年12月に閣議決定された「新しい経済政策パッケージ」に基づいて、経験・技能のある職員の処遇を重点的に改善するため、事業所での勤続年数10年以上の介護福祉士に、月額平均8万円相当の処遇改善を行うことを根拠として算定された、公費1000億円程度を投じて実施されます。

新加算によって、経験・技能のある介護職員(勤続10年以上の介護福祉士が基本)について、「月額8万円」の改善または「役職者を除く全産業平均水準(年収440万円)」を設定・確保することが求められていますが、勤続年数(介護福祉士の資格保有者であることが必須要件)や処遇改善額などについては、事業所の裁量で設定することが認められています。

当初の想定よりも柔軟な運用が可能となる見込みです。

  

厚生労働省:第168回社会保障審議会介護給付費分科会(ペーパーレス)資料https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000202420_00014.html

介護職の外国人技能実習生、入国2年目の日本語能力要件を緩和へ(1/29)

厚生労働省は、外国人技能実習制度の介護職の受け入れ要件についての改正案を提示しました。

入国1年後に求められる日本語能力の基準が低くなることから、外国人技能実習制度利用にあたってのハードルが低くなり、受け入れが進むことが予想されます。

介護の技能実習生受け入れにあたっては、介護職のみに適用される独自の受け入れ基準が設けられています。

その一つが日本語能力。利用者とのコミュニケーションが求められる介護職においては、入国時には日本語能力試験の「N4」レベルが、入国後1年後には「N3」レベルに到達することが求められています*1

しかし、入国1年後に「N3」に達していない場合は、継続して滞在することが認められず、帰国しなければなりません。

語学力のハードルの高さから受け入れが進まず、送り出し国からも実習生が抱えるリスクが大きいとして、改善が求められていました。

この現状を踏まえて、2018年6月に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2018」(骨太方針2018)でも日本語能力に関する要件の見直しが求められており、今回厚労省がこれに応じる形で改正案を提示しました。本件について、パブリックコメントを2月27日まで実施しています。

今後は、日本語能力が「N4」認定であっても、入国1年後の技能実習評価試験に合格しており、かつ日本語を学ぶことについての追加要件を満たすことで、入国後3年間まで在留が可能となります。

介護人材については人手不足が深刻で、政府は、2018年12月に実施した「外国人材の受入れ・共生に関する関係閣僚会議」で、今後5年間で30万人程度の人員が不足すると見込みであることを明らかにしています。

そして、人員不足対策の一つとして、外国人の介護人材受け入れを掲げており、今後5年間で最大60,000人を受け入れる見込みです。

受け入れにあたっては、日本語能力の要件のほか、新設される「介護技能評価試験(仮称)」の合格が必要となります。 

  

*1)日本語能力検定での認定の目安。教室内で学ぶような、基本的な日本語を理解することができる「N4」に対し、「N3」は日常的な場面で使われる日本語をある程度理解することが必要になります。

パブリックコメント:「介護職種について外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律施行規則に規定する特定の職種及び作業に特有の事情に鑑みて事業所管大臣が定める基準等の一部を改正する件(案)について(概要)」に関する御意見の募集について

http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=495180334&Mode=0

首相官邸:外国人材の受入れ・共生に関する関係閣僚会議

http://www.kantei.go.jp/jp/singi/gaikokujinzai/kaigi/dai3/gijisidai.html

後期高齢者の約6割が3疾患以上を併存-東京都の後期高齢者、131万人分のレセプト情報分析より(2/1)

東京都健康長寿医療センターは、後期高齢者のうち、2疾患以上の慢性疾患を併存しているのは約8割、3疾患以上については約6割を占めているとの調査結果を明らかになりました。

複数の疾患が併存している状態は多病と呼ばれており、高齢化が進むにつれ、多病を抱える患者が増加すると報告されています。

そこで、東京都健康長寿医療センターは、多病の有病状況や、頻度が高い一方で研究が不足している、3疾患の組み合わせを把握するため、東京都の後期高齢者の約131万人分のレセプト情報を分析しました。

その結果、東京都の後期高齢者のうち、2疾患以上の慢性疾患の併存が約8割、3疾患以上については約6割を占めていることが明らかになりました。

最も頻度の高い3疾患は、男性は高血圧・潰瘍性疾患・虚血性心疾患(12.4%)、女性は高血圧症・脂質異常症・潰瘍性疾患(12.8%)となりました。

また、多病を抱えやすい高齢者の特徴として、男性、85~89歳、医療費が1割負担、在宅医療を受けていること、外来受診施設数の多いこと、入院回数の多いことが挙げられるとのことです。

東京都健康長寿医療センターは、後期高齢者の約8割が多病を抱えている現状を踏まえ、高齢患者向けの診療ガイドラインについては、多病を配慮し作成する必要があることを指摘しています。

また、今回の調査結果が優先的に考慮すべき併存疾患の組合せを選択する手掛かりになるとまとめています。

  

東京都健康長寿医療センター研究所:<プレスリリース>75歳以上の約8割が2疾患以上、約6割が3疾患以上の慢性疾患を併存

https://www.tmghig.jp/research/release/2019/0201.html

  

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