【ニュース振り返り】在宅医療を受療した患者、過去最多の18万人に―2019年3月前半のニュース3選

ココメディカマガジン編集部が、気になる医療・介護業界のニュースをピックアップする「ニュース振り返り」。2019年3月前半は、2017年に在宅医療を受けた患者が過去最多の18万人となったことが明らかに。特別養護老人ホームの経営状況についての新たな調査結果も公表されました。それでは、早速振り返りましょう!

在宅医療を受けた患者数、過去最多の18万人に-2017年患者調査より(3/1)

厚生労働省は、2017年の患者調査の結果を公表しました。在宅医療を受けた患者数の推計は18万人で、調査を開始した1996年以降最多となっています。

患者調査は3年に一度実施されており、今回の調査では、全国1万5394の医療機関(病院:6,395、一般診療所5,526、歯科診療所:1,223)で受療した、入院患者131.2万人、外来患者719.1万人が対象となっています。

在宅医療の利用状況については、前回調査時(2014年)の15.6万人から約2割程度増加し、過去最多の18万人となっています。2005年以降、利用者数が急増しており、在宅医療が普及している現状が伺えます。

種類別では、訪問診療の利用者が11.6万人と最多で、全体の6割を占める結果となり、往診(4.4万人)、医師・歯科医師以外の訪問(1.9万人)がそれに続きます。利用者の年齢層については、18万人のうち16.6万人が65歳以上の高齢者。そのうち、75歳以上が14.8万人と、後期高齢者の利用が非常に多くなっていることがわかりました。

 

さて、今回公表された報告では、在宅医療以外にも注目すべき項目があります。いくつかご紹介しましょう。

まずは、退院患者の平均在院日数。

2017年9月中の全国の退院患者の平均の在院日数は「病院」が30.6日、「一般診療所」が12.9日となっており、前回調査より短くなっています(2014年調査 病院:33.2、一般診療所:17.4)。

平均在院日数は、病院、診療所ともに年々短縮する傾向がみられており、今回もその流れに沿った形となっています。また、年齢階層別では、高齢になるほど在院日数が長くなることが明らかになっています。

 

つづいて、都道府県ごとの受療率

人口10万人ごとの受療率について、入院については、高知県(2,101)が最多で、鹿児島県(1,880)、山口県(1,706)がそれに続きます。

最も少なかったのは、神奈川県(706)で、最多の高知県とは3倍程の差がみられます。

都道府県ごとに大きなばらつきがあることが明らかになりました。

厚生労働省:平成29年(2017)患者調査の概況

https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kanja/17/index.html

がん診療連携拠点病院、389施設が新たに指定されるー「がん診療連携拠点病院等の指定に関する検討会」にて選定(3/7)

厚生労働省は、7日に行われた「がん診療連携拠点病院等の指定に関する検討会」で、「都道府県がん診療連携拠点病院」として50施設、「地域がん診療連携拠点病院」として339施設を新たに指定しました。

2018年7月に発出された新指針「がん診療連携拠点病院等の整備に関する指針」に基づいて選定されており、2019年4月から新体制でがん診療が行われることとなります。

 

厚労省は、全国どこでも質の高いがん医療を提供することができるよう、全国に高度ながん診療を提供する病院として、「がん診療連携拠点病院」、「地域がん診療病院」、「特定領域がん診療連携拠点病院」を指定しています。

「がん診療連携拠点病院」については、都道府県で中心的役割を果たす「都道府県がん診療連携拠点病院」と、都道府県内の各地域(2次医療圏)で中心的役割を果たす「地域がん診療連携拠点病院」に更に分けられています。

 

これらの拠点病院として認定されるには、それぞれに指定された要件に適合する必要があります。

しかし、拠点病院の取組みに格差がみられることや、拠点病院での安全確保が必要といった課題が指摘されており、内容の見直しが進められていました。

 

これらの課題を踏まえて、2018年7月に公表されたのが「がん診療連携拠点病院等の整備に関する指針」です。新指針で変更となった点について、注目すべきポイントをみてみましょう。

まずは、「地域がん診療連携拠点病院」の設置要件が、従来は2次医療圏に1カ所だったのに対し、新指針では「都道府県が医療計画にて定めるがんの医療圏に1カ所」へと変更となっています。

 

また、「地域がん診療連携拠点病院」に3つの類型が新設されました。

従来の「地域がん診療連携拠点病院」に加えて、診療機能が高いと認められた病院を「地域がん診療連携拠点病院(高度型)」とするほか、診療実績や人員配置など、指針に定められた要件を満たさない拠点病院が該当する「地域がん診療連携拠点病院(特例型)」に分けられます。

高度型については、がんの医療圏ごとに1カ所のみ設けることとなっています。

  

これらに加えて、「医療安全体制の確保」についても要件が新設されました。

組織上明確な医療安全管理部門を設置し、この部門の長として常勤の医師、医療に係る安全管理を行う者として選任の薬剤師と看護師を配置することが規定されています。

厚生労働省:第14回がん診療連携拠点病院等の指定に関する検討会

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_03860.html

厚生労働省:がん診療連携拠点病院等

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/gan/gan_byoin.html

特別養護老人ホーム、3割超が赤字経営(3/1)

福祉医療機構は、2017年度の特別養護老人ホームの経営状況についての報告書を公表しました。経営状況が赤字となっている施設は3割に上り、厳しい状況が浮き彫りになった形といえます。

 

今回の調査は、開設後1年以上経過している3,681施設(従来型1,487施設、個室ユニット型2,194施設)に対して実施されました。

そのうち、赤字施設の割合は、従来型で 33.9%、ユニット型では 31.7%、特養全体では 32.6%と3 割を超えることが明らかになりました。

前年度調査と比較しても、赤字施設の割合はほぼ横ばいのまま推移していることから、厳しい経営状況が依然として変わらないことがわかります。

 

施設の定員数ごとでは、従来型、ユニット型とも定員数29人以下の施設で赤字となっている割合が最も高く(従来型:38.7%、ユニット型:44.0%)、100人以上の施設が最も低い(従来型:25.1%、ユニット型:19.5%)ことが明らかになっています。

定員が少ない施設では、従事者一人当たりの人件費が低くなる傾向も現れており、人員確保の面からも小規模施設の現状の厳しさが伺えます。

  

それでは、赤字施設と黒字施設ではどのような違いがみられるのでしょうか。

ポイントは「利用率」。

従来型、ユニット型のいずれも、黒字施設の方が施設利用率が高いことがわかっています。

  

また、ユニット型施設の「加算の算定状況」もポイントの一つ。

黒字施設では、栄養マネジメント加算、個別機能訓練加算、口腔衛生管理体制加算、日常生活継続支援加算といった、施設のケア体制を評価する加算の算定割合が高くなっています。

従来型施設においても、看取りに関する報酬が算定されている施設の方が利用率が高くなっており、利用者にとってケアの内容が施設選びのポイントとなっていると考えられます。

施設が提供するケアの専門性」が経営状況の改善のカギといえるでしょう。

独立行政法人福祉医療機構:平成29年度 特別養護老人ホームの経営状況について

https://www.wam.go.jp/hp/wp-content/uploads/190301_No011_2.pdf

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