【ニュース振り返り】電子カルテ、標準規格設定に向けた検討開始へ―2019年5月前半のニュース3選

ココメディカマガジン編集部が気になる医療・介護業界のニュースをピックアップする「ニュース振り返り」。2019年5月前半は、こどもの日にちなんだ、子どもの人口についての調査結果が公表されました。また、電子カルテの標準規格設定についての提言がまとめられるなど、4月後半の重要ニュースについても解説します。それでは早速振り返りましょう!

電子カルテなどの医療データ、標準規格設定についての提言が公表(4/24)

4月24日に開催された内閣府の規制改革推進会議(医療・介護ワーキング・グループ)で、医療分野におけるデータ利活用促進に関しての意見書が取りまとめられました。
現在、標準規格が設けられていない電子カルテなどの医療データについて、標準規格設定を検討する方針が示されました。

医療現場では、カルテ、診療や調剤に係る明細書(レセプト)、処方箋、レントゲン画像、健診結果、服薬履歴、アレルギー診断などのデータが日々発生しています。
特に電子カルテについては、多くの医療機関が利用しており、厚労省の調査では普及率(2017年)は一般病院で46.7%、一般診療所で41.6%と年々高まっています。

しかし、電子カルテに関する標準規格が設けられないまま整備が進められたため、ベンダー(ソフトの販売会社)ごとに規格がまちまちなのが現状で、「患者の転居の際に情報の引継ぎができない」、「他社製品や共同利用可能なクラウドへの移行が難しく、機能の劣る独自システムを使い続けざるを得ない」といった問題が生じています。

今回の規制改革推進会議では、厚労省は、電子カルテをはじめとした医療情報の活用を促進するために、国内外での相互運用を視野に入れた標準規格の検討を進めるべきで、官民の役割分担を含む運営体制の構築についても検討すべきであるとの提言がなされました。

また、今後導入が予定されている、全国の医療機関・薬局間で患者の医療情報を結ぶ「保健医療記録共有サービス」、国民に対して健診情報を提供する「マイナポータルを活用した PHR サービス」について、サービス開始前に、最低限必要となる標準規格を検討し、ガイドラインなどの形で公表すべきとの意見もまとめられています。

なお、先進的な事例として参考となるのがアメリカです。
医療情報の標準規格にあたって、技術革新に意欲的な民間団体の標準規格策定を政府が後押したほか、一定の機能条件を満たした病院システムを導入する場合には補助金を支払うなどの振興策を実施しました。
政府と民間団体が連携した結果、標準規格が普及し、データ活用が大きく進んだのです。

日本の現時点での課題と、アメリカなどでの先進的な事例を踏まえて、今後検討が進められる見込みです。

内閣府:規制改革推進会議 第12回医療・介護ワーキング・グループ 議事次第

https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/suishin/meeting/wg/iryou/20190424/agenda.html

厚生労働省:医療分野の情報化の推進について

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/johoka/index.html

高齢者のPTPシートの誤飲に注意!調剤前に服薬情報の確認を-薬局ヒヤリ・ハット事例より(4/23)

日本医療機能評価機構は、4月の薬局ヒヤリ・ハット事例のうち共有すべき事例を公表。

薬剤を一包化調剤せずにPTPシートのまま交付したことにより、患者がシートから薬を出さずにそのまま薬剤を服用した事例が取り上げられました。

 

では、詳細をご紹介しましょう。

脳出血の既往歴がある70歳代の患者に、臨時薬としてアンブロキソール塩酸塩錠と、デキストロメトルファン臭化水素酸塩が5日分処方されました。

患者はこれまでに薬剤の飲み忘れや飲み間違いがあったため、定期薬の処方箋には一包化の指示があり、薬剤服用歴の表紙にもそのことが記載されていました。しかし、今回の臨時薬の処方箋には一包化の指示がなく、薬局はPTPシートのまま交付しました。

家族も一包化されていないことに気づきながらも、そのまま受領。PTPシートを1錠ずつ切り離して患者に渡しましたが、患者はPTPシートごと飲み込んでしまいました。
その後救急車で受診し、飲み込んだPTPシートを取り出すため、外来で胃内視鏡の処置を受ける事態となりました。

PTPシートの誤飲については以前から問題視されており、2010年9月には厚労省からの通知によって広く注意喚起されています。

具体的には、
(1)調剤・与薬時などに不必要にハサミなどで1つずつに切り離さないこと

(2)高齢者、誤飲の可能性のある患者、自分で医薬品の管理が困難な患者に対しては、家族などの介護者に対して注意喚起(内服時の見守りなど)を行うこと

(3)高齢者、誤飲の可能性のある患者、自ら医薬品の管理が困難と思われる患者については、必要に応じて一包化による処方を検討すること
が喚起されています。

日本医療機能評価機構には、今回の事例以外にもPTPシートの誤飲や、薬剤の一包化がなされなかったために、患者のコンプライアンスが守られなかった事例や服薬を誤った事例が複数報告されているとのことです。
一包化調剤を行っている患者には、毎回同じ方法で確実に調剤することが必要で、調剤の前に、薬剤服用歴などを利用して患者情報を必ず確認してから実施することが重要であると、日本医療機能評価機構はまとめています。

また、在宅医療に携わる職員や家族による見守りも欠かせません。
不必要に1つずつに切り離さないことや、やむを得ず1つに切り離すときには誤飲のないよう、指導と見守りを行うことが大切です。

日本医療機能評価機構:薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業 2019年 No.4

http://www.yakkyoku-hiyari.jcqhc.or.jp/pdf/sharing_case_2019_04.pdf

厚生労働省:PTP包装シート誤飲防止対策について

https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000000rwgy.html

子どもの人口、過去最少の1533万人に(5/5)

総務省は5日、2019年4月1日現在の子どもの人口(15歳未満)についての調査結果を発表しました。
前年に比べ18万人少ない1533万人と推計され、過去最少となりました。

この調査は、5月5日のこどもの日にちなんで毎年報告されているもので、全国と都道府県ごとの子どもの人口についてまとめられています。

2019年4月1日の子どもの人口は、過去最少の1533万人(男子785万人、女子748万人)で、1982年以降38年間減少し続けています。
都道府県ごとでは、前年と比較して東京都は増加、沖縄県が同数となったものの、他の45府県は全て減少となりました。

年齢階級別では、12~14歳が322万人(総人口のうち2.6%)、9~11歳が321万人(同2.5%)、6~8歳が309万人(同2.5%)、3~5歳が295万人(同2.3%)、0~2歳が286万人(同2.3%)となっています。

つづいて、日本の総人口に占める子どもの割合は、2019年は過去最低の12.1%(前年比0.2%減)で、1975年から45年連続で低下しています。

1950年には総人口の3分の1を超える35.4%でしたが、第1次ベビーブーム期(1947年~1949年)以降低下し続け、1965年には25.6%まで減少しました。
その後、1970年代前半の第2次ベビーブーム期(1971年~1974年)によってわずかに上昇したものの、1975年以降再び低下し、2019年時点で45年連続の減少となっています。

また、国際的に比較しても、日本の子どもの割合は最低で、韓国(12.9%)、イタリア(13.4%)、ドイツ(13.4%)、中国(16.9%)などとなっています。

総務省統計局:統計トピックスNo.120 我が国のこどもの数「こどもの日」にちなんで(「人口推計」から)

https://www.stat.go.jp/data/jinsui/topics/topi1200.html

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