【ニュース振り返り】紹介状なしの受診、定額負担の対象となる病院の範囲拡大へ―2019年10月後半のニュース3選

ココメディカマガジン編集部が気になる医療・介護業界のニュースをピックアップする「ニュース振り返り」。10月後半は、紹介状なし受診時の、患者の定額負担について、対象となる病院の範囲拡大することが明らかに。前半まとめでご紹介できなかった、介護職員の特定処遇改善加算についてのアンケート結果も解説します。それでは早速振り返りましょう!

紹介状なしの患者の定額負担、対象病院の範囲拡大へ(10/30)

厚生労働省は、30日の中央社会保険医療協議会の総会で、紹介状なしで大病院を受診した患者の窓口での定額負担について、対象となる病院の範囲を拡大する方針を示しました。

厚労省は、比較的症状の軽い患者は診療所に、高度な医療を提供する大規模な病院については、重症の患者の治療に専念するよう、医療機関の機能分化を推し進めています。

紹介状なしで大病院を受診した際に、患者に定額負担を求める制度についても、この一環として2016年に導入されました。
当初は特定機能病院と500床以上の地域医療支援病院のみが対象でしたが、18年度診療報酬改定の際に適用範囲が拡大され、現在では、許可病床400床以上の地域支援病院までとなっています。

救急の患者など、緊急時や、やむを得ない事情がある場合については、定額負担の対象外となりますが、負担額は、初診時は5,000円(歯科は3,000円)以上、再診時は2,500円(歯科は1,500円)以上とすることが定められており、18年10月時点の初診時の平均負担額は5,352.2円となっています。

今回、新たに対象となるのは、200~399床の病院。
これらの病院については、選定療養として特別の料金を徴収することができ、9割以上が導入していますが、徴収額は2700円程度と、既に対象となっている病院の半額程にとどまっています。

紹介なしで外来受診する患者の割合については、全体的に減少傾向にあるものの、いまだに半数近くが該当するといわれています。一方、18年度診療報酬改定時に新たに対象となった病院については、紹介なしの患者数が大きく減少していることも明らかに。対象拡大によってどのような変化がもたらされるのか、注目が集まっています。

厚生労働省:中央社会保険医療協議会 総会(第429回) 議事次第

https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000212500_00044.html

2020年度診療報酬改定、「医師の働き方改革」が最重要課題に(10/21)

厚生労働省の社会保障審議会医療部会は、21日、2020年度診療報酬改定の基本方針を示しました。
改定の基本的視点として4点を挙げており、そのうち「医師の働き方改革」を重点課題として推し進める案を提示しました。

基本的視点として示されたのは次の4点で、医師の働き方改革に関連する<視点1>が重点課題として提案されました。

<視点1> 医療従事者の負担を軽減し、医師等の働き方改革を推進 【重点課題】 

<視点2> 患者・国民にとって身近であるとともに、安心・安全で質の高い医療を実現 

→かかりつけ医、かかりつけ歯科医、かかりつけ薬剤師・薬局の機能の評価など

<視点3> 医療機能の分化・強化、連携と地域包括ケアシステムの推進 

→外来医療の機能分化、質の高い在宅医療・訪問看護の確保、地域包括ケアシステムの推進のための取組など

<視点4> 効率化・適正化を通じた制度の安定性・持続可能性の向上

 →後発医薬品やバイオ後続品の使用促進、医薬品の適正使用の推進など

なお、医師の働き方改革については、23日に、医師の業務を他の医療専門職に移管する「タスクシフティング」についての初の検討会が開催され、業務の整理に向けた議論が本格的に始まりました。
24年4月から時間外労働の上限規定が医師にも適用される予定となっており、労働時間短縮に向けた取り組みが急務となっています。

医師の働き方改革そのものはもちろん、診療報酬とどのようにつながるのか、今後の動向に要注目です。

厚生労働省:第69回社会保障審議会医療部会

https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000210433_00007.html

厚生労働省:第1回医師の働き方改革を進めるためのタスク・シフト/シェアの推進に関する検討会 資料

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_07378.html

特定処遇改善加算、事業者の8割が加算予定-おおむね厚労省の基準通りの運用に(10/9)

独立行政法人福祉医療機構(WAM)は、10月から導入された、介護職員などの「特定処遇改善加算」についてのアンケート結果を公表しました。
76.5%の法人が、10月から特定処遇改善加算を導入予定で、算定対象となる職員の要件や、賃金改善額など、おおむね国が示した基準に沿って運用する意向であることが明らかになりました。

今回公表されたアンケートは、特定処遇改善加算の対象となる介護サービス事業所を運営する法人(4,872 法人)に実施されたもので、1,016法人から回答を得ています。

まず、算定意向については、10月から特定処遇改善加算を算定するとの回答が最多の76.5%で、20年4月から算定予定(5.5%)と合わせると、約8割が20年度初めには算定する見込みであることがわかります。

一方で、算定する予定はないと回答したのは7.2%で、収益規模が小さい法人に特にその割合が多く、18年度収益額が1億円未満の法人については半数が算定予定ではないとのことです。
要因について「、WAMは、規模が小さい事業者にとっては、加算額が少なく、対象職員に対して、要件を満たすような十分な賃金改善を行うことができないことから、算定を控えた」と分析しています。

続いて、具体的な算定状況については、(A)経験・技能のある介護職員、(B)他の介護職員、(C)その他の職種の3グループ全てを算定の対象とする法人が、74.3%と多くを占める結果に。
Aグループについては、約8割が勤続年数についての要件に設けており、そのうち「10年」とした法人は84.1%を占めます。政府が示した基準に則って運用していることが伺えます。

1人当たりの平均賃金改善額については、Aグループが21,700円、Bグループが9,339円、Cグループが4,585円となり、こちらについても、政府が示したグループごとの改善額についての要件「AはBの2倍以上、CはBの2分の一以下(A:B:C=2:1:0.5)」と、ほぼ同じであることがわかりました。

なお、今回の算定要件の中で難しいと感じる点については、「介護職員内の配分方法の決定(55.5%)」が最多で、「その他の職員への配分の検討(52.3%)」、「加算の対象外の介護事業所職員との賃金バランス調整(50.3%)」と続きます。
事業者で柔軟に設定できるがゆえに、多くの法人が配分の調整に難しさを感じているようです。

独立行政法人福祉医療機構:2019 年度介護報酬改定₋介護職員等特定処遇改善加算アンケート結果について

https://www.wam.go.jp/hp/wp-content/uploads/191009_No007.pdf

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