【ニュース振り返り】2020年度診療報酬改定、重点課題は「医師の働き方改革」―2019年12月前半のニュース3選

ココメディカマガジン編集部が気になる医療・介護業界のニュースをピックアップする「ニュース振り返り」。12月前半は、診療報酬改定の基本方針がついにまとまったほか、薬剤耐性菌についての日本初の調査結果が公表されました。それでは早速振り返りましょう!

2020年度診療報酬改定、重点課題は「医師の働き方改革」に。基本方針決まる(12/9)

厚生労働省は9日、2020年度診療報酬改定の基本方針について、社会保障審議会・医療部会の会合で了承を得ました。
かねてから検討が進められてきた、診療報酬の基本方針がついにまとまった形となります。

 

今回取りまとめられた基本方針では、①医療従事者の負担軽減、医師等の働き方改革の推進、②患者・国民にとって身近であって、安心・安全で質の高い医療の実現、③医療機能の分化・強化、連携と地域包括ケアシステムの推進、④効率化・適正化を通じた制度の安定性・持続可能性の向上の4点が基本的視点として示されています。

 

このうち、重点課題として位置付けられたのは、①の「医師の働き方改革」。
長時間労働といった、厳しい労働環境の改善に向けた取り組みのほか、救急医療体制、業務効率化に向けたICT活用の推進に取り組む医療機関を評価するとしています。

 

具体的には、医療機関内でのマネジメントシステムの実践のほか、タスクシフティング、チーム医療推進によって、長時間労働を改善することが求められています。

 

また、基本的視点③「医療機能の分化・強化、連携と地域包括ケアシステムの推進」では、質の高い在宅医療・訪問看護を提供する体制の確保について言及。
患者の状態に応じて、切れ目なく医療が提供できるよう、地域包括ケアシステム推進するとしています。

厚生労働省:第71回社会保障審議会医療部会

https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000210433_00009.html

薬剤耐性菌による死亡者数、年間8000万人ー日本国内初の調査結果が公表(12/5)

国立国際医療研究センター病院の研究チームは、5日、薬剤耐性菌による日本国内の年間死亡者数が約8000人にのぼるとの研究成果を報告しました。
薬剤耐性菌による国内の死亡者数について、調査が行われたのは、今回が初めてとなります。

 

今回は、薬剤耐性菌の中でも発生頻度が高い、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)とフルオロキノロン耐性大腸菌(FQREC)について調査が行われました。
厚労省のデータベースに蓄積された症例数と、過去の研究により明らかになった死亡率を用いて、これら2種の菌に感染し、菌血症(菌が血液中に入り込んでしまう状態)となり死亡した患者数を推定しています。

 

その結果、2017年の死亡者数はMRSAが4,224名、FQRECは3,915名で、年間約8000人が薬剤耐性菌によって死亡していることが明らかになりました。

 

薬剤耐性菌による死亡者数は、アメリカでは年間3.5万人以上、ヨーロッパでは年間3.3万人と推定されており、2050年には世界全体で1000万人ほどに増える可能性があるといわれています。
今回の調査で、薬剤耐性菌が日本でも大きな影響を与えていることが明らかになり、対策の必要性が浮き彫りになりました。

 

国立国際医療研究センター病院は、今後、他の薬剤耐性菌についても死亡者数の推定を行う予定とのことです。

国立研究開発法人 国立国際医療研究センター:2019年12月5日付プレスリリース「日本での薬剤耐性(AMR)による深刻な被害を調査」

http://amr.ncgm.go.jp/pdf/20191205_press.pdf

要介護認定にAIを活用―郡山市で実証実験開始(12/4)

福島県郡山市は、株式会社NTTデータ東北と連携し、要介護認定の事務作業にAIを活用する実証実験を行うことを発表しました。
確認に人手と時間を要する、認定調査票の確認作業にAIを活用することで、業務の改善が可能か、検証するとのことです。

 

具体的には、認定調査票の基本調査部分での選択結果と、特記事項の整合性チェックにAIを活用します。
例えば、特記事項として「両下肢ともに麻痺がある」との記述があった場合、基本調査では「麻痺の有無」の問いにおいて「左下肢」、「右下肢」の両方を選択する必要があります。

 

このように、特記事項と基本調査とで連動する箇所について、現時点では職員が確認作業を行っていますが、AIがこれに代わることで、正確性、効率性を高める狙いです。

 

要介護認定については、高齢化により申請件数が増えたために、申請から認定までの期間が長期化し、約40日間かかるとの調査結果が報告されています。介護保険法では、30日以内に申請結果を出す必要があると定められており、実態と乖離した結果であることがわかります。

 

NTTデータ東北によると、事務作業にAIを活用した事例は、全国的に見てもあまりないとのことですが、現場の負担軽減に役立つ可能性があり、実験結果に注目すべき事例といえるでしょう。

株式会社NTTデータ東北:12月4日付プレスリリース「郡山市との『要介護認定事務におけるAI実証実験』に関する協定締結について」

https://www.nttdata-tohoku.co.jp/newsrelease/20191204.html

 

 

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