【ニュース振り返り】高齢者虐待、過去最多の17,800件超ー2019年12月後半のニュース3選

皆さま、明けましておめでとうございます!ココメディカマガジンは、本年も医療・介護にまつわる情報や、業界動向をどんどん発信してまいります。どうぞよろしくお願いいたします!

まずは昨年201912月の医療・介護ニュース振り返りです。12月後半は、高齢者虐待の最新調査と、人口動態統計の年間推計が報告されました。グリセリン浣腸に関する注意喚起についてもご紹介します。それでは早速振り返りましょう!

高齢者虐待、過去最多に。施設は前年比2割増の621件(12/24

厚生労働省は、24日、2018年度の高齢者虐待に関する調査結果を公表しました。
全国で高齢者虐待と認められた件数は、「養介護施設従事者等」によるものが
621件、家族、親族、など「養護者」によるものが17,249 件で、2006年度に調査が開始されて以降、いずれも最多となったことが明らかになりました。
施設での虐待については、前年比
2割増加となっています。

養介護施設では、「施設職員」(541人、21.6%)と「家族・親族」(493人、19.7%)による相談・通報によって発見されるケースが4割を占めており、虐待の発生要因については「教育・知識・介護技術等に関する問題」が 最多の358件(58.0%)で、6割を占める結果となりました。
また、虐待の種別については、「身体的虐待」が最多の
533人(57.5%)で、「心理的虐待」251人(27.1%)、「介護等放棄」178人(19.2%)がそれに続きます。

虐待を行った職員の状況については、「男性」が 392 人(54.2%)、「女性」が 294 人(40.7%)となっています。
介護従事者全体に占める男性の割合は
20.6%であることを考慮すると、虐待者は相対的に男性の割合が高いことがわかります。

続いて養護者による虐待については、「介護支援専門員」(9,911人、28.4%)や「警察」(8,625 人、24.7%)による通報によって発覚するケースが多くを占めます。
虐待の種別については「身体的虐待」が
最多の11,987人(67.8%)で、「心理的虐待」が6,992人(39.5%)、「介護等放棄」が3,521 人(19.9%)、「経済的虐待」が 3,109人(17.6%)で、介護従事者によるケースと比較して、経済的虐待の占める割合が増えています。

また、虐待を行った養護者のうち、約87%が被虐待者と同居しており、続柄については、最多は「息子」の 7,472 人(39.9%)で、「夫」が4,047人(21.6%)、「娘」が3,316 人(17.7%)とそれに続きます。

また、養護者による虐待を受けた人のうち、要介護認定を受けているのは11,982人(67.7%)で、このうち、認知症日常生活自立度Ⅱ以上は8,588人(71.7%)、障害高齢者の日常生活自立度(寝たきり度)A以上は8,464人(70.6%)と報告されています。
虐待の最大の要因は「虐待者の介護疲れ・介護ストレス(
2,447件(25.4%))」であり、認知症、寝たきりといった、負担の大きい介護によってストレスがたまり、虐待につながりやすくなると考えられます。

厚生労働省:平成30年度「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」に基づく対応状況等に関する調査結果

https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000196989_00002.html

 

年間出生数、過去最少の864000人に(12/24

厚生労働省は、24日、2019年の人口動態統計の年間推計を公表しました。
推計出生数は前年を
54000人下回る864000人で、統計を取り始めた1899年以降、最少となりました。
人口
1000人当たりの出生率については7.0で、前年比0.4の減少となりました。

一方、死亡者数については、前年比14000人増の1376000人で、人口の自然増減については512000人の減少となりました。
2008年以降、人口減少が続いていますが、減少数は年々大きくなっており、50万人を超えたのは今回が初めてとなります。

なお、国立社会保障・人口問題研究所が2017年に公表した日本の将来推計人口では、出生数が90万人を下回るのは2021年(886000人と推計)と予測されており、それより2年早まっています。
国の予測を上回るペースで人口減少が進んでいることが明らかになりました。

厚生労働省:令和元年(2019)人口動態統計の年間推計

https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/suikei19/index.html

国立社会保障・人口問題研究所:日本の将来推計人口平成282016)~772065)年

http://www.ipss.go.jp/pp-zenkoku/j/zenkoku2017/pp29_ReportALL.pdf

 

立位の浣腸は、直腸損傷のリスクあり!左側臥位で実施を(12/16

日本医療機能評価機構は、医療安全情報No.157を公表。
201411日から20191031日までに、立位でグリセリン浣腸を実施し、直腸損傷した事例が4件報告されていることを明らかにしました。
グリセリン浣腸を実施する際には、左側臥位で行うよう、注意喚起しています。

 

実際に起こった事例をご紹介します。

患者に4日間排便がなかったため、看護師が左側臥位で浣腸をしようしましたが、患者の希望によりトイレに移動し、立位でグリセリン浣腸液を注入しました。
10分後、トイレからコールがあり、患者は排便困難を訴えたため、肛門周囲を見ると、3cm幅の腫脹と少量の出血を認められました。
その後、医師が診察し、
CT検査を実施したところ、直腸穿孔と診断されました。

別の事例では、患者に8日間排便がなかったため、医師がグリセリン浣腸の指示を出しましたが、患者はトイレでの実施を希望したため、看護師がトイレで、立位でグリセリン浣腸液を注入しました。
排便時に出血が認められ、その後、腹部
CT検査を実施したところ、肛門部から約3cmの辺りに粘膜損傷が認められました。

事例が発生した医療機関では、対策として、浣腸は左側臥位で実施すること、立位での浣腸実施の危険性を院内で周知し、患者にも説明することを行っています。
両方の事例とも、患者の希望で浣腸を立位で実施していることから、看護師がリスクを理解するだけでなく、患者にもリスクを理解してもらえるよう、きちんと説明することが重要といえるでしょう。

公益財団法人 日本医療機能評価機構:医療安全情報No.157「立位でのグリセリン浣腸 による直腸損傷」

http://www.med-safe.jp/pdf/med-safe_157.pdf

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