【ニュース振り返り】介護施設の看取り専用個室、設置に補助金交付へ―2020年1月後半のニュース3選

ココメディカマガジン編集部が気になる医療・介護業界のニュースをピックアップする「ニュース振り返り」。1月後半は、介護施設が看取り専用個室を整備する場合、補助金を交付する方針を厚労省が示したほか、サ高住の看取り率を国交省が公表するなど、介護の話題が豊富でした!それでは早速振り返りましょう!

 

介護施設の看取り専用個室、設置に補助金交付へー2020年度から開始(1/17)

厚生労働省は、17日に実施した全国厚生労働関係部局長会議で、介護施設に看取り専用個室を設けるための改修を行う場合、補助金を出す方針を示しました。
補助金は来年度から適用される予定で、予算には地域医療介護総合確保基金が充てられるとのことです。

17日の会議では、地域医療介護総合確保基金を活用し、介護施設を充実させる拡充案が複数提示され、その一つとして、「看取り専用個室設置に向けた改修」が示されました。

介護施設での看取りの環境を整備する観点から、看取りのための個室の確保するために施設改修を実施する場合、1施設当たり最大350万円の補助金を出すとのことです。
補助の対象となるのは、特養、老健、介護医療院など9種が該当します。

なお、整備した個室については、看取りに利用することが原則ではありますが、看取りの利用がない期間については、入所者の静養や家族などの一時的な宿泊に使用することも可能とのことです。

地域医療介護総合確保基金は、地域の医療・介護の充実を目指し、2014年に設けられた財政支援制度で、都道府県ごとに設置されており、都道府県と市町村が策定した事業計画に基づき利用することができます。
財源には、消費税増税分などが充てられており、来年度は基金全体で2,018億円、うち介護分は824億円が公費として計上されています。
このうち、国が2/3、都道府県が1/3を負担しています。

今回の会議では、「看取り専用個室設置に向けた改修」以外に、「施設の大規模修繕の際にあわせて行うロボット・センサー、ICTの導入支援」の拡充などが提示されました。

厚生労働省:令和元年度 全国厚生労働関係部局長会議資料(8)老健局

https://www.mhlw.go.jp/topics/2020/01/tp0107-1.html

サ高住での看取り、22.4%に増加(1/29)

国土交通省は、29日のサービス付き高齢者向け住宅に関する懇談会で、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の現状についての調査結果を公表しました。
2018年度のサ高住での看取りの実施率は22.4%で、前年度と比較し3.3%増加しました。

公表された調査結果によると、2019年12月末時点でサ高住として登録されている施設は250,352戸。
サ高住は、本来、自立した高齢者向けの施設ですが、実際は自立した高齢者の入居は少なく、要介護3以上の利用者が3割程度を占めています。
また、高齢者生活支援施設が1つ以上併設または隣接しているサ高住が8割を占めており、併設された施設の種別は、通所介護事業所(43.7%)、訪問介護事業所(40.9%)が上位を占めています。

そして、病院・介護療養型医療施設等へ転院したり、死亡したりした利用者のうち、サ高住で看取られた方の割合(看取り率)は22.4%で、2017年度の19.1%から3.3%増加しましたが看取り対応可能な施設はまだ少ないようです。
また、有料老人ホームの看取り率については、「住宅型」が27.6%、「介護付」が34.9%で、いずれも前年度より増加しています。

サ高住、有料老人ホームの看取り率増加には、これらの施設が、特別養護老人ホーム(特養)に入居できない待機者の受け皿になっていることが一因と考えられます。
厚労省によると、2019年度の特養の入居待機者は29.2万人で、前回調査時(2016年度)の29.5万人から微減したものの、依然として深刻な状況です。

国土交通省:サービス付き高齢者向け住宅に関する懇談会 第3回配布資料

http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_fr7_000034.html

厚生労働省:特別養護老人ホームの入所申込者の状況

https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000157884_00001.html

 

在宅酸素療法、火災事故が相次いで発生―原因の4割はたばこ(1/22)

厚生労働省は、22日、在宅酸素療法時の火気による引火事故について、発生動向を明らかにしました。
2019年1月から8月までの8か月間で、5件の火災(うち4件は死亡)が発生しており、適切な使用を呼び掛けています。

在宅酸素療法は、慢性閉塞性肺疾患、肺線維症、肺結核後遺症などが原因で慢性呼吸不全になり、体内にうまく酸素を取り込めない患者が、自宅など病院の外で、酸素を吸入しながら生活する療養法です。
患者は、酸素濃縮装置や酸素ボンベなどの酸素供給装置で発生させた酸素を、チューブを通し鼻から吸入します。

しかし、在宅酸素療法中の喫煙などにより、火災が発生するケースが度々報告されています。
日本産業・医療ガス協会の報告によると、2003年から2018年11月までに死亡71件、重症4件、また2019年1月から8月までの8か月間では死亡4件、重症1件の事故が相次いで発生しています。
火災の原因については、不明(29件、32%)が多いものの、喫煙が最多の42%(34件)を占めています。
また、漏電、電気ストーブからの引火といった事例も報告されています。

厚生労働省は、在宅酸素療法を受けている患者とその家族に対し、酸素吸入中に火気を近づけることが火災の原因となること、酸素濃縮装置等の使用中は、装置の周囲2m以内には、火気を置かないこと、医師の指示通りに使用することを注意喚起しています。
特に、酸素吸入時にたばこなどの火気を近づけると、鼻周辺のチューブに引火し、衣服が燃え、火災につながる可能性があるため、酸素吸入中に喫煙しないよう、強く訴えています。

同時に、酸素供給装置は、火気の取り扱いに注意し、取扱説明書通りに使用すれば安全な装置であることを、患者とその家族に理解してもらえるよう、医療従事者が働きかけることも求めています。

厚生労働省:在宅酸素療法における火気の取扱いについて

https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000003m15_1.html

 

 

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